市中の通貨がどうやって増えるのかどうしても納得できません。
もしくは国債を日銀が保有/引き受けしていけない理由がわかりません。
中学レベルの基礎知識で恐縮ですが、日銀は貨幣を印刷して銀行に貸すということは知っています。また、その際の利子が公定歩合のはずです。
しかし、このモデルですと、日銀は市中に放出した通貨よりたくさん回収することになるので、市中から通貨が減っていってしまいます。
国民が働いて生産しても、それを日銀に売って、日銀からお金をもらっているわけではないので、市中の通貨は増えないはずです。
ということは貨幣価値がどんどん上がってくるはず。
しかし、戦後の経済規模と今の経済規模を比べると明らかに今の方が規模が大きく、市中に出回っている通貨だけに限定しても明らかに今の方がたくさん出回っていますし、貨幣価値も上がっている様子はありません。このからくりがわかりません。
一つの考え方が、国債です。政府が国債を発行し、それを日銀に持ってもらって(償還しない)、その分通貨を発行してもらうならその分市中の通貨が増えることは理解できます。
しかし、その額は経済規模や国債発行高の比率としては案外少ないのです。(2割程度)
にもかかわらず、日銀は引き受けてはいけないとか、保有させているのは危険だとか言われています。
もちろん際限なくやればハイパーインフレになることは十分理解していますが、日銀が引き受け/保有してはいけないとすると、一体どうやって市中の貨幣を増やすことができるのか、私のシンプルな頭では理解できません。
貿易黒字?かとも思いましたが、市中にドルが増えるかも知れませんが円が増えるわけではありません。もしドルを日銀に両替してもらうなら日銀が保有している外貨相当の円は市中に増えるでしょう。しかし、日銀は一般的な業務とし外貨の両替はしていないと思います。
不胎化介入とは国債の売り買いを使って市中の通貨量を調整するオペレーションとも聞いています。
最も基本的な考え方として、日銀は誰かに『タダ』で通貨を上げるようなことはできないはず。だけど、日銀は誰かから『物』をもらってその見返りに通貨を渡すということもしていないはず。(もしそんなことしていたら、世の中の富がみな日銀に集結する) この二つのルールに基づくと、市中の通貨が増える理由が、国債以外に考えられないのです。
それも市中銀行が国債を引き受けた場合、彼らは通貨を国債と引き替えに支払うわけですから、市中銀行が引き受けた分は市中から通貨が減ります。日銀が引き受けた場合にのみ市中に増えてもおかしくありません。
私のシンプルな頭でわかるようにどうやって市中の通貨が増えているのか説明して頂けるととてもうれしいです。
A 回答 (14件中11~14件)
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No.4
- 回答日時:
No.2です。
>国債は必ずしも赤字国債じゃなくて、建設国債でも市中の通貨量が増
えると思いますが、いかがでしょう?
赤字国債、建設国債を、本来の意味どおりに取ればそうだと思います。
ですが、このところ、TV報道を見ていると、赤字国債に対して、
「年間の予想される税収を上回る国債」という説明を見かけます。
この意味に解釈して赤字国債を判断すると、赤字でない部分は税収
でまかなわれるわけですから、年末には帳尻があい、税金として国庫
に当てられる、と考えれば、チャラになる、とも考えられるかと思
い、敢えて「国債」ではなく、「赤字国債」と表現しました。
個人的に、信用創造に関しては、「信用」という形の無いものに値段
をつけるわけで、これは本来の「通貨」と判断するにはあまりに曖昧
なものだと思います。
例えばリーマンの破綻までに全世界で出回った信用に付けられた金額
(フェイクマネー)の総額は実に6京円に上ります。実際、全世界から全てのお金をかき集めたとしても、とてもこんな金額は集めること
は不可能です。つまり、信用からは帳簿上、実際に市場に流通してい
る金額以上の金額が生まれてしまいます。
これを、「通貨」と呼べるかどうかに関しては、非常に疑問が残りま
す。
故に、市場に通貨を増やす唯一の方法は、「国債の発行」しかありま
せん。
ただ、日本銀行法37条1項に、
日本銀行は、金融機関(銀行その他の預金等(預金保険法 (昭和四
十六年法律第三十四号)第二条第二項 に規定する預金等及び貯金を
いう。)の受入れ及び為替取引を業として行う者をいう。以下同
じ。)その他の金融業を営む者であって政令で定めるもの(以下「金
融機関等」という。)において電子情報処理組織の故障その他の偶発
的な事由により予見し難い支払資金の一時的な不足が生じた場合で
あって、その不足する支払資金が直ちに確保されなければ当該金融機
関等の業務の遂行に著しい支障が生じるおそれがある場合において、
金融機関の間における資金決済の円滑の確保を図るために必要がある
と認めるときは、第三十三条第一項の規定にかかわらず、当該金融機
関等に対し、政令で定める期間を限度として、担保を徴求することな
くその不足する支払資金に相当する金額の資金の貸付けを行うことが
できる。
とあるので、特別な状況下においてのみ、金融機関への貸付でも通貨
の増加があるものと想像されます。
ちなみに景気回復後、国債が発行されなくなった後の市場の拡大に関
しては、税収が国債の返済に充てられるため、ここで市場に流通する
金額の総額は調整されるものと思われます。
covanonkiさん、再びありがとうございます。
いろんなご意見を賜ったことで、私の頭も整理されて参りました。
赤字国債であっても建設国債であっても市中の通貨は増えると思います。ただし、償還すればどちらも利子分どうなるのかわかりませんが、その効果/影響は消えますよね、、償還する/しないは赤字国債であっても建設国債であっても同じだと思います。
国債発行同様、貸し付けも返してしまえば(これも利息がどのような影響を生むのか結構難しいですが)元本分に関しては影響が消えます。
なので、継続的に市中に出回る通貨量を増やすのは国債を日銀が買い取ったとき(つまり、日銀が国債をお蔵入りさせ、その対価として通貨を日銀の外へ支払ったとき)だけではないかと思います。
ハイパワードマネー(信用創造による部分)に関しては準備率を恒久的に減少させた場合は通貨量が増えますが、また元に戻すと減るので、信用創造そのものが通貨量を増やす原因ではないと考えるに至りました。恒久的に増えるのは日銀が買い取った国債額に貨幣乗数分をかけた分がハイパワードマネーの増分だと思います。
No.3
- 回答日時:
> 市中の通貨はどうやって増えるのか
まず、日本銀行券とは何か、ということを考えてみましょう。
日本銀行にとって、日本銀行券は負債です。これを発行するということは、それに見合った資産があるわけです。日本銀行では、現在のところ、国債と貸付金になります。
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/ac07/ac1 …
とはいえ、日本銀行の発行銀行券自体が70兆円~80兆円ほどしかなく、市中の現金(m2+cd)は750兆円~800兆円ほどです。
この差は貨幣乗数になります。
預金準備率は日本銀行が決定できますから、預金準備率の操作と通貨発行によって通貨流通量を決定しています。
今は国債の買いオペなどが主流ですが、国債である必然性はありません。また、一昔前までは買いオペではなく貸付金が主流でした。したがって、
> 日銀は貨幣を印刷して銀行に貸すということは知っています。また、その際の利子が公定歩合のはずです。
という理解は正しいです。
しかしながら、銀行が儲けるということを失念しているようです。銀行が利子以上に儲ければ、当然にして市中の通貨は減らず、貨幣乗数の理論からむしろ増えることになります。
この回答への補足
at9_amさん 関心を持って頂いてありがとうございます。
この件、案外難しく、頂いたアドバイスを元に自分なりによく考えてみたいと思います。
今日はまだ頂いたアドバイスを十分に租借できていないかも知れないことを先にお許し頂いて、とりあえず疑問に思ったことを書きます。
複雑なモデルにするとわかりにくくなるので、日銀と、銀行と、生産者/消費者 というモデルにします。
で、日銀が通貨を発行し、貨幣乗数分市中に通貨流通量が存在するとします。その状態から、銀行AがBさんに1000万貸しつけ、利子と共に1200万回収し銀行Aは200万の儲け、、、はおかしくありません。
しかし、市中の総通貨量が日銀発行額と預金準備率で決まる場合、200万円は日銀から新たに出てきたわけではありませんから、市中の通貨が増えるわけではないのではないでしょうか?
No.2
- 回答日時:
ズブの素人ですが、もうしわけありません。
私も最近、経済のことを勉強する機会があり、ご質問の回答になるのではな
いか、と思い回答してみました。
GDPの総額を上げる為に必要なのは、市場に流れるお金の総額を上げるし
かないようですが、その方法として、「日銀が紙幣をすればいいじゃん」と、
単純に考えていたのですが、日銀はただ単純に紙幣を刷ったとしても、対価
がなければこれを市場に流通させることはできません。
日銀が積極的に市場に介入していく方法として、
1.市場に既に出回っている国債を引受ける。
2.政府が刷った国債を引受ける。
この2点しかないようです。
こう考えると、市場に出回るお金の総額を増やすことができる唯一の方法
は、
「日本国政府が国債を刷る」。
この方法以外に考えられません。いわゆる赤字国債のことです。
http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2009/11/10/007 …
日本政府が刷る国債の引受け手は、その95%が日本国民(国内の銀行、その
他金融機関)であり、仮に国債が対外的に信用を失うことがあったとして
も、殆ど全てが国内で流通している以上、対外的な問題が原因で国債の金
利が上昇することは考えられません。
一方、国内で仮に国債の引受け手がなくなり、国債が札割れを起こすよう
な事体に陥ったとしても、日本は国内に通貨の造幣機関(日本銀行)を有
しているわけですから、日銀が紙幣を刷ってこれを引受けることにより、
国債の金利上昇を防ぐことができます。
ですが、日本では、毎年赤字国債が発行されているにも関わらず、もう何
十年もの間国債が札割れを起こしたことなどありあません。
これはどういうことか。つまり、日本の市場は現在、「金余り」の状態に
あるということです。ちなみに日本人が現金預金で保有している資産の総
額は800兆円を超えており、文句なしの世界一です。
つまり、日本では、政府が国債を発行することで過剰なインフレを起こす
ことなく、国内に流通するお金の総額を増やすことのできる条件を備えた
数少ない国のひとつです。(ちなみに日本以外にこの技が使える国はアメ
リカしかありません。ですが、アメリカは日本と違って、ハイパーインフ
レを起こすリスクを抱えています)
上記紹介サイト中で三橋貴明さんがこのことを詳しくご紹介されています。
彼の書籍を読めば、きっと貴方の中の疑問は全て解決されるのではないか、
と思っております。
covanonkiさん、ご意見ありがとうございます。
(一度お礼を書いたつもりですが、反映されていないので、再度書きます、、もし何らかの手違いで重複していたら申しわけありません)
三橋貴明さんのコラムは拝見致しました。彼のように理路整然と考えられていたわけではありませんが、国債に対する世の中のバッシングに違和感を感じている私としては同感できる内容でした。
三橋貴明さんの書籍、探してみたいと思います。
>市場に出回るお金の総額を増やすことができる唯一の方法は、
>「日本国政府が国債を刷る」。
>この方法以外に考えられません。いわゆる赤字国債のことです
今回いろいろ勉強させて頂いて、国債発行と、信用創造(準備率変化)によって市中の通貨量が変わるのだという認識になりつつあります。
国債は必ずしも赤字国債じゃなくて、建設国債でも市中の通貨量が増えると思いますが、いかがでしょう?
No.1
- 回答日時:
質問の趣旨を勘違いしてたらごめんなさい。
A銀はZさんに100万円貸しつけた。ZさんはXさんに100万円で仕事を発注して、Xさんは100万円をB銀に預けた。
B銀はYさんに100万円貸しつけた。YさんはWさんに100万円で仕事を発注して、Wさんは100万円をA銀へ預金した。
A銀はVさんに100万円貸しつけた。VさんはZさんに100万円で仕事を発注して、Zさんは100万円をB銀に預けた。
「うゎ!100万円がなぜか300万円になっている。」と、疑問に思われているのは信用創造の話かな?という事での回答書き込みです。ご参考までに。
この回答への補足
関心を持って頂いてありがとうございます。
信用創造については一応知ってはいます。市中の通貨流通量が中央銀行の発行通貨額『より多い』ことの説明にはなると思いますが、ある時期に比べ『増える』ことの説明にはならない?と思ってました。
しかし、今回改めて準備率や貨幣乗数について勉強してみて、
・準備率が非常に低いこと(貨幣乗数が大きい)
・日銀保有国債は乗数かける前の額として影響する
・『準備率の操作で通貨量が増減する』ことは事実だが、準備率自体が減少したのか、経済規模と相関して下がってきたのかというとそうでもない?(昭和30年頃のデータと最近のデータしか見つかりませんでした)
ことを合わせて考えると、
『日銀保有国債に貨幣乗数かけた分』通貨が増加した
という理解で良さそうな気がしてきました。 いかがでしょうか?
日銀保有国債額と経済規模の相関のウラはとれておらず全くの推測です。
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