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新石器というのは、磨製石器のことで、磨製石器を使った時代を新石器時代という、と習った覚えがあります。
そして新石器時代は農業が始まった画期的時代だ、と習ったと思うのですが、最近は新石器と農業の間には関連が無いことがわかり、この時代区分は使われなくなった、と聞きました。

新石器時代という区分が意味を成さないのであれば、当然「旧石器時代」という区分も無くなって、単に石器時代というべきだと思うのですが、このあたりのことが全く混乱しているように思われます。

時代区分の統一ということはどうなっているのか?知りたいと思いました。

A 回答 (2件)

●世界史(人類史)の時代区分を作る必要があると思います。


●世界史を考えるときに、これを西洋史のことと混同されている現状も改める必要がある、と思うのですが如何でしょうか?
○そういう観点から「ヨーロッパの旧石器文化・時代」とは異なるので「先土器文化・時代」「岩宿文化・時代」と呼称する研究者もいる、と前回答でご紹介させていただきました。
 また、地域のよって文化の発展段階や時代変遷も異なるので「全世界共通の人類史の時代区分」というのは無理でしょう。

●「旧石器時代」という言葉も意味を失いますが、この論理にも賛成していただけるでしょうか?
○いいえ。
 「石器時代」という名称も縄文時代においても「石器時代」には変わりないのでこの時期を示す用語としては不適切ですし、「先土器」と言う用語も「後世の文化」を前提とするため不適切、「岩宿文化・時代」という用語ではわかりにくいです。
 なによりすでに一般的にこれだけ普及している名称をあえて変更することによる混乱、わかりにくさを凌駕するだけの変更理由はないと思います。

●「考古学会の人たちはどうして、こういう曖昧な状態に満足していられるのか?」何かご存知ないでしょうか?
○ですので前回答でも申し上げたとおり一部の研究者は「先土器文化・時代」「岩宿文化・時代」という呼称にすることを提唱していますが、「旧石器という名称の解りやすいさに抗しきれない」「いまさら混乱を承知で変えるほどの積極的な理由がない」というのが現実です。
 例えば「前方後円墳」というの実際は「後円部」に埋葬施設があってこの部分が中心で、「前方部」は祭壇機能ですから「牛車からの連想」である「円部」を「後」、「方部」を「前」というのは不適切です。
 しかし、いまさら新しい名称にしても混乱するだけですし、良い名称もないので現在でもこの名称がつかわれています。
 「縄文土器」と言いますが「縄目模様」ではない縄文土器もありますし、「弥生町で発見されたから弥生土器」なのにこの最初に発見された土器は「古墳時代の土器」であって弥生時代の土器ではないのです。なのでその土器の説明は「弥生調で発見され弥生土器の名前の由来となった土師器の壺」というものになってしまっています。
 「土師器・須恵器」というのも後の文献からの命名のため、古墳時代の土器にこれの名称を使用するのは不適切、という指摘もあります。
 奈良時代~江戸時代までは「政治的中心地域の地名」を時代名称としていますが、それならば元号を基にする「明治時代」「大正時代」という時代名称は不適切です。
 このようように時代区分と言うのは「厳密な基準」でやってしまうとかえってわかりにくくなるという側面があります。質問者さんの疑問・提唱は、的を得たものではありますが、現実的にはそれをすることのほうがやっかいなのです。
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この回答へのお礼

素早い回答を有難うございました。
お蔭様で少し頭の中を整理が出来ました。
この件はこれで満足しましたが、時代区分についてもう少し疑問があります。
それは別の質問で後ほど書きますので、またよろしくご指導ください。

できたらいろいろの考えを聞きたいので、ベストアンサー選定はもう少しお待ちくださいますようお願いいたします。

お礼日時:2012/03/11 11:31

黎明期の考古学で打製石器の時代を「旧石器」、磨製石器の時代を「新石器」としたのですが、調査研究が進むとそんなに単純な区分が出来ないことが分かりました。

実際、「旧石器時代」でも「局部磨製石器」が存在します。
また新石器の始まりが濃厚の始まりと重なる地域もあればそうでもない地域もあります。
日本だと縄文時代は新石器にあたりますが、農業が行われていたとは考えられていません。
そういう意味から日本の研究者は「先土器時代」や「岩宿時代」と呼ぶ人もいます。ただ一般的には「旧石器」と言った方がなじみがありますしわかりやすいのでこちらが使われることが多くなっています。
「時代区分」については杓子定規に考えるとかえって混乱します。
例えば日本では石器や土器で区分したり、古墳や政治的中心地、元号などで時代区分されています。
時代区分はあくまで研究者や歴史を学ぶ上での「便宜的区分でしかない」と割り切った方がわかりやすいです。

この回答への補足

Onbaseさま
早速の回答を有難うございます。
お答えの趣旨、良くわかり、納得しました。
回答のすばやさから見て、この方面相当お詳しいと見ましたので、もう少しご指導をお願いいたします。

>時代区分はあくまで「便宜的区分でしかない」と割り切った方がわかりやすいです。
ということが現在の実際であることは、Onbaseさまのおっしゃる通りと思います。
しかし「時代区分」というものは、歴史学の集大成としてもっとも重要なことであり、これがいい加減に扱われている現状に私は大変不満です。
また「日本史ではこういう区分で世界史ではこういう区分」という使い分けも、それなりに意味はあるとは思いますが、世界がグローバル化している現在、世界史(人類史)の時代区分を作る必要があると思います。
世界史を考えるときに、これを西洋史のことと混同されている現状も改める必要がある、と思うのですが如何でしょうか?

Onbaseさまは、新石器時代という言葉は、もう使われていない、ということには、賛成と読みました。
そうすると当然「旧石器時代」という言葉も意味を失いますが、この論理にも賛成していただけるでしょうか?

「考古学会の人たちはどうして、こういう曖昧な状態に満足していられるのか?」何かご存知ないでしょうか?

補足日時:2012/03/10 11:23
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この回答へのお礼

お礼入力は、一つひとつのお答えにすべきものと気が付きましたので、遅ればせながら、ここでもお礼を申し上げます。

私は全くの素人ですので、的外れも多いと思いますが、よろしくお願いいたします。

お礼日時:2012/03/11 12:25

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