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- 回答日時:
終戦前後における南満洲鉄道株式会社社員およびその家族の消息は、他の在満邦人の運命から見るとそのほとんどがそれほどの辛酸を舐めることも少なく、幸運にもほとんどが日本国内へ帰国することが出来ました。
ただそのような中でも現地で召集され戦死したものや、一家が離散し、あるいはあなたのご祖父のようにソ連によって抑留され、過酷な運命を送らざるを得なかった方たちもいたことも事実です。
とはいえ、ご祖父が満鉄でどのような職種に就かれていたかは知りませんが、当時の状況としては満鉄社員はかなりの数が満鉄資産の移譲のため、そのままソ連やその後は国府軍などに使われていましたので、それほど多くの社員がシベリアへ抑留されたとは思えません。
もしかして前述のようにソ連が満洲へ侵攻する間際に軍に応集され、結果的に兵士として抑留されたのかもしれません。いずれにしてもあなたのご家族がご祖父が抑留されたと言われているのでしたら、それは事実でしょう。
しかし満鉄自体を対象とした資料は現在までに大量に出版されていますが、残念ながら帰国を実現できなかった満鉄社員個々人の、その後の運命を詳細に言及した資料は私はいままでに目にした事はありません。もちろん個人的な私小説的回顧録のようなものはいくつかありますが、それはあくまでも著者個人も思い出に集約されていますので、今回のような事情にはあまり参考にはならないのではないかと考えます。
シベリア抑留にしても満鉄に関する資料以上に多数の資料が出版されていますが、満鉄社員に特化された資料があるという話も、個人的にではありますが耳にしたことはありません。ただ確実な記憶ではありませんが20世紀末ごろ、ロシア政府がシベリア抑留に関する機密資料を公開したという話を聞いたことがあります。これが事実でしたらもしかしたらという気もしますので、厚労省(旧厚生省)援護局にご祖父のことをだめ元で尋ねられるのも一つの手段かもしれません。
これまでに出版された資料は、はっきり言えばどれも二番煎じ三番煎じ的な資料だとしか言えない面もあります。これはベースとなる基礎資料が限られているという事情もありますが、そのため新たな歴史的事実を書き記した資料は少なく、いわゆる「帯に短したすきになんとやら」という感は否めません。それでも満鉄関連資料に載っている抑留関係の記事は、どれもごく簡単に触れているだけのものが多いようです。
出来ることといえばこれまでに出版されている「満鉄」および「シベリア抑留」に関する資料を仔細に読み込んでいくしかないのではないかと考えます。
ご祖父の歩んだ道を歴史を踏まえて勉強されるのも、ある意味あなた自身のルーツ探しにもなるのではないでしょうか。
明確な回答が出来ないので大変申し訳ないのですが、私などよりもはるかに賢明で満鉄に詳しい識者がこのサイトには沢山いらっしゃると思いますので、この拙い回答がいくらかでも呼び水になって、あなたの求めている本当の回答が投稿されることを祈っております。
この回答へのお礼
お礼日時:2010/09/20 23:44
ご回答、ありがとうございます。
厚労省(旧厚生省)援護局というものの存在は初めて聞きました。
今度、父と一緒に行ってみます。
私は終戦後の満州については、小説や歴史の本なので知るしか手がかりが無かったのですが、
少しは前に進める気がします。
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