No.7ベストアンサー
- 回答日時:
1.
「体重100kgあったが3か月ダイエットして30kgの質量欠損が起こって70kgになった」とはふつう言いません。「質量欠損」という語が学術的な用語であって、一般的な用語ではないからです。
しかし、このように言ったからといって、あえてそれはおかしいなどと指摘する人は私を含めてほとんどいないでしょう。
それは、「質量」や「重量」の厳密な区別をしていないことも含めて、どんな用語を使おうが話しがかみ合わなくて支障が生ずるような内容ではないからです。要するにどうでもいい会話の範囲です。
2.
一方、「核分裂するときは、E=MC^2に従って、質量欠損が起き」という内容は、「核分裂」、「E=mc^2」、「質量欠損」という一般的な用語ではなく、専門的(学術的)用語を含んだ内容です。これはある程度厳密に区別しないと話がかみ合わなくなる、議論がめちゃくちゃになるので、「用語の使用に違和感がある」として指摘したわけです。
現に、私とのやり取りの中ではほとんどめちゃくちゃになりつつありますね。
3.
「変ではないでしょうか?
(結合エネルギーが小さい)―(結合エネルギーが大きい)=マイナス
になり、エネルギーは発生するのではなく、吸収されるのでは?」
「質量欠損」についても「結合エネルギー」についても、あなたが勝手な解釈をして間違った認識をしていることと、「(…小さい)-(・・・ 大きい)」と演算し、マイナスが吸収だと勝手に決めているから「変」になります。
4.
一般に「欠損」という語は、基準になる状態より足りないことを表しています。「質量欠損」といえば、基準の状態より質量が足りないということです。基準の状態とは、「質量欠損」0の状態、すなわち核子(陽子や中性子)がばらばらの状態です。これが結合して原子核を構成すると、「質量欠損」分だけ質量が足りなくなっているいうことです。
5.
原子核の結合エネルギーは、「質量欠損」をエネルギーで表したものです。したがって、基準の状態より結合エネルギー分だけエネルギーが低くなっています。核子がばらばらの状態のエネルギーと、核を構成した時のエネルギーを比べければ核を構成した時のエネルギーは結合エネルギー分だけ低くなっているということです。
結合エネルギーというのは、その分のエネルギーを外部から与えてやらないと基準の状態にならないということです。
5.
さて、核分裂の話しですが、ウラン235の結合エネルギーは分裂生成物の結合エネルギーより小さいといいました。
添付図を見てください。分裂前後の質量、質量欠損、エネルギー、結合エネルギーの関係を示していますが、そのようになっています。
6.
分裂前-分裂後でもその逆の計算でも構いませんが、その結果の正負がどういう状態を表すのか決めておかなければ何とも言えません。どういう風に決めるのが合理的なのかは図を見れば明らかでしょう。
解放されたエネルギーまたは質量変化は、
質量またはエネルギーそのもので計算する場合、
m2-m1<0なら、質量減少、すなわち質量はどっかに行っちゃう。
E2-E1<0なら、エネルギー減少、すなわちエネルギーを発生した。
質量欠損あるいは結合エネルギーで計算する場合、
Δm2-Δm1>0なら、質量減少、すなわち質量はどっかに行っちゃう。
ΔE2-ΔE1>0なら、エネルギー減少、すなわちエネルギーを発生した。
とするのが合理的でしょう。
また、多くの場合、科学的な計算では、「終わり-始め」の計算をするのが普通です。
7.
専門ではないので、厳密な話ではありませんが、企業などの決算で欠損(金)を生じることがあります。
前期1億ドルの欠損を生じたものが、今期は5億ドルの欠損だったとしたら、4億ドルの資金が流出したことになりませんか。
5億-1億=4億
です。
1億-5億=-4億
で4億円入ってきたとは計算しないでしょう。
「ドル」の計算が質量欠損にあたるとしたら、これを「円」に換算した値は結合エネルギーということになりますね。
8.
紙を燃やした時の質量の減少の話しですが、1[kg]の紙が燃えると16000[kJ]程度ののエネルギーが発生します。
これをE=mc^2にいれてmを求めれば、10^(-10)[kg]のオーダーになる、これだけの質量が減るということです。
9.
ところで、核反応でも、化石燃料の燃焼でもエネルギーの発生に伴って質量の減少があります。しかし、これは永久に減ったままなのではありません。そのエネルギーを吸収した物質の質量が増加するはずだからです。電磁波として、永久に宇宙を漂うエネルギーは質量には戻らないのかもしれませんが。
10.
ところで、あなたは、「質量の減少」とか「質量が減る」というような言葉は使いたくないのですか。「欠損」なんて固い言葉を使わなくても…、ああ疲れた。
この回答への補足
お返事有難う御座います。
>核子がばらばらの状態のエネルギーと、核を構成した時のエネルギーを比べければ核を構成した時のエネルギーは結合エネルギー分だけ低くなっているということです。
了解致しました。詳しい説明有難う御座います。
各構成粒子のエネルギーは、その構成粒子の静止質量エネルギーmiC^2、運動エネルギーTi、ポテンシャルエネルギーViの合計ですが、ポテンシャルエネルギーは、マイナスと聞いたことがあります。ポテンシャルエネルギーとは、結合エネルギーのことなのでしょうか?
お返事有難う御座います。
ご教示頂きました図について教えてください。
この図で質量m1をウラン235、質量m2を核分裂後のクリプトン92とバリウム141とすると、エネルギーの高い基準の状態とは、具体的にどのような状態でしょうか?
陽子と中性子のばらばらな状態である方が、ウラン235よりもエネルギーが高い状態であることはわかります。しかし、本当に陽子と中性子がばらばらになっているのでしょうか?陽子と中性子がばらばらな状態から、短時間に結合してクリプトン92とバリウム141になると考えるのでしょうか?
基準の状態とは、ウラン235に中性子を含ませた複合核であるウラン236であるようにも思われます。
No.11
- 回答日時:
>やはり正確な表現を理解したいです。
お気持ちはよくわかります。こういう方がいらっしゃるかぎり、日本の未来派は安泰です。
理解していても正確な表現ができない人と、正確な表現はできるが理解していない人もいます。むしろ、そちらが多い。
自分で正しい判断(自己利用)をするためには、理解だけで十分です。
正確な表現は、他人に伝えるためであって、プロとなるのであれば必須です。だから、結構大変なんです。
ここまで理解されているのですから、後は、wiki等で概略を抑えて、原子核物理の教科書を読まれた方がよいでしょう。そうしないと、正確な表現はできません。人が言ったこと、書いたことを鸚鵡返ししても正確な表現とは言えないし、そういうつもりで質問なさっているわけでもないと思います。
この回答への補足
お返事有難う御座います。
回答No.7の添付図で質量m1をウラン235、質量m2を核分裂後のクリプトン92とバリウム141とすると、エネルギーの高い基準の状態とは、具体的にどのような状態でしょうか?
陽子と中性子のばらばらな状態である方が、ウラン235よりもエネルギーが高い状態であることはわかります。しかし、本当に陽子と中性子がばらばらになっているのでしょうか?陽子と中性子がばらばらな状態から、短時間に結合してクリプトン92とバリウム141になると考えるのでしょうか?
基準の状態とは、ウラン235に中性子を含ませた複合核であるウラン236であるようにも思われます。
No.10
- 回答日時:
No.8です。
ポテンシャルエネルギーは、そのポテンシャルによる力が引力ならばマイナスです。斥力の場合はプラスです。
原子核は核子が引力によって集まっているので、ポテンシャルはマイナスになります。核融合によって得られるエネルギーは、ポテンシャルエネルギーがマイナスであることから得られるものです。融合する前はポテンシャルエネルギーがゼロで、融合後はポテンシャルエネルギーがマイナスですから、その差のエネルギーが取り出されます。結合エネルギーとの関係は、分かりません。
この回答への補足
お返事有難う御座います。
回答No.7の添付図で質量m1をウラン235、質量m2を核分裂後のクリプトン92とバリウム141とすると、エネルギーの高い基準の状態とは、具体的にどのような状態でしょうか?
陽子と中性子のばらばらな状態である方が、ウラン235よりもエネルギーが高い状態であることはわかります。しかし、本当に陽子と中性子がばらばらになっているのでしょうか?陽子と中性子がばらばらな状態から、短時間に結合してクリプトン92とバリウム141になると考えるのでしょうか?
基準の状態とは、ウラン235に中性子を含ませた複合核であるウラン236であるようにも思われます。
No.9
- 回答日時:
基本的には、それでよいと思います。
用語の使い方は難しいですから、正確な表現は手に負えるでしょうが、あまり気にする必要はありません。ライタで火をつけて紙を燃やすのは、紙が燃えて出すエネルギーとライターのエネルギーで、バランスがどうなっているか難しいですね。E=MC^2で質量が減った成分はあるでしょう。
お返事有難う御座います。
>基本的には、それでよいと思います。用語の使い方は難しいですから、正確な表現は手に負えるでしょうが、あまり気にする必要はありません。
その通りかもしれませんが、やはり正確な表現を理解したいです。結合エネルギーを、核分裂のしきい値とかの表現で理解していました。
No.8
- 回答日時:
「質量欠損が起き、エネルギーが発生」するのではなく、「エネルギーが放出された分だけ質量が減る」というのが正しい理解です。
ここで考えている「質量」というのは、複合粒子の質量であることに注意しましょう。複合粒子の質量は、それを構成している粒子の質量の単純な和ではありません。以下に説明しましょう。
n個の粒子からなる複合粒子を考えます。各構成粒子のエネルギーは、その構成粒子の静止質量エネルギーmiC^2、運動エネルギーTi、ポテンシャルエネルギーViの合計です。すなわち、Ei=miC^2+Ti+Vi。
複合粒子のエネルギーEaは構成粒子のエネルギーの和であり、複合粒子の運動量Paは構成粒子の運動量の和です。また、複合粒子の静止質量をMとすると、Ea^2=(PaC)^2+M^2C^4が成り立ちます。
今、複合粒子が止まっている座標系を考えると、Pa=0ですから、Ea=MC^2となります。これの左辺は、各構成粒子のエネルギーの合計ですから、(m1C^2+T1+V1)+(m2C^2+T2+V2)+・・・+(mnC^2+Tn+Vn)=MC^2となります。複合粒子が静止しているとしても、構成粒子が静止しているとは限りません。むしろ動いている方が自然です。とすると、上記の式のTi、Viはゼロでないので、Mが単純にmiの和でないということになります。
Ti、Viは、複合粒子が静止していても持つエネルギーですから、複合粒子の内部エネルギーとなります。内部エネルギーが複合粒子の静止質量に寄与しています。
核分裂や核融合でエネルギーが発生して質量が減る、というのは、内部エネルギーが放出されて、そのエネルギーが減った分、複合粒子の質量が減ったということです。
この回答への補足
お返事有難う御座います。
>各構成粒子のエネルギーは、その構成粒子の静止質量エネルギーmiC^2、運動エネルギーTi、ポテンシャルエネルギーViの合計です。
ポテンシャルエネルギーは、マイナスと聞いたことがあります。ポテンシャルエネルギーとは、結合エネルギーのことなのでしょうか?
お返事有難う御座います。
回答No.7の添付図で質量m1をウラン235、質量m2を核分裂後のクリプトン92とバリウム141とすると、エネルギーの高い基準の状態とは、具体的にどのような状態でしょうか?
陽子と中性子のばらばらな状態である方が、ウラン235よりもエネルギーが高い状態であることはわかります。しかし、本当に陽子と中性子がばらばらになっているのでしょうか?陽子と中性子がばらばらな状態から、短時間に結合してクリプトン92とバリウム141になると考えるのでしょうか?
基準の状態とは、ウラン235に中性子を含ませた複合核であるウラン236であるようにも思われます。
No.6
- 回答日時:
用語の使い方に違和感があるというか正しくない点があるようです。
「質量欠損」の定義については、下記を参照してください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B3%AA%E9%87%8F% …
「ウランが核分裂するときは、E=MC^2に従って、質量欠損が起き、エネルギーが発生します」
このとき「質量欠損」が起きるわけではありません。
「質量欠損」が小さい核種が分裂して、「質量欠損」の大きい核種が生じるということです。
「質量欠損」をエネルギーで表したものが結合エネルギーです。したがって、結合エネルギーが小さい核種が分裂して結合エネルギーが大きい核種ができたので、この結合エネルギーの差がエネルギーとして発生するということです。このとき分裂の前後で、「質量欠損」の差の分だけ質量が減少します。これが、E=mc^2のmに相当しているということで、mは「質量欠損」の差であって、「質量欠損」が起きたわけではありません。
「紙にライタで火をつけて燃やしたときも、同様に質量欠損が起き、エネルギーが発生している」
上に書いたように、これも「質量欠損」とは言いません。
この場合も、当然発生したエネルギーに相当するだけの、E=mc^2で表される質量変化はあります。
質量変化はありますが、紙が燃える質量変化は10^(-10)(アレ?意外に大きく感じる、計算間違ったかナ)程度でしょう。
この回答への補足
お返事有難う御座います。
>「質量欠損」が小さい核種が分裂して、「質量欠損」の大きい核種が生じるということです。
「質量欠損」をエネルギーで表したものが結合エネルギーです。
了解しました。
>したがって、結合エネルギーが小さい核種が分裂して結合エネルギーが大きい核種ができたので、この結合エネルギーの差がエネルギーとして発生するということです。
変ではないでしょうか?
(結合エネルギーが小さい)―(結合エネルギーが大きい)=マイナス
になり、エネルギーは発生するのではなく、吸収されるのでは?
>「紙にライタで火をつけて燃やしたときも、同様に質量欠損が起き、エネルギーが発生している」上に書いたように、これも「質量欠損」とは言いません。
通常は「質量欠損」とは言いませんが、紙が燃えるときも、相対論が成立するので、「質量欠損」と言っても、問題ないと思います。E=MC^2はすべてに成立する法則ですから。また紙が燃えた場合も、結合エネルギーの変化はあるはずです。当然、核種は燃える前後で、同じですが。
>質量変化はありますが、紙が燃える質量変化は10^(-10)(アレ?意外に大きく感じる、計算間違ったかナ)程度でしょう。
この計算は、E=MC^2から導かれたのでしょうか?
すいません。
この定義を更に読みますと、原子核の結合エネルギーの大きさを質量の単位で表したものである。と書いてますね。すると、紙が燃えるときは、「質量の欠損が生じる」とした場合は問題ないですが、「質量欠損」と熟語にすると間違いになるのですね。失礼しました。でもこの定義は公式の定義なのでしょうか?
No.5
- 回答日時:
No.1の回答者です。
>>>紙にライタで火をつけて燃やしたときも、同様に質量欠損が起き、エネルギーが発生していると解釈しても間違いではないのでしょうね?
すみません。
先ほどの回答で、最初の「>>>」の下が空白になっていましたが、
そこに「はい、そうです。」と書いたつもりが、書いていませんでした。
>>>つまり、核力以外の電磁気力の場合も、この解釈は成立するのでしょうね?
はい。そうです。
そして、化学反応も電磁気力の範疇です。
No.4
- 回答日時:
E=mc^2 が核反応にのみ適用される、というのは「大きな誤解」です。
化学反応はもちろん、エネルギーの増減を伴うあらゆる過程で(普通はごくごく微小な)質量の変化が起こっています。
なぜそんなことが起こるかというのは、そもそも質量の定義とも関係があります。
質量は一般に「その物体の動かしにくさ」を示す量として定義されています。
ところで、複数の要素から構成されている物体というのは、その結合エネルギーの分だけ「動かしやすくなる」ことが知られています。(特殊相対論の帰結)
ですので、化学反応や核反応等により結合の様子が変わると、その分だけ質量が変わるのです。(ただしこの寄与は日常スケールでは本当に僅かなものです)
エネルギーの増減と質量の増減が対応しているのですから、紙が燃えるときに質量欠損によってエネルギーが発生した、と言っても、原理的に間違いではないと思います。
ただ少なくとも私の主観的な感覚としては、自然な説明の方向は「エネルギーの減少」の結果として「質量の減少」が起きた、ということであるように思うので、「質量欠損によってエネルギーが発生した」という言い方には違和感を覚えてしまいます。
No.2
- 回答日時:
紙が燃えるのは紙と空気中の酸素が化合する反応ですから、紙の質量と反応した酸素の質量の合計は燃えてできた灰や二酸化炭素や水など反応後に生成された物質の質量の合計は同じです。
一方、質量欠損は核分裂や核融合のときにこの空間から本当に質量が空間から無くなってしまうことです。質量とエネルギーは同じ(等価)と言いますが、それはあくまでも核反応でのことです。また核分裂や核融合で生じる質量欠損によるエネルギーは膨大な熱となりますが、熱とは原子や分子の運動エネルギーですから、核反応が生じたときその質量がなくなる分だけ、原子のスピードが上がるとイメージすればわかりやすいのではないでしょうか。
この回答への補足
お返事有難う御座います。
>紙の質量と反応した酸素の質量の合計は燃えてできた灰や二酸化炭素や水など反応後に生成された物質の質量の合計は同じです。
厳密には、質量保存の法則は成立しないと思います。
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