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日常的な整備のポイントと言うことでしたら、まず、ご自身のお乗りの車の正常な状態を把握しておくことが重要です。
基本的な項目の点検をしましょう。エンジンルームを開けてオイルの滲みや漏れが無いかエンジンやミッションを上側からだけでなく、車の下も覗いて点検しましょう。多少埃がつく程度の汚れなら気にする必要はありませんが、雫が付くようであれば漏れの修理が必要かもしれません。次にオイルの量と汚れを点検しましょう。これにはきれいな白い布切れ(要らなくなったタオルなど)が必要です。オイルゲージ(車に付属の説明書に場所が書いてあります)を抜き、ゲージをいったん拭き取りもう一度しっかりと元の位置に差込み、再度引き抜いてゲージの先についているオイルがゲージの上下の線の間にあれば、オイルの量は適量です。汚れについては拭き取った布についたオイルの色で判断しますが、薄いグレーであればOKですが、黒に近い場合は交換が必要です。AT車の場合はATオイルも点検しましょう。作業の手順は同じですが、こちらはエンジンが温まっているときと冷えているときの両方の目盛りがゲージにあるので、それぞれの状態にあった目盛りを読みます。汚れについては濁りや汚れが認められたら(エンジンオイルと違いほとんど汚れないはずです)交換が必要です。正常な色は薄い黄色または赤色です。その他パワーステアリングが付いている場合は、パワーステアリングのオイルも点検しましょう。オイルタンクのキャップを外し、キャップの裏のゲージで点検します。油脂類の点検は凡そ以上とおりですが、点検して不足がある場合は必ず用途に合ったオイルを補給してください。ATにエンジンオイルを入れるなどの間違った使い方をすると車を壊してしまいます。オイルの種類は取扱説明書に記載されています。
ブレーキ液の量も点検しましょう。エンジンルームの運転席の前あたり(ワンボックスでは室内にある場合もある)に半透明のプラスチック製のタンクがあるので、中の液の量がアッパーレベルまで入っていることを確認します。中の液の色はキャップを外して点検し濁りやごみが入っていないことを確認します。正常な場合透明か薄黄色です。
次にベルト類の点検ですが車種によっては自動調整の物もあります(トヨタ系、ベンツなどの車種に多く、すべての機器を1本のベルト駆動する形式が主です)ので、その場合はベルトの表面の状態を点検します。自動調整で無い場合は張り具合の点検をします。ベルトの張り具合は車種によって違うのですが、プーリー(ベルトが掛かっている回転部分)の間隔が400ミリ程度の場合、プーリーとプーリーの中間部分を10kg程度の力で押したときに、10ミリ~15ミリ程度たわむ状態が正常です。これ以上大きい場合は調整が必要です。これはベルトが複数ある場合すべてのベルトについて行います。次にベルトの状態ですが、まず、ひび割れや表面の剥がれが無いこと、ベルトのプーリーとの接触面がつやの無い色であること、ピカピカ光ったような色になっている場合は表面が劣化していますので交換が必要です。
冷却水の点検ですが、これは必ずエンジンが冷えた状態で行ってください。エンジンが温まっているときにラジエーターキャップを開けると、熱湯が噴出し非常に危険ですので絶対に行わないでください。車種によりリザーバータンクがあるものと無い物がありますが、どちらの場合でも時々は、ラジエーターキャップを開けて内部を点検してください。まず、キャップを開けて液の量と汚れを点検します。量はほぼ満タンであればOKです。汚れについてはさびの発生に注意します。液が茶色ににごっているようであれば内部にさびが発生していますので要注意です。正常な場合は、緑または赤、青などの液が入っているはずです。不足している場合は水ではなく、必ずクーラント(冷却液)を補充します。カーショップなどで適正濃度に調整された物が販売されていますので、それを利用するのが便利でしょう。原液のLLCを使用する場合は30%~50%になるように水で薄めて使用します。この際色は特に気にする必要はありませんが、後の管理を楽にするため同色の物を使用した方がよいでしょう。ラジエーターキャップの裏側を点検し、ゴムパッキンが痛んでいる様であれば取替えが必要です。点検が終了したらキャップをしっかり閉めリザーバータンクがあるものにはタンクにもアッパーレベルまでクーラントを補充します。
バッテリーの点検ですが、最近のものはほとんどメンテナンスフリータイプなので液の補充は必要ないはずですが、ケースが半透明で、内部が見える構造の物は、液の量が上限と下限の間にあることを確認し、少ないようなら上限まで、バッテリー補充液または蒸留水を補充してください。入れすぎるとバッテリーをだめにします。
以上でエンジンルームの一般的な点検は終了です。エンジンを始動し、音やオイル、水の漏れなどを確認します。正常な状態の音や振動などをしっかり覚えておきましょう。故障が起きる場合などその前触れとして音が変わったり、振動が大きくなるなどの変化がおきる物です。正常な状態をしっかり覚えておけば大事になる前に対処できるので、とても大事なことです。最後に点検で外したキャップなどがしっかり閉まっているか、道具や布切れなどの置き忘れは無いか確認し、エンジンルームを閉じましょう。
エンジンを止め、ハンドルを軽く左右に回してみて、手ごたえが無い部分(遊びなどと言います)がハンドルの周囲で10ミリ~20ミリ程度であることを確認します。これ以上ある場合は調整などが必要です。また、エンジンを始動しハンドルを左右に一杯に回してみてスムーズに動くか、軋みやがたつきはないか確認します。これらの検査で異常が認められた場合、素人レベルでの修理や調整は危険ですので修理工場に持ち込みましょう。
エンジンを止めブレーキペダル数回踏んで放します。その後ブレーキを力いっぱい踏んで、しっかりした踏み応えがあるか確認します。ふわふわした感じ(空気の入ったゴムボール踏むような)でなく野球のボールを踏むような感じであればOKです。次にペダルを一杯に踏み込んだままエンジンをかけ、ペダルが余計に踏み込めるかを確認します。これはブレーキの倍力装置の動作を確かめるためですが、一部の軽自動車の一部などには倍力装置が装着されていない物もありますが、ほとんどの車にはついているので確認してください。この装置が不良になるとブレーキの利きが悪くなり危険なので必ず点検してください。また、ブレーキを一杯に踏んだときにブレーキペダルと床面に十分な隙間があることを確認してください。ブレーキ関係に異常が認められた場合も素人の整備は危険なので、必ず専門家に整備を依頼しましょう。サイドブレーキについても動作させたときにペダルやレバーに、引き代や踏み代が十分残っていることを確認します。また、走行中にブレーキを掛けたときにキーキーと言うような金属音がする場合はブレーキバッドの残りが少なくなっている可能性がありますので、速やかに点検を受けてください。
タイヤやホイールの外観を点検します。タイヤのゴムにひび割れがあったり、ホイールに変形がある場合は要注意です。もちろんタイヤの溝の残りも点検しましょう。空気圧の点検も重要なので、カーショップなどで空気圧計を買って常備しておくことをお勧めします。数千円程度で買える安価な物です。空気圧は車種によって異なりますが、大抵は運転席のドアのふちか、その近くに記載されていますのでそれに従ってください。入れすぎも足りないのもどちらも危険です。
ドアやトランクなどのヒンジ(ちょうつがい)部分やドアロック(ドアの噛み合い部分)などに油を注す場合は、CRCのような浸透潤滑油ではなく、グリースを使用します。スプレー式の物もありますので、それを使用すると便利です。このような場所に浸透潤滑油を使用すると残っているグリースまで洗い流す結果になり、そのときはいいのですが暫くすると、かえって酷くなってしまいますので、必ずグリースを使用しましょう。また、周辺のゴム製品などに付かないように注意します。ゴム製品は油脂が付くと劣化してしまう物が少なくないからです。
大体日常的な整備では異常のようなところでしょう。細かく書けばきりが無いのですが、ここではとても書ききれません。
整備と言うのは正常な状態に保つことですから、何よりもまず、正常な状態をよく覚えておき、目、耳、手触りなどを総動員して普段と違うところを、より早く発見することが大事です。そのためにも、外観だけでなくエンジンルームなどもきれいにしておくことをお勧めします。きれいにしておけば、ちょっとしたオイル漏れなどでも簡単に発見でき大きなトラブルに至る前に対処できることでしょう。
計器盤に付いているメーターや警告ランプなどの意味や正常なときの状態もしっかり把握しておくと、専門家に整備を依頼する場合でも的確に症状を伝えることができて、より早く安価に修理が可能になる場合も少なくありませんし、どのような状態で異常が発生するのかが把握できていれば、模範的なユーザーと言えるでしょう。
この回答へのお礼
お礼日時:2001/04/22 23:44
ありがとうございます
大変参考になりました
さっそくカキコをプリンターでプリントして
実行してみます
詳しいんですねー
またいろいろとおしえてくださいね
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