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形態論の勉強で、屈折というものがいまいちわかりません。
日本語では動詞の活用に屈折がみられると云われますが、
ほかにはないのですか?

英語では3SGのVstem-sや、複数形の-sが屈折といえると聞きましたが、
日本語で複数を表わす「たち」や「ら」は屈折とは言えないのですか?
わたし-たち、あなた-たち、彼-ら など。。

これが屈折的と言えない場合、
英語の複数化接尾辞-sが屈折的といえるのに
日本語のそれらが屈折的と言えない理由を教えてください。

お願いします。

A 回答 (2件)

>日本語では動詞の活用に屈折がみられると云われますが、


ほかにはないのですか?

屈折を広く定義すれば、日本語では動詞、形容詞、形容動詞、助動詞が活用するので、屈折と呼ぶことができます。


>日本語で複数を表わす「たち」や「ら」は屈折とは言えないのですか?

言って言えなくもないですが、制限が厳しいので複数を表す接尾辞という方がふさわしいでしょう。
制限というのは、まず「たち」も「ら」も生物とくに人にしかつきません。
○生徒たち、友人たち、職員たち、
○生徒ら、友人ら、職員ら
?牛たち、馬たち、鳥たち、蜂たち
??牛ら、馬ら、鳥ら、蜂ら
×本たち、パソコンたち、朝顔たち
×本ら、パソコンら、朝顔ら
(ただし、指示詞について「これら、それら」は可能)

つぎに、特に「ら」は軽蔑的になることがあります。
お前ら、あいつら、子供ら

最後に、単なる複数ではなく、同類を含めることもできます。たとえば、
「病院では医師たちが大騒ぎしている。」
「現場では消防士たちが大勢いる。」
というとき、看護士や事務職員が騒いでいてもいいし、現場にいるのは警官や新聞記者がいてもいいでしょう。また、
「この商品のターゲットは私の親たちだ」
では、ターゲットとされているのは両親だけではないでしょう。

このように、単なる文法的な特徴だけを表す屈折辞よりも、意味がたっぷりありますから、普通は接尾辞として扱われます。
ただ、屈折の定義によっては屈折辞とすることも可能です。
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この回答へのお礼

お礼が遅れて申し訳ございません。
ご回答ありがとうございます。
やはり、こういった分野ではPiedpipingさんが
>定義によっては・・
と仰るように人それぞれ意見が分かれますよね。
接辞にも屈折接辞、派生接辞などありますので、
それらのどれに該当するのかも考えようで変わりそうです。。
大変参考になる例示をして頂き、ありがとうございました。

お礼日時:2009/08/03 20:53

回答No.1の方の説明はかなり納得できる気がしました。



余計な付け足しかもしれませんが、興味深い質問でしたので、すこし考えを書かせてください。私は言語学の専門家ではありませんから、やじ馬程度の存在と思っていただいて結構です。

たしか「屈折語」というのは、主にヨーロッパ系の言語のことだったと思います。「屈折」というのは、主に動詞などが主語の人称と単数・複数の別、それから時制や名詞の性などによってかなり強制的に変化することを言うのでしたね。
名詞自身が単複によって「屈折」すると言うかどうかは知りません。英語の「I]に対する「We」は屈折でしょうか? 「全体のシステムとして連動する」のですから、これも「屈折」のうちに入ると言う方がいいかもしれません。(やっと本題に入る前提が理解できました。)

これに対して日本語は「膠着語」と呼ぶのだったと思います。「ウラル=アルタイ語族」という言い方を覚えていますが、日本語以外の「膠着語」については全く知りません。
日本語が「膠着語」と言われる理由は、主に名詞に助詞が「くっつく」からだと思います。名詞自身は変化しません。
ただ、動詞に助動詞などが「くっつく」ときに、動詞(形容詞・形容動詞・助動詞)が語形変化するので、これが「屈折」に見えるのだと思います。
しかし、ヨーロッパ系の言語と違って主語の人称・単複、時制に関係なく、あとに「くっつく」語に応じて変化しているだけなので、「全体がシステムとして連動して変化する=屈折)とは本質的に違うのではないかという気がします。

だから、第1の質問「日本語では動詞の活用に屈折がみられると云われますが、
ほかにはないのですか?」に対する私の答えとしては、
たしかに日本語の動詞(形容詞・形容動詞・助動詞)は「活用する」けれども、「全体がシステムとして連動していない」以上、その現象を「屈折」とは呼ばない方がいいので、「ほかにはないのですか?」という問自体を変更した方がよいと思われます。「日本語には屈折する語があるのですか?」と。
いまのところ「屈折」する語は見つかりません。さて、屈折する語はあるのでしょうか?

第2の質問「日本語で複数を表わす「たち」や「ら」は屈折とは言えないのですか?」について。
もはや自明と思われますが、日本語で主語にあたる名詞が「~たち」と複数に変化しても、それと連動して動詞などが複数形の主語に対応して「屈折」することはありません。
したがって、名詞を複数化する「たち」なども「くっついて」いるだけで、「屈折」するとは言いにくいのです。
すなわちこれが第3の質問に対する回答です。

語形変化をすべて「屈折」と定義するならば、日本語の動詞・形容詞・形容動詞・助動詞の活用や名詞の単数・複数の変化も「屈折」と呼ぶことができるでしょう。
しかし、それは、「全体として連動した変化」とは言えないのです。
だから、日本語には「膠着語」という分類が与えられています。

これに対して、ヨーロッパ系の言語では、名詞の単・複/性別に連動して、動詞やその他の語が語形変化します。こういう変化を「膠着」に対して「屈折」と呼ぶのがよいのではないでしょうか。

自分としてはすっきり整理できたと思います。いい勉強の機会を与えていただきありがとうございました。
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この回答へのお礼

お礼が遅れてすみません。
大変参考になるご回答ありがとうございました。

お礼日時:2009/08/05 19:49

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