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政治経済を勉強中です。
アダムスミスという人が出てきたのですが、アダムスミスは、一定の人がお金持ちになる資本主義に賛成なんですか?反対なんですか?

重商主義や重農主義を批判、自由競争、自由放任を主張とあるのですが、どちらですか?
教えてください。

A 回答 (1件)

アダムスミスの時代には「資本主義」という概念はありませんでした。

従って賛成も反対もしていません。

資本主義というのは「一定の人がお金持ちになる制度」ではありません。ただし、運用の仕方によってはお金持ちがお金持ちのまま固定され、貧乏人がお金持ちになりにくくなる可能性があります。
とは言っても、北朝鮮をはじめ多くの共産主義国家でも一定の人がお金持ちになり、大部分の庶民派貧乏なままですから、私自身は「一定の人がお金持ちになる共産主義」は好きではありません。

それはさておき、
アダムスミスの少し前まで、社会を支配していたのは、王族と貴族でした。平民は政治に参加する権利を持たず、神から王権を授けられたとされる国王に収奪される存在でした。王族と貴族、教会が土地を所有し、小作人を働かせて農作物を作らせ、税を収奪するという、まさに「一定の人がお金持ちになる」制度でした。

商工業者もやはり支配階級に収奪される階級でした。
しかし、技術が進歩してくると生産効率が上昇して利益が増加し、財産を蓄えることができる商工業者が出てきました。これらの商工業者はだんだんと裕福になってきて、王族や貴族に対抗できる力を持つようになってきました。

しかし、やはり支配階級は神から権力を与えられた国王でした。どんなに財力を蓄えて、その財力で私兵を養成しても、平民は平民でしかありません。このため裕福な商工業者の不満が増大し、市民革命が起きたわけです。

市民革命が起きても、全ての王族や貴族が廃止されたわけではありません。なにしろ神から権限を与えられたと考えられていたわけですから。良い社会を作るためには、高貴な出自による慈悲深い政治が必要だと、王族や貴族は主張していたのです。
裕福な商工業者と王族・貴族は手を組み、大規模な商業、貿易を行うようになりました。また一部の商工業者は、広い農地を自分の物とし、小作人を使った農業を行いました。これらの重商主義により、貴族階級や資産階級などの一定の人たちがお金持ちになりました。

アダムスミスはこのような社会の現状を調べました。
商品を高い値段で売りつけることができれば、売り手は多くの利益を得ることができるが、買い手は利益を得ることができない。だから、買い手の利益と売り手の利益を合計した社会全体の利益は大きくならない。
価格があまり安くなると、買い手は利益を得ることができるが売り手は利益が少なくなってしまう。だから、社会全体の利益はやはりあまり多くならない。
従って価格が安すぎず高すぎない時に、売り手の利益もそれなりに増え、買い手の利益もそれなりに増え、その結果合計である社会全体の利益が最大になる価格があるに違いない。

ところで、重商主義や重農主義で、大規模な商工業者や農場主がいると、価格は売り手が自由に設定できるので、当然ながら自分たちにとって都合の良い価格で売るだろう。従って社会全体の利益が最大になるような価格にはならない。

しかし、多くの売り手と買い手がいて自由に競争をすれば、価格が高い売り手からは買わなくなり価格が安くなる。価格が安くなりすぎると売り手が商売替えをしたり作るのをやめたりするので品不足になり価格が上昇する。その結果ある価格に決まる。その価格の時、売り手の利益と買い手の利益を合計した社会全体の利益が最大になる。

だから、自由競争にしよう。自由な競争が行われると、価格はあたかも「神の見えざる手」によって導かれるように、均衡のとれた価格になり社会全体の利益が最大になる。
神の見えざる手があるのだから、高貴な出自の国王による慈悲深い政治なんか必要ない。市民階級が好き勝手にやっていれば社会はうまくゆくのだ。

というのがアダムスミスの主張です。
王族や貴族が土地を独占していたり、これらと裕福な豪商が結びついて重商主義や重農主義の政策を取ると、一部の人がお金持ちになるだけです。これを解体させ自由競争にすると、庶民もいろいろな製品を変えるようになるので、一部の人たちだけでなく、社会全体が潤う、とアダムスミスは考えたのです。

上記はおおざっぱな説明であって、正確な説明ではありません。質問者さんは経済に詳しくないようですので、簡略化した説明をしました。経済学をもっときちんと勉強すると、いろいろなことが分かってきます。
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