No.5ベストアンサー
- 回答日時:
力の方向と大きさが一定の場合には
力のする仕事=力の大きさ×力と同じ方向への移動距離
です。
質問文のケースでは、水平方向に働く力は物体を動かす力(大きさA)と摩擦力(大きさF)であり、鉛直方向に働く力は重力(大きさG)と机からの抗力(大きさT)です。
これらの力がする仕事は、物体の移動距離をDとすると、それぞれ次のとおりです(力Pのする仕事をWPと書きます)。
WA=A×D (1)
WF=F×(-D)=-F×D (2)
WG=G×0=0 (3)
WT=T×0=0。 (4)
(2)式でマイナス符号が現れるのは、Fの方向とDの方向が逆であり、Fと同じ方向への物体の移動「距離」は -D であるからです。(3)、(4)式で移動距離が0になっているのは、物体は鉛直方向には移動しないからです。
(1)~(4)式で与えられる各仕事が物体に与えられますから、物体がされる全仕事(W)はそれらの和であり、
W=WA+WF+WG+WT
=(A-F)×D。 (5)
特に指定されていなければ、ふつう、物体の移動はじゅうぶんゆっくりであると考えます。その場合には、AとFは逆向きで、大きさが(ほぼ)つりあっていますから
A=F (6)。
よって(1)式と(6)式から
WA=F×D。
Aがいくらであるかが書かれていなくても、力がつりあっているという条件を使うことによって、Aがする仕事WAをFを使って書くことができるというわけです。これが、質問文の最初の式です。
もうお分かりだと思いますが、質問文にある2番目の式は上の(5)式のことです。Wは「物体がされる全仕事」を表しています。「物体はじゅうぶんゆっくり動く」という仮定の下では、物体は運動のエネルギーを(ほとんど)得ません。また、鉛直方向にはまったく移動しませんから位置のエネルギーを得ることもありません。結局、移動の前後で物体の全エネルギーは変わりません。このことは、A=F のときに物体がされる全仕事W=0であることと整合します。
#1さんへの「お礼」に書いておられたような
A>F (7)
の場合には、上の(1)~(5)式は変わりませんが、(6)式は成り立ちません。(5)式と(7)式から
W>0
となり、物体は正味の仕事をされて、おっしゃるように、速さが増えます。つまり、された仕事が運動エネルギーになります。その場合には
>仕事(J)=摩擦力×移動距離
の式は摩擦力がする仕事を表しますが、(2)式でのように、マイナス符号を付ける必要があります。
ついでですが、(2)式から摩擦力がマイナスの仕事をすることがわかりますが、マイナスの仕事をするというのは、言い換えると、エネルギーを抜き取るということです。力Aはプラスの仕事をして物体にエネルギーを与えようとするのですが、摩擦力Fはマイナスの仕事をして物体のエネルギーを取り去ろうとするわけです。A=F の場合には、ふたつの効果がちょうど打ち消し合って、物体のエネルギーは変化しないということになります。
回答ありがとうございます。
何度も読み返しました。理解できたか自信はないのですが、
(1)無条件では、「物体はじゅうぶんゆっくり動く」と仮定される。
(2)この場合、行為者Aは、摩擦力(=進行に抵抗する力)とほぼ同じ力を加え続けることになる。
(3)よって「行為者Aの仕事量」を考えると、仕事(J)=摩擦力(N)×移動距離(m)
しかし、「物体」に着目すると、
(4)「じゅうぶんゆっくり動く」という仮定のもとでは、進行方向にA(N)、摩擦力が-A(N)、よって物体がされる仕事は「0」。
つまり、「行為者Aの仕事量」と「摩擦がする負の仕事量」の和が、物体が受ける仕事の量(=0)。中学レベルで、特にことわりがなければ、「行為者Aの仕事量」を求めよ。
という理解でよろしいでしょうか? 間違っていたら、ご指摘いただければ幸いです。
No.6
- 回答日時:
#5です。
「お礼」に対してコメントします。>中学レベルで、特にことわりがなければ、「行為者Aの仕事量」を求めよ。
質問文に
>物体を平面上で水平に移動させる仕事は、
とありますから、移動させるために加える力のする仕事のことだと思います。
この機会に、A>F の場合について少し補足します。
物体は
W=(A-F)×D (5)
だけの仕事をされるのですが、A>F ならW(>0)は運動のエネルギーになるのでした。(5)式から
A×D=F×D+W (8)
が得られますが、この式は、力Aのする仕事 A×D のうち、摩擦力に逆らって移動させるために使われる分が F×D であり、運動エネルギーの増加に使われる分が W であるという意味に解釈することができます。つまり、A>F の場合にも、物体を移動させるためだけに必要な仕事(運動エネルギーの増加を伴わない分)は F×D(摩擦力×移動距離)であるといえるわけです。
回答ありがとうございます。
分かったような気もするのですが、
A>F の場合、
物体を移動させるために必要な仕事=摩擦力(F)×D
運動エネルギーの増加(速度アップ)の仕事=W=(A-F)×D
A×D=F×D+W
「物体を平面上で水平に移動させる仕事は、」という設問では、A×DではなくF×Dを求めればよろしい。という理解でいいのでしょうか。
No.4
- 回答日時:
>No.3さんへ
一般的に,動摩擦力は速さにかかわらず一定です。
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