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いつもお世話になっております。
ICなどに供給する電源電圧を安定に保つ目的で使用されるバイパスコンデンサに関しまして質問がございます。

バイパスコンデンサは,2つある電極のうち一方を電源端子に,もう一方をGNDに接続して使用しますが,コンデンサと一緒に抵抗器を接続しないのはなぜなのでしょうか。

抵抗器を接続しないと,例えば電源のON/OFFを切り替えた瞬間にバイパスコンデンサに絶対最大定格を超える大きな電流が流れ,とても危険だと思います。
「バイパスコンデンサ」をキーワードにインターネットで実装の仕方を見ると,コンデンサのみを電源とGNDの間に接続しているように見えます。

できれば高校3年生程度の学力でも理解できるように教えていただけるとありがたく存じます。
どうぞよろしくお願いいたします。

A 回答 (8件)

回答者どうしの批判等は禁止行為なので、テキサスインスツルメンツの


高速OPアンプ THS4303のデータシートの内容だけ補足しておきます。

データシートの17ページに書いてあることは

30Ωの抵抗をなくすと400MHz以上では特性が変わります。
でもバンド幅と歪みとトランジェント応答は維持されます。
推奨する電源デカップリングは、22uFのコンデンサと、自己共振周波数の高い
フェライトビーズと、30Ωを直列にした中域用0.1uFコンデンサと、高周波
デカップリングのコンデンサ47pFです。

となっています。
ジッタやDCDなどのシビアな性能が要求されるときは30Ωを入れないと
「特性が変わる」ようです。

THS4303を使うときはご注意ください。
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まず、質問の回答ですが、電源のOn/Offにおいてバイパスコンデンサ(パスコ


ン)に大きな電流が流れることは容易に起こりえます。
これを突入電流(rush current)と呼びます。
それを防ぐために、いくつかの方法があります。
1.電源制御ICなどの安全回路を用いる
  たいていの電源制御ICは、安全回路があり、処理しきれない電流を検出すると安全回
  路が働いて、電流を制限します。そのため電圧が下がります。
  その間にパスコンには低い電圧・電流でどんどん電荷がたまっていきます。
  電流に余裕が出きていくので、電圧が期待通りまであがっていきます。
  ただし、安全回路が正常に働く範囲内に電流値等を収めなくてはいけません。
  その計算は結構難しいです。

2.スロースタートを用いる
  ちょっと高級な制御ICでは、いきなり規定値の電圧を供給するのではなく、0V
  から少しずつ電圧を上げていくものがあります。上げていく度合いは外部の回路で
  制御できます。そのため、パスコンに充電される突入電流が抑えられます。
  これも、度合いを適切に決めなければいけません。

ほかにも方法はありますが、多くは他の電源回路との連携になります。

Off時は、GNDと抵抗で接続し過大な電流が流れない範囲で放電します。
必要がなければ、そのような抵抗の回路は接続しません。

電源回路を設計していく上で、電源が安定に供給されることはもちろんですが、
電源をOnしたりOffしたりしたときに、ほかの回路へ負担をかけない考慮も
大切です。

なお、直列に抵抗を入れれば当然突入電流は防げますが、電源安定化の性能は
落ちます(インピーダンスがたかくなるため)。
アナログ回路の一部では、直列共振回路を形成して、特定の周波数帯域の
応答性を高めるために、あえてそうすることもありますが、最近のGHzに
周波数で動作するデジタルの電子回路では電源の追従性が悪くなるため、
入れません。
むしろ、コンデンサ内部のインピーダンス(ESR)をできるだけ押さえたコンデンサ
を用いるようにします。

巷にあふれる回路は、たまたま電源回路に入力される電源が突入電流に
たいして、たまたまゆっくりになり、上記2が実現されているか、
安全回路が働いて1になっているか、だと思われます。


高校3年生ですが、鋭い目を持っていますね。
ちなみに、回答6まで見ましたが、ほとんどだめな回答です。


No.1
おまじないや、信用などは回路設計を行う技術者はしません。
電源ICなどの仕様書を読み、それにあった設計をするだけです。
それができないと、いつまでたってもノイズに悩まされたり、
発振してしまい収拾ができなくなります。

No.2
おおむね正しいです。が、突入電流は常に考慮しないと正しい電源回路は
設計できません。ここで説明されている電流を抑える成分は、
OSコンデンサに代表される、大容量・低インピーダンスのコンデンサを
接続すると、相対的に、ほとんど見えなくなります。
なお、パスコンは、負荷側・出力側の両方にバランスよくつけないと
意味がありません。

No.3
1. について
能力がないのは、安全回路が働いている範囲なのか、処理能力外で無理をしているのか
きちんと見極める必要があります。無理をしている場合は、いつ回路が故障してもおか
しくありません。
2.について
正しいです。
3.間違いです。
定格を超えた電流は、たいていは発熱の問題になりますが、
コンデンサの電極や誘電体の破壊にもつながります。
On/Off時の電流値も考慮しなくてはいけません。
4.について
昨今の低インピーダンス・大容量コンデンサには当てはまりません。
No.4
ただしいです。でも、質問の回答ではありません。
また、ノイズをしっかり取るために抵抗を入れるのではなく、
取りたいノイズの周波数成分を明確化し、コンデンサを効率的に利用するためです。

No.5
データシートを1分くらいしか読んでいませんが、中間帯域(この回路の場合
400MHz以下と思われます)の電源の応答性を確保するためのようです。
GHz帯に用いる場合は、取り除くことが推奨されているようです。
データシートにしっかり書かれています。

自分が引用したデータシートが読みこなせず、理由が書いてあるにもかかわらず。
「私が設計した訳ではないので本当の理由は解りません」と言い切る人の
文章は、信じられるのでしょうか?

5pFでひずみ率が変わることもありますが、直列のインピーダンス成分を考慮した、
No.4やNo.5の例でなければ、配線もふくめた電源回路かアナログ回路の設計が
悪いだけだと思います。

No.6
パスコンに過大な電流が流れるところには、パスコンを入れる必要がないのではなく、
パスコンに過大な電流が流れないような回路設計をしなくてはなりません。
通常動作のコンデンサの電流も、On/Off時の突入電流も、両方考慮しなくては
回路設計ではありません。

許容が1Aあるからいいなどといっていますが、昨今の電源回路では、1Aどころか
10Aでも平気で流せる能力がある電源が簡単に作れます。
ちょっと用意した市販の電源と、自分で作った電源回路を直列につないで
目的の電圧を作ったとしても、簡単に1A以上の電流がコンデンサに流れる
回路は作れます。

なお、ICの出力波形をなまらせるために、パスコンを入れるとありますが、
これはパスコンではなく、フィルタ回路や、積分回路に分類されます。

以上の回答者が、市販されている電気製品の回路設計者・プロでないことを祈ります。
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電源ON時にバイパスコンデンサ(パスコン)に過大電流が流れるような場所にはそもそもパスコンを入れる必要はありません。

パスコンはICなどの電源端子の近くに実装されていますが、パスコンの役割は、そのICが急速に電流を流す必要があるときに、補助電源としてパスコンから一時的に大きな電流をICに供給するためのものです。したがって、電源ON時にパスコンに過大電流が流せるような優秀な電源ラインがそこまで来ているのであればパスコンは不要です。パスコンを必要とするのは、配線の引き回し等で瞬間的な電流供給能力が貧弱なった電源ラインにIC等がつながっている場合ですが、そのような貧弱な電源ラインではパスコンに大電流を流す能力はないと思います。

突入電流ばかりに気を取られていますが、パスコンのついたICが急速に電流を消費したとき、パスコンとIC間は距離が近いので、パスコンからIC側に大きな電流が流れます。むしろこの突出電流(?)ほうが深刻だと思います。その電流を下げるために直列に抵抗を入れるというのはパスコン本来の役割をなくしてしまうことになるでしょう。電磁輻射対策のためにICの出力波形を故意になまらせる場合にはパスコンと直列に抵抗を入れるのは効果があると思いますが。パスコンによく使われる積層セラミックコンデンサの場合、ここ(http://akizukidenshi.com/download/GRM188F11C105Z …)の36ページ(PDFファイルでは29ページ)の「許容電流-周波数」のグラフがありますが、許容電流は1A以上あるので、通常はそのままつないでも問題ないと思います。

パスコンは奥が深いと思います。
伝聞ですが、パスコンがなくても正常動作するような配線パターンを作り、万が一のための保険としてパスコンを入れなさいと言った人がいるそうです。
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電源のパスコンって本当に難しい技術なんです。


パワーインテグリティというキーワードで検索してみてください。

参考URLの資料はテキサス・インスツルメンツ社の高速アンプのデータシート
です。ここでは電源のパスコンに直列に抵抗が入っています。
しかもフィルタとしての抵抗ではないのは明らかです。

パスコンは22uFと0.1uF と47pFが並列になっています。そのうち0.1uFにだけ
30Ωが直列になっているわけですが、私が設計した訳ではないので
本当の理由は解りません。推測するに、他のコンデンサと基板のパターンや
IC内部のインダクタンス等の複雑な共振関係で、どこかの共振を
ダンピングしたかったのでしょう。

なかなか興味深い設計です。

このようにパスコンは奥が深いです。単に電源投入時の突入電流だけを
考えて設計するものではありません。私の経験ではわずか5pFの高性能
コンデンサの有り無しでアンプの歪みが大きく変わった経験があります。

参考URL:http://focus.ti.com/lit/ds/symlink/ths4303.pdf
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通常は抵抗など入れないのですが、一部アナログ系でノイズをしっかりと除去したい場合にはわざと小さい抵抗を入れる場合もあります。



よくAC成分がコンデンサを通じて流れていくといいますが、実際に配線や電源の内部インピーダンスが"0"(ありえない話ではあるが)だとするといくらパスコンをつけようがノイズをフィルタできません。
パスコンをつけたICの電源ピンにかかる電圧は、配線や電源の内部インピーダンスとコンデンサで分圧された電圧となる。(ICの消費電力が"0"の場合)
このとき電圧の周波数が大きいとコンデンサのインピーダンスが低下するため分圧された電圧も小さくなるのです。これがフィルタの動作原理です。ノイズの電圧を極端に小さくしたい場合、コンデンサの容量を増やすことでもある程度対応可能ですが電源ラインに抵抗を追加することで効果を増やすことが出来ます。
ただし、抵抗をつなげると消費電流に伴う電圧降下があるため、デジタル回路のような消費電流に脈動があるような用途だと逆に状態を悪化させるため、あくまで一定の電流で動くアナログ回路に限定された手段となります。
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バイパスコンデンサの一番の目的は電源に載ったリップル(低周波~高周波)を


取り除くことです。

抵抗を直列に入れると上記の効果は減ってしまいます。

では、突入電流はどうでも良いのでしょうか。実際はあまり過大な突入電流は
流れないことが多いので、あまり気にしていない、というのが実情でしょう。

過大電流が流れない理由は、
1.電源自体の電流を流す能力がそこまでない。
2.電源電圧が一定の傾斜で上がる時は、バイパスコンデンサに流れる
  電流は、電圧上昇率に容量を掛けた値になる。これが定格以下ならOK
3.コンデンサの定格電流は発熱の制限から決められている。だから短い
  周期で繰り返すときだけ問題になる。電源投入は間隔が長いからOK
4.コンデンサ自体や配線やその他の部分にある程度直列抵抗がある。
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こんにちは。



バイパスコンデンサと電源のみ接続させる場合だと質問のとおりに
近い状態になります。

しかし、バイパスコンデンサはIC,負荷端子側に接続されることが多く
電源から端子までのいろいろな抵抗成分、リアクトル、コンデンサ成分
(電線、電線間、パターン回路など)が仮想的に接続されており、純粋に
バイパスコンデンサに全ての電流が流れるわけではありません。

要はAC成分のノイズを除去するための迂回ルートをこのバイパスコンデンサ
で実現させているだけであり、バイパスコンデンサに抵抗を入れると、
バイパスコンデンサに電流が流れなくなるため、ノイズ系のAC信号が
除去できなくなる上、時定数(RC)が大きくなり応答性が悪くなります。
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おはようございます、素人です。



バイパスコンデンサ(以下パスコンと略す)はコンデンサしかつなぎ
ません。出来る限り電源ピン近くに接続しますね。

それが常識だと思っていたので(笑)、何故と言われても、電源回路と、
コンデンサの能力を信用しているからでしょうか。まず電源回路が電
源オン時の突発ノイズを極力減らしてくれます。電源回路にも安定用
のコンデンサをつんでおり、またおまじない的に基板の4隅などにも
コンデンサをつんでいたりします。

それほど大きくない交流成分は発生しますが、それらはパスコンによ
りさっさとグランドに落とされます。さっさと安定させたいので抵抗
があれば変化が緩やかになってしまいます。交流成分がなくなって安
定したら絶縁状態になるので考える必要はなくなります。

物理的考えとしては不十分かもしれません。上に書いたように常識と
して教わっているので疑いもしていませんでした。細かい説明は他の
方に期待しましょう(笑)。
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