性格悪い人が優勝

原発関連ですが、使用済み核燃料がプールで出冷却保存されているということですが、普通に考えると、使用済みですから燃料はほとんど燃え尽きてなくなっていると思います。稼動中の燃料棒が緊急停止された状態ではまだ燃料が残っているのは解かるのですが、燃え尽きたものがまだ高温で発熱するというのがよく分かりません。崩壊熱があるとしたらどんなものが残っているのでしょうか。ご教示お願いいたします。

A 回答 (6件)

 核燃料に使用されるウランには、核分裂し易いウラン235や核分裂し難いウラン238等があり、ウラン235の原子核は中性子を吸収すると、2個(稀には3個)の別の原子核に分裂すると同時に、新たな中性子を2~3個放出します。


 その中性子が別のウラン235の原子核に吸収されれば、核分裂反応が次々に連鎖して起きる事になります。
 しかし、天然に産出される天然ウランには、核分裂し易いウラン235が僅か0.7204%しか含まれておらず、大部分(99.2742%)は核分裂し難いウラン238で占められています。(他にウラン234が0.0054%)
 核分裂反応が持続するためには、核分裂の際に放出された中性子の内、少なくとも平均して1個の中性子が核分裂し易い原子核に吸収される必要がありますから、ウラン235の割合が少な過ぎると、原子炉内に存在する中性子の個数が維持出来ず、核分裂反応を持続出来ません。
 そのため、商業発電用原子炉に使用されている核燃料では、天然ウランからウラン238の一部を取り除いて、ウラン235の割合を2~4%に高めた、低濃縮ウランが使用されます。
 尚、熱中性子というエネルギーの低い中性子を吸収する確率を比較すると、ウラン235はウラン238よりも251倍も吸収し易いため、この位の割合でも核分裂反応を持続させる事が出来ます。
 しかし、原子炉内で核分裂反応が続けば、ウラン235の量は減って行きますから、ウラン235の割合も当然、小さくなって行きます。
 そして、ウラン235の割合が小さくなり過ぎれば、例えウラン235が少し残っていたとしても、核分裂反応を持続させる事が困難になって来ますから、使用済み核燃料として、新しい核燃料と交換する事になります。
 このため、使用済み核燃料には、燃え残りのウラン235が1%程度残っていると言われています。
 又、ウラン238は中性子を吸収すると、半減期23.45分でβ線を出して、ネプツニウム239に変わり、そのネプツニウム239は半減期2.356日でβ線を出して、核分裂し易いプルトニウム239に変わります。
 この様にして原子炉内で、ウラン238が中性子を吸収する事で生じたプルトニウム(その一部は原子炉内で核分裂します)も使用済み核燃料には含まれています。

【参考URL】
 よくわかる原子力 > 未来との関わり >高レベル放射性廃棄物 ートイレなきマンション
  http://www.nuketext.org/mansion.html

 しかし、停止中の原子炉では、中性子を吸収し易い成分が含まれている制御棒(中性子を吸収する事で、中性子の数を調整するための棒)の全てが、原子炉に差し込まれていて、中性子は全て制御棒等に吸収されて無くなっていますから、これらの燃え残りの核分裂し易い原子核が核分裂を起こす事は実質的にありません。
 つまり、使用済み核燃料の熱源は核分裂エネルギーではないという事です。
 さて、エネルギーが発生するのは、核分裂反応が起きた時だけではありません。
 放射性物質の原子核が放射線を出して、別の原子核に変わる場合にも、核分裂と比べれば少ないながらも、化学反応とは比べものにならない程の、大きなエネルギーが発生します。
 使用済み核燃料には、大量の放射性物質が含まれていますから、それが放射線を出して崩壊する際のエネルギーにより、使用済み核燃料は、強力に発熱し続けるのです。


>どんなものが残っているのでしょうか。

 前述のウラン235やプルトニウム239の他に、ウラン238の大半が残っていますし、ウラン235やプルトニウム239が核分裂した際に、裂けた原子核の破片から生じた様々な物質があります。
 又、ウラン239がプルトニウム39になる前に、更に中性子を吸収して行く事で生じた、アメリシウムやキュリウム、バークリウム、カルホルニウム等の更に重い元素や、プルトニウム240、プルトニウム241等も含まれています。
 核分裂破片から生じた物質には、放射性物質もあれば、放射能を持たない安定な物質もありますが、その中の放射性物質の種類に関しては、以下のURLのページを御覧下さい。

【参考URL】
 QNo: 6618810 【福島第1原発】放射性物質の種類と大きさ > ANo: 3
  http://mobile.okwave.jp/qa/q6618810/a18647763.html
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この回答へのお礼

大変長々とありがとうございました。原発って、本当にわずかな?ウラン235で、しかも長期間発電しているんですね。効率がいいですよね。放射性物質さえ出なければ・・・。使用済核燃料についても分かりやすかったです。テレビ解説じゃその辺は何も説明聞けなかったので。より福島原発の現状が見えてきました。ありがとうございました。

お礼日時:2011/04/03 21:15

ANO5さんの回答で正解ですが、具体的な物質名を挙げるなら、セシウム137やストロンチウム90あたりが半減期30年ですので数十年単位で崩壊熱を出し続けます。



ウランは半減期が非常に長いので、逆に言うと単位時間当たりの崩壊熱はほとんどありません。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2011/04/03 21:38

緊急停止後の炉心内にある核燃料や使用済み燃料が熱を発するのは「崩壊熱」のためです。

言葉だけはニュース等でもよく耳にするようになりましたがあまりちゃんと解説されていないので、誤解している人も多いようですね。
ウランは核分裂の際に熱を発生しますが、核分裂の結果として生じた核分裂生成物は不安定な核種が多く、それらの核種が原子核崩壊を起こしてより安定な核種に変わっていく際にも熱を発します。これが崩壊熱です。緊急停止後の燃料や使用済み燃料にはある程度ウラン235が残っていますが、核分裂反応は止まっています。緊急停止して核分裂が止まった直後だと崩壊熱だけで運転時の3割程度の出力(発熱)がありますが、時間にほぼ反比例して発熱が小さくなっていき、1週間もすれば1%未満になります。ただ、反比例のグラフを想像してもらえば分かるかと思いますがある程度小さくなった後はなかなか変化せず、移動用の容器に移して移動できるようになるまで数年間は使用済み燃料プールで冷却を続ける必要があります。
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この回答へのお礼

使用済み核燃料の発熱は、ウラン自体の崩壊熱ではなく、核分裂でできた様々な不安定な放射性物質の崩壊熱だというかとが分かってきました。3・11から3週間たって、福島の12,3号機もかなり発熱量が小さくなってきていると思われますね。でもさらにまだこれから長い時間かかるわけですね。ありがとうございました。

お礼日時:2011/04/03 21:37

同様な趣旨の質問がいくつか寄せられています。

その1つ。

http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6632965.html

ついでに、
ここで、こんなことを書くのは、場違いだが、QNo.6627654がnonameになって締め切られてしまい、読む人が誤解し、何よりも勘違いしているkagakusukiさんがここに回答しているので、書かせていただきます。

「この場合は、ヨウ素131の半減期より長いが、キセノン131mの半減期より短くなる。」
は私の書き間違い。
正しくは、
この場合は、ヨウ素131の半減期より長いが、「ヨウ素131の半減期とキセノン131mの半減期を足したもの」より短くなる。
でした。

間違いを指摘していただいたのはいいのですが、
そのあとの計算は勘違いされているようです。わたしの計算は、人体に影響のある「放射線」の計算。あなたの計算は、単純に「放射性物質」の計算。放射性物質が2種以上混在すれば、放射線と放射性物質は比例関係にはなりません。だから、「簡単ではない」、「それぞれの半減期を足したものより、両者を合わせた放射線の半減期はもっと長くなると思うかもしれないが」とわざわざ書いたある。

kagakusukiさん
もう1度勉強しましょう。
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この回答へのお礼

6632965は私でした。まだ分からないところがあったので追加してみました。ちょっと専門的なので分かりにくいですが、ありがとうございました。

お礼日時:2011/04/03 21:29

核燃料について



原子力発電に使われるウラン燃料は燃えるウラン235と燃えないウラン238を混ぜたものを焼き固めたものです。割合はU235 約6% U238 約95%くらいで原子炉に入れて核分裂を起こして発熱させます。

問題なければ2年くらい運転を続けてU235が濃度3%くらいになったら燃料交換となります。燃えるU235がこのくらいの濃度ではタービンを十分に回す水蒸気をつくれないので交換する必要があります。ウランのエネルギーはまだまだ沢山残っているのです。燃え残りだからとそこらにボロッと置いておくわけにはいきません。ウランの核分裂はずっと続いています。簡単に臨界に達する濃度はないので核の崩壊熱といいます。水からだしてしまうと、数日で1000℃を超えるほど発熱します。原子核内部からの発熱なのでいくら水をかけても原子の“火”は消せません。水分子はウランの原子核内には入れません。冷やすだけです。

この廃熱の利用ですが茨城県東海村の原子力施設でやっていると聞いたことがあります。実験ですがビニールハウスの暖房など十分利用できるようです。 が 普通の人に原子力で暖房しれるなんていうとあまりいい気持ちはしないでしょうね。
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この回答へのお礼

一度原子核に「火」をつけてしまうと恐い物がありますよね。長期間抑えられないという・・・今日のニュースでも世界中で相当数の原発が稼動していると知りました。全てが万全の元に管理されていくとは到底考えられないです。福島のような事故がいつどこで起きても不思議ではないと思うようになりました。大変参考になりました。ありがとうございました。

お礼日時:2011/04/03 21:22

使用済みといっても、


原子炉で、お湯沸騰させる役目は、終わりましたが、
木炭の消し済みとおなじで、まーカイロや湯たんぽに使える程度の
熱は持っていますから・・・・・
これを利用して
暖房や養殖漁業や無農薬野菜のビニールハウス栽培など利用しているところもあります。

なお、プールから再処理工場に運び、ガラスコーティングして
地下ゴミ貯蔵庫に入れて三十年ぐらいかかって、ようやく平熱に
落ち着くそうです。

 非常に低濃度のウランの金属棒でも、ほのかに生温く感じますからね

この回答への補足

<暖房や養殖漁業や無農薬野菜のビニールハウス栽培など利用しているところもあります。
早朝からありがとうございました。ところで、この再利用は使用済み核燃料の熱ですか!?本当ですか?ちょっと詳しく知りたいです。もし良かったらお願いします。

補足日時:2011/04/03 08:15
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