No.4ベストアンサー
- 回答日時:
ムバラク大統領とイスラエルについて語るには、戦前からの歴史が重要になります。
第二次大戦の時、現在のイスラエルの地はイギリスが支配している場所でした。そして、このとき、イギリスは、ユダヤの人々に対して、こういう約束をしました。
「この戦いで、イギリスに協力をしてくれたら、イスラエルの土地で独立して良いよ」
ご存じの通り、イギリスはドイツ、イタリアなどを破り、戦勝国となりました。そして、ユダヤ人は、約束通りに、イスラエルの土地を手にして、そこに国を作りました。これが、現在の「イスラエル」という国です。
ただ、このとき、大きな問題が発生しました。それは、既にイスラエルの土地には、アラブの人々が暮らしていたのです。しかし、ユダヤ人は、そのアラブの人々をそこから追い出しました。このとき、追い出された人々は「パレスチナ難民」と言います。
このイスラエルの行動に、パレスチナの人々だけでなく、周囲の国に住んでいたアラブの人々も怒ります。
そのため、このイスラエルの土地を巡って、何度も戦争が起こることになりました。
ここまでが、話の前提です。
ムバラク大統領は、元々、この戦争にアラブ側として参加していた軍人でした。
そして、サダト大統領というエジプトの大統領に引き立てられて副大統領となりました。
サダト大統領は、大統領として何をしたのか、というと、イスラエルと和平交渉を重ね、平和条約を結んだのです。これは、エジプトとイスラエルは隣国同士であり、しょっちゅう戦争をしているわけにもいかない、などの事情もあったでしょう。
とにかく、この平和条約が結ばれたことで、サダト大統領は、ノーベル平和賞を貰うなど、諸国から賞賛されました。
しかし、国民は、というと、自分たちの同胞を陥れた仇敵と手を結んだ裏切り者、という風に彼を見ました。その結果、サダト大統領は、1981年に暗殺されてしまいます。
そして、その後継者として、大統領になったのがムバラク大統領です。
ムバラク大統領となっても、基本的な路線としては、サダト大統領と同じくイスラエルと協力する、という路線を続けました。
その一方で、元軍人であり、前大統領が暗殺されたこともあって、軍を使ってそういったことができないよう押さえ込みました。さらに、戦争が起こっては困る(特に、この地域で戦争が起こると、石油価格が高騰するので)、ということで外国もムバラク大統領を支援していました。
そのため、強力な独裁体制がそのまま30年にもわたって維持されてきた、というわけです。
長いこと、政治のトップに立っていれば、当然、その中での腐敗なども進みます。
また、先ほど書いたように、アラブ、イスラムの同胞として、対イスラエル政策にも不満があります。
世界的に景気が停滞している時代ですから、当然、そういう部分でも不満があります。
そういったものが溜まりに溜まっていた中、同じアラブの国であるチュニジアで大統領の退陣要求が起こり、そのまま退陣に追い込んだ、というのが引き金となり、「ならば俺たちも」という形で爆発したのが、今回のムバラク大統領退陣の流れ、という風に言えると思います。
No.3
- 回答日時:
ムバラクさんのエジプトは対外的にはイスラエルを承認した初めてのアラブ国家ということですね。
イスラエルはご存知の通り中東世界で唯一の非アラブ国家、つまりあのエリアにおける西側世界の最後の砦のような位置づけです。
つまりムバラクさんは西側の味方だったわけです。
ところがムバラクさんは政権の座に居座りすぎた。
一族で利権を独占しているなんて話しもありますね。
国民からすると社会が閉塞する事態を招いていて、早くやめてもらいたかったのです。
しかしムバラクさんを別の人に変えてしまうとイスラエルに対して強硬的な態度をとる政権ができるのではないかと米国あたりは恐れて、渋々ムバラクさんを支援してきたわけです。
ムバラクさんがいなくなったので、エジプトはどうなるか。
少なくともこれまでのような対米従属路線は取らないかもしれませんね。
でも新政権はイスラエルとの平和条約を維持することをととりあえず発表しています。
いきなり急には変わらないようですね。
ただ長い目でみれば徐々にいろんなことが起きてくるのかもしれません。
No.2
- 回答日時:
あのへんの政治家としては、むしろ善人の方では\(^^;)...
自作農の息子に生まれ、エジプト王国時代に空軍士官となり、
ソ連留学後、ツボレフ16爆撃隊長など軍歴重ね、
それまで、一方的にイスラエルに敗退していた
屈辱を挽回する、第四次中東戦争の電撃奇襲の指揮を執り、
国民的英雄になる。
同郷のサダト大統領に、ひいきにされ、空軍元帥、
さらに副大統領兼与党国民民主党副総裁に。
が、サダト大統領が過激派に暗殺され、予想もしない大統領に。
イスラエルとの平和条約を守りながら、パレスチナの穏健派を支援、
中東の政治的安定を図りながら、アメリカから軍事経済援助を得て、
観光収入・スエズ運河通行料を、産業育成や貧民の補助金に充て、
地道に経済成長を図って、かっては、国民の大多数の支持得ていたが、
世界的不況や食料原油値上げのあおりで、
物価上昇などで中産階級の不平増大、また過激派の政権獲得阻止のため
宗教政党弾圧への反発や、大統領の親族側近の収賄など権力の腐敗、
サダト大統領暗殺三十年しても解除されない戒厳令非常事態宣言など、
一気に不満が爆発、騒乱状態になった。
まー、宗教独裁・軍部独裁・絶対王政多い、あの辺の国では
武力鎮圧首謀者銃殺となること多いので、
「じゃ、あとはまかせて隠居するね」と退陣したムバラクさんは
まだしも民主的政治家でしょうね。
別荘のあるシャルム・エル・シェィクの空港まで、
自分で輸送機操縦して飛んできたそうなので、まだまだ、お元気なようです。
No.1
- 回答日時:
>まあ、良くは知らないけど
長期政権は独裁政治に成って行くのが習いなんですよ
政策が次から次へと当たって上手く行けば良いんだけど
ひずみが出てきてドンドン悪く成って行くもんなんですよ!
でー、民衆がお前はやめろーー!になっただけですよ!
新しい政府になった所でCAN思想からは何も生まれないのさーーー!!!
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