
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
重心の「高さ」ということは、半円筒はトンネルのように伏せてあるわけですね。
トンネルの長さ方向は重心の高さに関係ないので、断面の平面図形の重心を考えます。
(大半円から小半円をくりぬいた形。勝手に“半円環”と名付けます。)
また、勝手ながら半径Rは外径と解釈して、内径はR-tとします。
平面図形に関して、図形を細かく分けたそれぞれの面積をdS、図形外に固定した直線
からの距離をyで表すと、重心の位置[y]は次の式を満たすものとして定義されます。
∫ydS=[y]∫dS …◎
今回の問題に当てはめると、トンネルの断面内で、路面との交線(半円環の直径)
方向をx軸とし、中心から高さ方向にy軸を取れば、重心の高さは[y]となります。
右辺の∫dSは単純に半円環の面積ですから、(π/2){R^2-(R-t)^2}、
左辺の積分はy=r*sinθと極座標変換すると、dS=r*drdθ、
積分範囲は綺麗にr=R-t~R、θ=0~πとなりますから、
∫ydS=∫∫r^2*sinθ*drdθ
=(∫r^2*dr)×(∫sinθ*dθ)
=(2/3){R^3-(R-t)^3}
よって、◎式より
[y]=(4/3π){R^3-(R-t)^3}/{R^2-(R-t)^2}
と求まります。ちなみに
t→0(薄肉の極限)で、[y]→(2/π)R≒0.637*R
t→R(厚肉の極限)で、[y]→(4/3π)R≒0.424*R
となるようです。
積分する代わりにちょっと工夫することもできます。◎式の両辺に2πを掛けると
∫2πydS=2π[y]∫dS
となり、(詳細は割愛しますが)これは
(x軸で図形を回転した体積)=(その時重心が回転する距離)×(図形の面積)
と解釈できます。これを「パップス・ギュルダンの定理」といいます。
問題に当てはめて考えると、x軸(半円環の直径)を回転軸として半円環を一回転
させれば球殻(球から同心球をくりぬいた立体)になりますから、定理より、
(半円環を回転してできる球殻の体積)=(半円環の重心の回転距離)×(半円環の面積)
という具合に球の体積の公式が使えるので、以下のものを代入すれば積分を一切
使わず同じ結果が出ます。
球殻の体積=(4π/3){R^3-(R-t)^3}
半円環の重心の回転距離=2π[y]
半円環の面積=(π/2){R^2-(R-t)^2}
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