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ある原発の本で、核廃棄物についてつぎのような記述がありました。

「対象となる廃棄物の形態としては、気体、液体、固体廃棄物がある。気体、液体状の放射性廃棄物は、充分低い濃度であることを確認した後、放射能の分散希釈を期待し環境へ放出する」

 環境へ放出とありますが、放出された放射能はどうなるのでしょうか?
「希釈分散」とは、きれいになることですか?
 空気や水、土の中に入るのでしょうか?
 空気の中の放射能が、どんどん濃度が濃くなることはないですか?
 それとも吸収されて、もう放射線ではなくなるのですか?
 
 安全なのか、危険なのかを知りたいです。
 よろしくおねがいします。

A 回答 (6件)

まず、放射線と放射能は別物です。


放射線を出す能力のある物質が放射能=放射性物質です。

さて希釈分散というのは、要は薄めることです。
きれいになるというわけではありませんが、そういってもかまわないでしょう。言葉は難しいですが、日常でも行われていることです。
洗濯のすすぎなどがこれに当たります。洗濯洗剤を限りなく薄めるようというものですね。

放射性物質は自然界に大量にあります。そして生物はその放射線を浴び続けています。ですがこの自然放射ていどでは健康被害など気にする必要もありません。
この程度までに希釈されれば害はないといえます。
そして再び濃度が濃くなることは無いと考えられます。
なぜなら自然界にある放射性物質が分散した状態でとどまっていることからも分かります。
これはエントロピーの考えでも説明がつきますね。

この回答への補足

ありがとうございます。

>そして再び濃度が濃くなることは無いと考えられます。

 ありがたいことです。

>なぜなら自然界にある放射性物質が分散した状態でとどまっていることからも分かります。これはエントロピーの考えでも説明がつきますね。

 時間が経つと放射能物質はその能力を失います。
 放射線は、どうなるのですか?エントロピーの考えがよくわかりません。たしか時間が経つにつれて、熱が均一になることでしたよね。
 

補足日時:2003/10/10 23:46
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薄まれば放射能も低くなり、放射線量が減るということでしょう。



その後は徐々に核反応によって他の反応種となったり、安定した粒子になってゆきます。その反応速度を表すのが特定の放射性物質の残量が半分になる時間である半減期です。

この回答への補足

ありがとうございます。

>その後は徐々に核反応によって他の反応種となったり、安定した粒子になってゆきます

 放出された放射線も最終的に安定した粒子になるのですか?

補足日時:2003/10/10 23:49
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ソ連で環境に放出された放射性同位元素は.関係河川に蓄積していて.一大汚染地区を形成しています。


すでにあるように.「適当に薄めて付近一帯にバラまく」という意味です。

環境の負荷としてどうなっているか.という問題が残ります。
自動車排気ガスに温まれる可燃性鉛化合物は.燃焼酸化され.道路から左右500m以内に蓄積しています。ダイオキシンでも.清掃工場のエントツから半径500-1000m以内にすむ人から大量に検出されています。ですから「無限希釈」ということは.考えられず.エントツから半径1km程度以内に蓄積するということが考えられます。
また.東京都から出る粒子状ぶしつは季節風に乗って.100kmほど離れた北関東に降り注ぐようで(風に乗って100km程度移動してその付近を汚染するという内容は.チェルノブイリ原発事故で報告あり)100km程度はなれた特定の場所に降り注ぐ用です。

中国での暖房用石炭の燃焼によって生成するカドミウム等の重金属は.日本に飛来し.蔵王高原などで「灰色の樹氷」のような環境汚染につながっています。
スペイン(かポルトガル)の(地名忘却)にあるウラン高山のガス状廃棄物であるラドン排気ガスは崩壊して.鉛(番号忘却)となり.付近一帯に蓄積しています。というのは.死亡した老人性痴呆症患者の脳から放射性鉛が検出されました。

それから.第五福竜丸の時に.2-3年程度で日本の海の放射線濃度が上昇しましたが.米国は「測定の間違いである」としました。しかし.さらに2-5年後.米国近海での放射せいぶしつ濃度と日本近海での濃度はほぼ同じとなり.「単に海水で薄められただけで地球全体としては汚染が進んでいる」ことになりました。

半減期にもよりますが.地球全体としては汚染が進んでいます。というのは.核保有国が行った核実験により.地球全体の放射線濃度はすでに2倍程度に増えています。当座は安全かもしれませんが.長い目で見れば.汚染は確実に進んでいます。

なお「安全」としている「量」は.
対照とした地区(既に被爆線量が本来の自然放射線量よりも2倍に増えている)に比べて.ガン患者の発生率が.2倍以上増えているから危険である(水俣病の場合には10倍)という観点に立って(危険率5%か1%か).判断されています。
したがって.1.5倍程度に増えた場合には「安全である」と称されます。また.人間社会には.発ガンぶしつという物があり.この影響を対象とした地区が受けている場合には.検出されません。つまり.間違えて「安全である」と発表される可能性がかなり大きいのです。
例としては.高圧線下での小児ガンの発生件数が多い・少ないで議論が交わされていました。多くのかたがたは「有意さはないので安全である」としていましたが.結局.最新の報告手゛は発生率が高いことになってしまいました。
統計を使って議論されている以上「安全である」ことを有意に検定することは.不可能です。「危険である」か「危険であるか安全であるかわからない」という.議論しかできないのです。この「わからない」状態を「安全である」と称して宣伝していますので.このような統計を使った詐欺には注意を払う必要があります。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

>核実験により.地球全体の放射線濃度はすでに2倍程度に増えています

 うーん。そうなんですか。これは自然に希釈されるんですよね。

お礼日時:2003/10/12 03:55

#3の方の


> このような統計を使った詐欺には注意を払う必要があります。
には賛成ですが、他の部分が誤解を与える表現であるのが気になります。放射性核種と化学種を同様に考えないで下さい。核廃棄物は一般にUの核分裂生成物なのでA=90と140付近にピークを持つような分布をした様々な元素が生まれます(Aは質量数)。従ってカドミウムや特定の有害元素だけが濃縮されて廃棄物中に存在するということは有り得ません。最もその後元素取り出しの濃縮作業などをやっているのなら勿論話は別ですが。

どのような化学種で環境に放出する計画があるのかはわかりませんが、この様な計画においては分散する形態にしているのは論を待たないでしょう。

また、その成分が極微量ですと、巨視的に測定可能な量とは挙動が異なります。単純に比較できるものではありません。ここら辺は私は専門ではないので微量をあつかう化学屋さんに聞いてみたいところです。




○#1での補足について
放射線というのは放射性同位元素が崩壊するときに伴う各種粒子のことを言います。時間が経てば次々と崩壊し、放射能を失い、当然放射線強度は弱くなります。


○#2での補足について
α線はHeの原子核ですのでこれは安定です。

自発核分裂する核種ですとその核分裂片が安定元素ならば安定ですが、依然不安定核なら安定核になるまで崩壊を繰り返します。

それと、題意の放射能が"核反応"で他の核種になることはありません。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
ちょっと調べたのですが、「放射線は電離作用があり、ぶつかった原子・分子をイオン化する」というようなことが書いてありました。

 放射線はこのように物質にぶつかり、吸収されたりしながら、エネルギーを失って、安定した物質になると考えてよいのでしょうか?
 イオン化されば原子・分子はどうなるのでしょうか?こちらは不安定になりませんか?

お礼日時:2003/10/12 04:02

>気になります。


感謝。廃棄物の内容については知りませんでした(増殖炉関係ばかり見ていた(=特定の濃縮された廃棄物しか未定なかった)ため)。

大気中の内容は.トリチウム(H3)とラドン(Rn22?)で.前者は見つからなかったので読んでいません。後者は鉛(Pb.番号忘却.半減期約20年)による報告だけ読んでいます。大気中では.水と反応して酸化物(表面は水酸化物.その下が酸化物.さらに下は金属)の形で存在します。
米国等の「大気中の鉛」とほぼ同じように検出される天然のカドミウムを例として上げました。

海水中の放射性ぶしつ関係は.セシウム(番号忘却)しか読んでいませんが.主な濃縮は.カルシウムとの共沈です。動物(プランクトンを含む)の体内に入って.骨格構成ぶしつであるカルシウムと供沈で沈着する。という機構です。アクチノイドの反応性がほとんどわかっていません。ただ.アルカリ土塁金属の中に一応含まれるので.カルシウムと共沈.濃縮という機構かとかんが得ています。
プランクトンが吸収し.死滅し.海底に蓄積ということが指摘されていますが.農林水産省あたりでは.深海魚を新規海産資源として.食品として積極活用する傾向があり.海底に蓄積するはずの放射性廃棄物が.深海魚汚染を通じて放射線汚染の拡大に関係するかもしれません。米国東海岸産ロブスターは.かっての放射性廃棄物海洋投棄場付近で取られているので.この可能性が高い食品です(食品の分析は.安全手あるとして.行われていたなったはずです)。

「溶解度」(一般にpgかngのオーダーなので.かなり解けやすい.ICRP Publication 30(48)の鉛代謝経路の改正は溶解度の関係した物性の違い.)と崩壊(他の元素に変化してしまうので化学反応性が変化)を除くと.同じ挙動を示すと.聞いています。ただ.教えてくれた人は有機が専門なので.ランタノイドは多分いじったことはないと思います。

化学種と核種の化学反応性の違いは.次の点が指摘されています。
ひとつは.化学種で交換反応が遅いぶしつ(例.気体状で水に分散している炭酸ガスと.炭酸水素イオンの化学平衡)が数多くあります。完全に平衡状態になっているとして考える化学種とある程度の比較的短い時間(動物実験等では半減期数日程度がよく使われます)で変化する核種の違いのひとつがあります。この問題は.動植物における識別した金属の吸収を調べるときに.結構苦しむ問題です。

もうひとつとして.微量の金属は小さなゴロイド状ぶしつとして.多くの場合に存在します。したがって.溶液反応を前提としている化学種の考え方とは異なり.コロイド化学(界面化学)の考え方が強く出ます。いったんコロイドが生成してしまうと.化学種としての挙動を示しません(例としては.人工海水を作るときに.硫酸ナトリウムを完全に溶かしてから残りを加えないと.硫酸ナトリウムは生半可な事では溶けない。海水に過飽和でカルシウムが存在できる理由(コロイド状カルシウムの存在)の一つとして指摘されています)。この点は.理解できない方(反応が早いと勘違いしている方)も結構いらっしゃるようです。
分量が極端に少ない場合の化学反応は最近は結構調べられていますので.気がついたらば見ていただけたらと思います。

この回答への補足

ありがとうございます。

化学種と核種の化学反応性の違いはなんとなくわかりました。

ガドミウムやダイオキシンは安定してずっと蓄積するようです。
放射線にも種類があると思いますが、放射線自体は不安定なものなのでしょうか?
放射線が、モノの中を透過しているうちにエネルギーを奪われて、別の物質に変わるということではないですよね。

補足日時:2003/10/12 04:09
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>放射線にも種類があると思いますが、放射線自体は不安定なものなのでしょうか?


放射線というと.
ヘリウム原子核のα線
電子のβ線
電磁波のγ線(100eV以上のエネルギーをもつX線)
含めて良いかどうか.疑問なものに
中性子・陽子等の原子の構成ぶしつがあります。

まず.「電荷をもつ」α線・β線・陽子は.何かにぶつかれば.核反応をおこすなり.化学反応をおこすなり.して.比較的不安定なぶしつです。α線は皮膚表面で吸収されるために.皮膚炎をおこしやすいのです。そのかわり.極端な言い方をすれば.家庭用アルミ箔1枚でα線を止めることができます(アルミにぶつかってアルミから電子を奪い.ヘリウム原子になる。アルミは電子を失った分空気中の酸素と反応して酸化アルミに変化)。
γ線は.光ですから.簡単にはなくなりません。中性子はなにかの原子核にぶつからない限りとまりませんので.放射線防御の上からは面倒です。中性子を取り扱っている施設では.厚さ1mのコンクリートで止めています。重い原子ですと.ぶつかっても反射してしまう.軽い原子ですと両方が適当に動くので吸収されます。原子炉に使われている重水は.中性子を吸収する役割を持っています。ただ.条件によってはトリチウムに化けてしまうときがあります。
東海村の騒動で「室内に待機しろ」という内容は.α線やβ線を想定したものです。実際にはかなりの中性子が出ていましたから.「室内にいた人」ですら被爆してしまいました。

>放射線が、モノの中を透過しているうちにエネルギーを奪われて、別の物質に変わるということではないですよね。
あります。
ひとつは「核反応」と呼ばれている反応です。有名なのは.米国原子力空母(たぶん.原子炉の放射線防御に海水を使っていると考えられます)が来ると.半減期たしか47日の政府発表では「鉄(番号忘却)ではない」放射性同位元素が検出されました。放射化学をしている人間には.海水中に存在する鉄に中性子があたってできたのであろう「鉄(番号忘却)」以外はない(半減期47日という元素は鉄ぐらいしかない)。
もうひとつは.化学反応です。たとえば.β線が原子を構成する最外殻電子にぶつかったとすると.ぶつかった電子も(エネルギーにもよりますが)ぶつけられた電子もどこかに飛んでいってしまいます。その結果.電子が不足して.かなり強い陽イオンになる場合とラジカルを形成する場合があります。この後は.「反応性が強い」という点が異なりますが.通常の化学反応(求電子反応)やラジカル反応がおこります。
前者の例としては.放射線取り扱い施設ののぞき窓が使用とともに白濁してくる現象.後者としては.同プラスチック製品がボロボロに崩れてくる現象をあげましょう。

ただ.放射性元素の場合には.たとえは.水として体内に入るなどして.体内に入った場合に.特定の臓器に集まる性質のある場合には.該当臓器が放射線照射を受けつづけるような状態になります。このような「放射性元素」と「放射線」の違いがあります。
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