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瑕疵担保について質問です。不特定物に瑕疵担保責任が適用されるか、されないかという論点がありますが、この論点そのものに疑問があります。
不特定物の売買の場合、履行がされるに先立って給付対象の特定がされなければならないはずです(民法401条1項)。
ということは、債権者(買主)はその瑕疵物を受領した時点でそれは「特定物」になっているのではないでしょうか。
すると、契約責任説において、不特定物にも瑕疵担保が適用されたとして何の意味があるのでしょうか。

法律学小事典の『種類売買』の項目にはこう書かれてあります。
「・・・種類売買には瑕疵担保責任が適用されないという考えもあるが、判例は、買主が目的物を受領した後は瑕疵担保責任を適用する(最判昭和36・12・15)」

これを読むと、まるで買主が受領してもその不特定物は特定されず不特定物のままであったかのようです。

この点について、どう理解すべきかご教示ください。

A 回答 (2件)

ちょっと,こちらが質問を誤解していたようで,かなり端折った表現になってしまったので改めて・・・



まず,特定物売買においては,瑕疵ある物でも特定が生じます。
これについては,いわゆる特定物ドクマの議論ですね。
一方,不特定物売買においては,瑕疵ある物では特定が生じないとされています。
要するに,不特定物売買(種類売買)の「特定」というのは,瑕疵のない不特定物であることが前提になるわけです。

この違いが,瑕疵担保責任の法的性質の対立になるわけです。
ご指摘の判例については,結論部分しか書いてないので,「判例は法定責任説じゃなかったのか??」という疑問が出てくるのも無理はありません。
ただ,判旨を読み進めると,判例としては「不特定物売買(種類売買)でも瑕疵担保責任を追及できる」とは断言していないのがわかります。

そもそも,裁判所は学説の当否を決する場ではなく,具体的事例における妥当な解決を目指す場です。
だからこそ,従来の学説にない新たな理論を打ち立てたり,一見すると従来の対立する学説がごっちゃになった結論を導くこともあります。
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この回答へのお礼

お陰さまで、とてもすっきりしました!ありがとうございます。

基本書等では「特定物売買では、たとえ目的物に瑕疵があっても売主はそれを給付すれば債務を履行したことになる」と説明されています。
これは反対に、不特定物の場合は目的物に瑕疵があれば売主の給付は債務の履行にならない、
すなわち【その不特定物は特定されていない】、というところまで読み取らなければならないわけですね。

法定責任説によると種類物は「瑕疵によって特定されない」ので、瑕疵担保は適用されず、債務不履行責任で追及するという理屈なわけですね。

私ももう一度判旨を読み直しましたが、判例は特定したかどうかという問題ではなく、「履行として認容したかどうか」で判断しているんですね。
モヤモヤがなくなった気がします。重ね重ねありがとうございました。

お礼日時:2010/04/13 01:07

不特定物(≒種類物)の「特定」(401条1項,2項)を言われてるんだと思いますが,



不特定物が「特定」されるからといって,「特定物」になるわけではありません。
「特定」とは何か,「特定物」とは何か,ということをもう一度参考書等で確認する必要がありますよ。
要は,「特定物」≠「特定」です。

この回答への補足

債権の「特定」とは、種類債権が特定物債権の規定に従うようになることだと理解しています。
「特定物」とは、物の個性に着目して取引した物だと理解しています。

そして特定物債権とは、特定物の引渡しを目的とする債権だと理解しています。

回答者さんのお答えによると、種類債権が特定してもその給付対象は不特定物のままであり、不特定物を給付の対象とする特定物債権が成立してしまう気がするのですが・・・。

補足日時:2010/04/11 21:56
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