プロが教えるわが家の防犯対策術!

今、LC/MS/MSの勉強をしているのですが、少々皆様にお聞きしたいことがあります。

それは、よく論文などで、
「HPLCの検出後、LC/MS/MSを用いて確認試験を行った」
というような文章があるのですが、具体的に何を検出した後にどういう確認をするのでしょうか。また、なぜそのような確認、操作を行うのかイマイチわかりません。

もし、ご存じの方がいらっしゃいましたら、ご教授頂けると助かります。
よろしくお願い致します。

A 回答 (4件)

多分に「訳が分からん」処がありますが、MS/MSで高分解能質量分析による「元素組成分析」(早い話元素分析)を行なったのだと思います。


なお、MS/MSですとフラグメントの元素分析も出来ますので、反応中間体などの組成も分かってとても便利です。
でも、下手をすると「機械にこき使われる」ハメになる危険もありますけどね。(笑)
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
確かに、下手をすると「機械にこき使われる」こともありました。
気をつけねば。

お礼日時:2009/10/24 22:05

同定情報に、大きな差があるからです。



HPLCとだけ記載された場合、検出器はほぼUVか蛍光です。利点は機器が安く、一回に多くの試料を導入できること、欠点は感度がやや低く、物質情報はリテンションタイムと波長だけで、同定の決め手に欠けるということです。

LC/MS/MSは、HPLCの検出器がタンデムの質量分析計です。その化合物のプレカーサーイオンとプロダクトイオンのm/z(質量/電荷)が、数値でハッキリでます。要は、ほぼ確実にその対象化合物である、と論文で大手を振って言えるだけのデータが得られるわけです。

よって、HPLCでおおよその見当をつけた後、LC/MS/MSで確定情報を付与するというのは、非常に合理的と言えます。
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この回答へのお礼

非常にわかりやすいご回答、ありがとうございました。
とても勉強になりました。

ただ、疑問点として、なぜ保持時間と波長だけでは、同定の決め手に欠けるのでしょうか。プレカーサーイオンとプロダクトイオンのm/zは成分固有の物であるのに対し、保持時間と波長は成分固有の物ではないからでしょうか。

もし、具体的な理由がありましたら、ぜひお聞きしたいです。

お礼日時:2009/10/24 22:09

NO.2です。


同定の決め手に欠ける理由ですが、おっしゃっている内容がかなり近いと思います。
もちろん、きちんと検量線が引けて、ピークに妨害もなく、感度も取れていれば、HPLCできちんと検討できます。

ただ、あくまで比較の問題ですが、GCのキャピラリーに比べLCカラムの分離は悪いので、ピークに他の成分がかぶる可能性が高くなります。
実際、夾雑物を含んだサンプルを測定した場合、UVと蛍光は、わりと他のものも拾ってしまいます。分離能はMS/MSが圧倒的に優れています。

蛇足ながら、LC/MSではなくLC/MS/MSで測っているのも、カラム分離と、フラグメントイオンの出にくい大気圧イオン化の性質上、検出器により高い分離能が求められるからです。

この回答への補足

すみません、回答へのお礼を書いたのですが、考えているうちに疑問が出てきてしまったので、お手数ですが、もう数点だけお聞きしてもよろしいでしょうか。

確認試験を実施したときに、標品とサンプルを用いて、何がどう言えると「確認できた」と言えるのでしょうか。

サンプル中に確認したい成分が含まれている場合、HPLCの保持時間と波長だけでは定性能力に弱いため、わざわざLC/MS/MSを用いると思うのですが、何と何を比較して、どういう結果が出ればよいのかがよくわかりません・・・。

補足日時:2009/10/26 00:45
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この回答へのお礼

二度目のわかりやすいご回答、ありがとうございました。
非常に勉強になりました。

夾雑物を含んだサンプル(例えば、食品や血液など)は確かに他のものも拾ってしまいそうな気がします。

これで私自身の疑問も晴れました。
今まで、丁寧なご回答ありがとうございました。

お礼日時:2009/10/25 18:21

NO2です。


同一条件で測定した時に、標準とサンプルで、リテンションタイムとマススペクトルが一致した時、「その物質は標準物質と同一の物質である」とほぼ言えます。
ほぼ、というのは、LC/MS/MSでは異性体を分離できない場合があるからです。
LCの分離は同じですので、要は波長よりマススペクトルの方が、確実な同定法だとご理解ください。

なお、移動相条件や注入量が許すなら、最初からLC/MS/MSで検討すればよいはずです。
しかし、HPLCを用いているということは、移動相にリン酸バッファーを用いるなど、LC/MS/MSでは測定できない理由があったり、高価なので研究室にないなどの事情によるのではないでしょうか。
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この回答へのお礼

わかりやすいご回答、ありがとうございました。
なんとお礼を言ったらよいのやら。

つまり、標品の保持時間とサンプルの保持時間、標品のマススペクトルとサンプルのマススペクトルの4つのパラメータで評価するのですね。

良く理解できました。
何度も何度もご回答頂き、本当にありがとうございました。

お礼日時:2009/10/26 23:27

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