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六方最密構造(hcp)がブラベー格子に含まれない理由をどなたか教えてください。
よろしくお願いします。

A 回答 (6件)

「六方最密格子がブラベー格子に含まれない」ことがおかしいと思われたのはどうしてでしょう。

「立方最密格子がブラベー格子に含まれている」からでしょうか。

ブラベー格子は結晶を「対称性で分類している」ものです。
密度で分類しているのではありません。
密度は対称性の考察の対象にはなりません。

立方最密格子がブラベー格子に含まれているのではありません。
含まれているのは面心立方格子です。その構造の持つ対称性が含まれている理由になっています。
最密構造になっているということが理由ではありません。

六方最密構造の対称性は「六方晶」です。六方晶はブラベー格子の一つです。

「最密」が分類の基準になっていると考えるからおかしくなるのです。
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この回答へのお礼

すみません。テスト期間でなかなかPC開く機会がありませんでした。

ご丁寧にありがとうございました。おかげ様で疑問が解決しました。お礼が大変遅れてしまいすみません。

お礼日時:2012/07/31 19:39

返事がもらえないのでまだ納得できるところまで行っていないのではないかと考えています。


どこがしっくりいかないのか書いてもらうといいのですが。

回答を書いていて考えました。
結晶構造、ブラベー格子についての解説には抜けているものがあるのではないかということです。初めて読む人が分かるような解説にはなっていないのです。

考察の対象になっている結晶構造は「含まれている原子は全て、並進対称操作で表現出来るものになっている」という前提があります。ある一つの格子点から結晶構造中の他の格子点に行くための操作は3つの基本単位ベクトルa,b,cの整数係数の組み合わせで表されます。(「基本単位ベクトル」という言葉があるのかということについては「?」です。説明のために私が使っている言葉だと考えて下さい。)
このような基本単位ベクトルが存在するような結晶構造が「あらかじめ選ばれている」というところの記述が抜けているのです。

このような基本単位ベクトルの作る「単位格子」を「基本単位格子」という(wikiでの表現)ようです。
「基本単位格子に所属する原子の数は1」です。

ブラベー格子の図に出てくる「体心立方」というような単位格子は基本単位格子ではありません。立方体1つ当たり2個の原子が含まれています。従って立方体の3つの辺を表すベクトルは基本単位ベクトルではありません。立方体の2つの辺を表すベクトルと体心にある原子に向かうベクトルの3つをセットにすれば基本単位ベクトルになっります。全ての原子の位置がこの3つのベクトルの整数係数の組み合わせで表現できます。
ブラベー格子に出てくる7つの結晶形というのは「並進対称性が成り立っていることが確認されている結晶」についてのものです。別の対称性を基準にしてまとめ直しているのです。wikiでは回転操作によって分類すると書かれています。その場合、基本単位格子とは異なった平行六面体が出てくるのです。これも混乱の原因になっています。図を見ると並進操作で出てくる平行六面体についての分類であるかのように受け取ってしまいますね。

具体的にある結晶構造が与えられた時に、基本単位ベクトル、基本単位格子はどのようにして決めればいいのでしょうか。例えば、最密構造という結晶構造が与えられた時です。
全ての原子が並進対称性を満たすとします。
ある基準になる原子を選びます。Aoとします。その原子の隣にある3つの原子を選びます。3つとも同一平面上にあってはいけません。どの2つも同一直線上にあってはいけません。距離の近い方から順番に3つです。Aoからこの3つの原子に向かうベクトルが基本単位ベクトルa,b,cになります。他のすべての原子の位置はこの3つのベクトルの整数係数の組み合わせで表されているはずです。もしうまく表すことが出来ない原子があれば初めの「全ての原子が並進対称性を満たす」とした前提が成り立っていないのです。「並進対称性を満たすような部分構造」を探さなければいけません。ブラベー格子を考えるのはこの後のことです。
この作業が必要であるということがどこの説明にもないから行き詰るのです。

立方最密構造にも六方最密構造にも4つの原子の作る正四面体が存在します。最近接の原子の作る構造です。
この正四面体の3つの辺を基本単位ベクトルに選びます。a,b,cとします。
立方最密構造では他のすべての点がこのa、b、cの整数係数の組み合わせで表されます。ところが六方最密構造ではうまくいかないのです。このa,b,cを基本単位ベクトルにすることはできないということです。と同時に正四面体を基本単位格子とするという立場も成り立たなくなっていることになります。
(一種類の原子でできている結晶構造でありながら役割の異なる(等価でない)原子の組があるというのも分かりにくいところですね。)

六方最密構造での繰り返しの単位は底面が正三角形の三角柱です。
底面は原子を正三角形に敷き詰めた構造になっています。この面をAとします。
Aと同じものを少しずらしてAの上に載せたものをBとします。Aの原子の作る三角形のくぼみのところにBの原子が来るように置いています。Bの上にはAと同じものがきます。ABAB・・・となっています。
面に垂直な繰り返しの周期はA-Aの間隔です。
Bを除いてAだけを考える場合でしたらAの中の3つの原子の作る正三角形が繰り返しの基本単位になります。しかしBにある原子まで考えての繰り返しの単位であれば底面Aの原子の数は変わってきます。6個の原子の作る正三角形が繰り返しの基本単位になります。基本単位ベクトルの長さが2倍になったことになります。この三角形の中央には穴が開いています。Aの原子もBの原子も来ない場所があるのです。この穴の位置の繰り返しが繰り返しの単位になります。基本単位ベクトルの長さが2倍になっていますからA面の中にも副格子を作る原子が存在していることになります。
ただ、「六方晶」という対称性はAだけしか考えていない時でもA,B合わせて考えている時でも変わりません。
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#3の補足



>並進対称性が無い=ブラベー格子ではない

結晶である限り「並進対称性」は存在します。
ブラベー格子はその対称性を手掛かり結晶を分類したものです。
結晶である限りどれかのブラベー格子に当てはまるのです。

六方最密格子がそのままではブラベー格子の分類の中に入って来ないのは
六方最密格子に含まれている全原子を表すような並進対称性の基準ベクトルが存在しないからです。ABABAB・・・と正三角形を基本構造とする2つの平面を交互に積み重ねて行った時のAAAAという構造がブラベー格子の分類の対象となる構造です。それが六方晶です。Bは副格子を作ります。

六方晶に当てはまるのですからブラベー格子が存在しないのではありません。

NaClの構造はブラベー格子には含まれていません。
Na^+だけ、またはCl^-だけについてみると面心立方格子に当てはまります。
面心立方格子はブラベー格子の分類の中に出てくる構造です。
Na^+の作る格子を主だとするとCl^-の作る格子は副です。

原子の種類が異なるので区別するのは当然だと思われるかもしれません。
でも同じ種類の原子を主と副に分けるという例もあるはずです。
かなりややこしいですがダイヤモンドの構造を見て下さい。原子の種類は1つです。立方晶系に含まれていますが立方体1つ当たりの原子数はかなり大きい数字です。副格子のない面心立方格子であれば立方体1つ当たりの原子数は4です。従って4よりも大きい数字になれば副格子が存在します。
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#2です。


補足です。

>ベクトルcでC'にある球の位置を表すことはできません。

「出来ない」と書きましたが説明が必要だろうと思います。
空間の任意の点は一時独立な3つのベクトルが与えられれば表すことができます。
ここで「出来ない」と言ったのは並進対称性を表すような表現が出来ないという意味です。
係数が整数になるような表現です。
並進対称性を満たすような基準ベクトルとそのベクトルで表現できる格子点の配置は連動しています。
A,B,A,B、・・・と球(格子点)を配置させた時、A1B1を表すベクトルcとA面内でのA1A2,A1A3を表すベクトルa,bで表すことができるかを考えます。
初めのA1の真上にくるAをA'1とします。A1A'1=2c-(2/3)(a+b)ですから整数係数という条件に合いません。これはcを基準のベクトルとすることが出来ないということと同時にB面内の点は基本格子を作る格子点ではあり得ないということにもなります。
AもBも同じ原子でできていて区別がないように見えますが結晶の対称性ということから言うとA,Bは異なる原子でできているというのと同じ扱いになるのです。
もしこれがABCABC・・・の場合だとA1の真上にあるA'1へはA1A'1=2c-(a+b)というベクトルで移動することが出来ますのでa,b,cが並進の対称性を表す基準のベクトルであるとすることができるのです。

あちこちブラベー格子についてのサイトを見てみましたがBが副格子になるという説明のあるものは見つかりませんでした。

この回答への補足

回答ありがとうございます。

つまりは・・・
並進対称性が無い=ブラベー格子ではない
ということなのですか?

補足日時:2012/07/28 21:01
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六方最密構造と立方最密構造は全く別の構造です。



球を平面にぴったりとくっつけて並べます。
正三角形を基本とする構造ができます。
この平面は60°に開いた2つの長さの等しいベクトルa,bで表現できます。
平面内での並進対称性を表す基本ベクトルになります。
この面をAとします。
Aの上に同じ面を積み重ねます。この面をBとします。
Aの球の作る正三角形の中央にBの球が来るように載せます。
Aの3つの球とBの1つの球で正四面体を作ることになります。
Aの球からその上に乗っかっているBの球に行くベクトルをcとします。
a,b,cは正四面体の3つの辺に沿ったベクトルです。
Aにある球A1をこのベクトルa,b,cだけ移動させれば
正四面体の他の3つの頂点にある球A2,A3,B1に行くことができます。
A1を2つのベクトルa、bの和で表されるベクトルで移動させた時の球をA4とします。
A1A2A3A4は角度60°、120°の菱形になっています。
Bの上にAと同じ構造の面を載せます。Cとします。
Cの載せ方には2つの方法があります。
(1)A1→B1への移動はベクトルcで表されました。B1→C1がやはりcで表されるような載せ方です。
  この時C1はA2,A3,A4の作る正三角形の重心の真上にきます。
  このような載せ方を繰り返します。4枚目Dの球はすべて元のAの真上にきます。
  Aに戻ったということです。普通これをA、B、C、A、B、C、・・・と表します。
  3つのベクトルa,b,cで全ての球の位置を表すことが出来ています。
  この3つの基本並進ベクトルは立方体の頂点から面心に引いたベクトルと同じになります。

(2)Cにある球がすべてAにある球の真上にあるように置くこともできます。その場合をC'とします。
 この場合、C’はAと同じになりますからA,B,A,B,・・・と表します。
 ベクトルcでC'にある球の位置を表すことはできません。
 A1からB1に行くベクトルでB1からC'1に行くための移動を表現出来ないのですから
 ベクトルcは基本並進ベクトルではありません。Bは副格子扱いとなります。
 その場合、基本格子は正四面体ではなくて正三角柱です。
 (三角柱の体心の位置に別の球が存在している構造です。)
 A,B,Aの繰り返しのA-Aに対応するベクトルが基本並進ベクトルです。
 これはブラベー格子で言うと六方晶です。
 六方最密構造という名前の六方です。

ブラベー格子は基本対象操作(並進、回転、反転、鏡映)だけで実現可能な構造です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%90%E6%99%B6% …

 
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原子の区別をしない場合、


六方細密は立方細密格子を違う角度から見た場合と同じだから。

参考URL:http://www.b.dendai.ac.jp/~physchem/member/ru_i. …
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