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先日から気になっていて、友人とかにも
聞いているんですが、国連においては全体的な
会議としては国連総会しかなく、いわば一院制が
導入されていますが、どうしてなのでしょうか?
やはり一国一票の原理と同じで、どのような国の
意見も平等に反映させるためでしょうか?

それと、一院制と二院制のそもそもの違いと
それぞれのメリット、デメリットも教えて
いただけると幸いです。

何卒よろしくお願い致します。

A 回答 (1件)

まず一院制と二院制の違いからお話ししますが、民主制が発足した当初は二院制(ないし三院制など)がとられました。

すなわち、国民代表による議院(下院)と、貴族による議院(上院)です。そうして、両院を対等の立場とすることで、国王が下院を押さえ込もうとしたのです。その反省から、フランス革命期に一院制が誕生しました。「民意は一つ」というのがその前提ですが、現在、主要な国で一院制をとっている国はなく、二院制の国が多くなっています。連邦制をとる国が増え、下院は人口比例による国民代表、上院は各州・連邦構成国の代表という棲み分けがとられるようになったからです。

で、二院制のメリットといえば、慎重な審議ができること。国民代表による下院の暴走(たとえば、ファシズム)を抑制することが期待されています。反対にデメリットは迅速な意思決定ができないこと、立法府が行政府に対し弱くなりがちであるということは、歴史的な経緯をみればおわかりいただけるでしょう。一院制はこれと反対のメリット、デメリットがあるといわれています。

以上をふまえた上で、国連が“一院制”に見えるのは、要するに下院が存在しないから=地球人民の意志を反映するシステムではないからです。総会はおっしゃるとおり、加盟国の意見を平等に反映させる場であり、そのために、他の国際機関(たとえばIMF)でとられているような、加重投票制ではなく、一国一票の仕組みがとられています。

しかし、「国連の意志は総会で決まる」というのは少し実態と違っています。実際には、国連の主要な意思決定は、安全保障理事会と事務総長が行っています。従って、国連という国際機関と、日本のような国家の仕組みを比べると、少しおかしな議論になるでしょう。
国連憲章を呼んでいただければわかりますが、国連の主要6機関(総会、安保理、経済社会理事会、信託統治理事会、国際司法裁判所、事務局)は、基本的に平等の位置関係にあります。しかし安保理だけは特別な地位が与えられています。安保理がテーマとして取り上げている事柄は、他の機関は議題とすることすらできません。新規加盟国を受け入れる場合でも、総会に受け入れを勧告する安保理決議がなければ、やはり総会は決定することができません。
その安保理には、すべての加盟国が理事国として選挙される権利がありますが、選挙を経ずとも常に理事国であり続ける国(常任理事国)があります。そのような国連の仕組みを考えると、国家における一院制・二院制とは別の次元の、非常に不平等な(しかし、先進国と後発国の実力が大きく異なる国際社会で、国連が機能するには有効な)仕組みがとられているといえるでしょう。
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この回答へのお礼

ご返答いただきありがとうございます。
先日からずっとわからなくて気になっていた
のですが、ご説明をお聞きしてようやく納得する
ことができました。
今後の学習に十分に役立たせたいと思います。
本当にありがとうございました。

お礼日時:2003/07/24 15:17

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