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市中で一銭もお金が存在しない初期の状態を想定します。
そこから、日本銀行がお金を刷って、それを市中銀行が借り入れし、それが市中に出回るには、
市中銀行が、民間に対してお金を貸す、あるいは何かを市中から買う、という方法をとるのでしょうか?
もし上記の方法しかないのであれば、市中銀行(それが日銀でも、政府でも、徳川幕府でも同じことだと思いますが)は、通貨の流通のために、市中から金などを買うのか、ただ何かを担保に、お金を貸すのか。
今の私の考えでは、市中から金を買っていって、先ず金本位制を確立する、というのが理論的にも成り立つかなと思いますが。
あるいは石ころなり、貝殻なり、布なり、Moneyとして通用していたものを、発行する通貨と一定比率で交換していくという形でしょうか。
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
・物々交換とお金の始まり
昔はみんな物々交換をしていたんだ。木の実を集めて来た人、魚を釣って来た人、お米を収穫して来た人、みんながお互いにモノを持ち合って交換していたんだ。これが物々交換というんだ。
でも物々交換をする中で、モノが腐ってしまったり、大きくて持ち運びにくいものがあったりして、物と物の交換だけでは不便を感じる場面も多かったんだ。そこで貝、布、石などを約束の印として使うようになったのがお金の始まりで、これを物品貨幣というんだ。
・金属貨幣の始まり
その後、金、銀、銅などが貨幣としてつかわれ、これを金属貨幣と呼んでいるんだ。
金、銀や銅を器にしてそこに食べ物をおいておくと食べ物が腐りにくくなることから、昔はこれらの金属には精霊が宿っていると信じられていたんだ。精霊が宿ると考えられていた金属は食器だけではなくお守りなどに加工されたりしてアクセサリーや美術品としても使用されていたんだ。
そしてそんなアクセサリーが物々交換の仲介品として使われるようになり、コインとして加工されいわゆるお金として使用されるようになったんだ。
・コインと食べ物
ここでコインとお肉について考えてみようよ。コインもお肉も他のモノと交換できる。けど、数日経つとお肉は腐って価値がなくなってしまう。一方でコインは腐ったりしない。だからコインをいっぱい持っていると、必要なときにコインと食べ物を交換して豊かな生活が出来るようになるんだ。こうやって大金持ちになる人もでてきたんだ。
・銀行の誕生
よく誤解されていることが多いのだけど、通貨や銀行というのは元々は国が始めた事業ではないんだ。現在では複製できない紙として事実上国がお金を流通させ管理していけど、元々は銀行などが独自に発行した紙だったんだ。
コインを多くの人が使うようになると、コインを盗まれたりしないように預ける場所ができてきたんだ。だけどコインを預かる人の中にはずる賢い人もいて、人から預かったコインを無断で他人に貸し出してお金儲けをしている所もあったんだ。つまりこれが銀行業の誕生なんだ。また、大量のコインを持ち出すことの不便さなどから、この時コインを直接貸し出すのではなく、約束書を書いてこれをコインの変わりとしていたんだ。この約束書が紙幣の原型であり、約束書の発行が主流になったことで金庫に存在する以上のお金の貸し出しが行えるようになり、このような商売が銀行の原型なんだ。
(銀行がありもしないお金を貸し出ししているなんて、まるで詐欺ではないかと思われた人も多いと思うが、これは現在では法律で認められた行為なので詐欺ではないんだ。銀行では預金準備率として法律で定められ現在日本では1%以下となっており、100万円を元手に1億円程貸し出せるようになっているんだ。またこのような詐欺的な行為を法律で認めていることを問題視する人もいるが、これは資本主義経済の主軸であり根幹をなすシステムなのでこれを否定することは資本主義を否定することで、そういう人は社会主義者などと呼ばれるんだ)
・銀行のその後
有りもしないお金を複数の人に貸し出ししているので、しばらくすると当然無理が出てくるんだ。お金が多くの人に貸し出され始めた当初は借金も増えるが収入も増えてお金が社会に廻りはじめ、多くの人がお金を手にして景気がよくなるんだ。
だけどこれはネズミ講と同じ原理だから、しばらくすると世の中にお金が増えても物品が増えるわけじゃないから、物の価格が急に高騰したりして、不景気になり恐慌になって、途端にお金の返済が出来なくなる人が多くなるんだ。返済ができなくなった人は代わりに土地、家、家財、衣服などを銀行に持って行かれるという事態になるんだ。
昔はこの恐慌の循環が10~20年ほどのサイクルで起こっており、これが国境をまたがると踏み倒しから戦争になったりしていたんだ。
・更にその後
こうやって『有りもしないお金を貸し出す --> 景気が良くなる、借金を増やして事業を拡大する --> 物価高騰などから不景気、恐慌になる、この時 実物が徴収され銀行、資産家が実物を手に入れる、--> 底打ちし景気が回復し始め有りもしないお金を貸し出す --> 景気が良くなる --> 恐慌になり実物が徴収され資産家の物になる --> 、、、 』という事が繰り返されたんだ。
このような好景気と恐慌の景気循環を繰り返えすことで、お金の返済の代わりに土地や不動産を銀行が回収するので莫大な富を得る資産家も誕生するようになったんだ。
・産業革命以後
それまで10~20年ほどに一度起こっていた恐慌が、産業革命が起こったことで恐慌が起こらなかったんだ。というよりも先に伸び50年ほど恐慌に至らない状態が続いたんだ。これは工業化によって新たな産業が創出された事や物流技術の発達で経済活動の行える地域が増え経済全体のパイが大きくなりお金の貸し出される先が増えたためなんだ。
サイクルが伸びたとはいえ恐慌はまた起こりその時起こる信用収縮によってまた同じことが繰り返され、世界大戦の原因の一つには世界恐慌という経済問題があったんだ。
銀行について、非常に基本的で重要な話でした。ありがとうございます。
恐慌というのは、銀行や資産家(特に大富豪)が、意図的に発生させているとう面はありますか?
No.6
- 回答日時:
新通貨が発行された場合、旧通貨との交換レートを
決めた上でそのレートで交換を行い、移行していく、
というのが一般的かと思います。ユーロ導入の際
などもそのような移行手段がとられました。
あと、ここからは蛇足になりますが、ご存じかも
しれませんが、現在の先進国の通貨には何らかの
価値の裏付けというのは必ずしも必要とはされて
いません。かつてはご質問者様ご存じのように、
金本位制度という、金の保有量までしか紙幣を
発行できないようなルールがあったのですが、
先進各国は金本位制度を離脱してしまい、基本的
には現在の通貨というのは何らの価値の裏付けが
なくとも延々と発行し続けることが可能です。
離脱した当初延々と通貨を発行し続け、ものすごい
インフレなどに見回れたりいろいろトラブルも
あったため、現在ではある程度の法律の縛り
などは存在しますが、現在の通貨管理制度という
制度は基本的にはお札を刷り続けようと思えば
いくらでもそのようなことが可能な制度になって
います。
担保となっているのはただただ中央銀行の
信用のみ、ということになります。
そうですね。ありがとうございます。
中央銀行あるいは国家への信用のみ、というのは考えてみれば、空恐ろしい気もします。
しかし、あらゆる(国内の)団体の中で、もっとも(財政的に)信用できるのが、国家、ということになっていると思います。
(小国と、グローバル企業を比べるのは別の話)
規模としては、確かにそうかもしれませんが、腰を据えて考えたくなりますね。
国家中枢に売国奴なんて(意図的でなくても、本能的に、そうなってしまうような)たくさんいると思いますし。
No.5
- 回答日時:
日本銀行金融研究所貨幣博物館:貨幣に関する連載・貨幣散歩道
http://www.imes.boj.or.jp/cm/htmls/feature.htm
このサイトで質問者さんの疑問が解消されるかどうか分からないけど、ひとつ紹介しておきます。ただし文章だけのサイトで図・表・グラフの類は全く無いので、決して分かりやすくもない。
No.4
- 回答日時:
通貨というのは不思議なものですね。
1万円札にどのような裏付けがあるのか。裏付けも無しに通貨は発行できません。戦前軍票というのがあって、日本軍が外地で日銀とは関係なく、勝手に通貨を発行しました。何の裏付けもない通貨は現地でひどいインフレを起こしました。戦争状態なので混乱は見過ごされましたが、国の中だったら国が潰れたでしょう。今デフレ円高対策に日銀が通貨の供給量を増やすべきと言う議論があります。日銀は通貨供給の裏付けになる国の資産能力(昔だったら金の保有量)に見合った通貨量しか発行しません。裏付けのない通貨発行でハイパーインフレを起こすことを防いでいるのです。しかし、デフレギャップ(GDPと供給能力のギャップ。40兆円あるという)以内だったらインフレは起きないと言う説があります。震災復興に要する費用は国債に頼らず日銀が1万円札を刷ればいいという議論です。いろいろな経済学者や専門家が言っています。しかし白川日銀はがんとして応じません。どちらが正しいのでしょうね。私は、経済に無知な軍隊が野放図発行する軍票と違って、日銀がきちんとコントロールすれば、極めて有効な円高デフレ対策になるような気がしています。
No.3
- 回答日時:
江戸時代の話をしますと、藩札という地方通貨がありました。
大名は商人からモノを買って代金として藩札で払う。次に商人は大名から米を買って藩札で払う。大名は必ず毎年一定の年貢が必ず入ってきますから、藩札は米によって価値が裏打ちされていたことになります。ですから江戸時代は金本位制ではなくて、米本位制なのです。藩札は大名が勝手に発行していましたが、その藩札の価値は米との交換が約束されていたことで、保証されていたわけです。こうしてその藩の領内では藩札が町民、百姓に至るまで流通していった訳です。ただしあくまで藩札は地方通貨ですから、その藩の領内でしか使えませんでした。幕府は藩札の発行を認めていたけど、幕府が藩札の価値を保証していたわけでもなく金との交換を約束していたわけでもない。幕府は幕府専属の大商人に貨幣を鋳造させて、その貨幣の価値は保証する立場でした。貨幣の価値は貨幣に含まれる金の価値で保証されていました。徳川家康が鋳造させたのが有名な慶長小判です。小判の価値は金で保証されていたが、米の価値でも裏打ちされていました。だから結局は米本位制なのです。徳川家康は、幕府専属の大商人に慶長小判を鋳造させる。その慶弔小判で別な商人から大砲を買う。大砲を買ったら、大阪城の淀君に大砲をぶっ放して脅かす。そうやって豊臣家を滅ぼして、豊臣家の領地を幕府直轄領に組み入れる。その幕府直轄領から上がった年貢を商人に売って代金として慶弔小判が帰って来る。慶長小判に含まれる金は幕府直轄領の佐渡金山で生産されていました。そうして明治維新になって、大政奉還・版籍奉還・廃藩置県となると、じゃあこの藩札と小判はどうしてくれるのよ?大名に貸し付けた借金はどうなるのよ?ってことになるわけです。日本銀行が設立され中央銀行制度が確立するまでに、太政官札、民部省札、国立銀行券と貨幣制度は混乱の極みとなってしまいました。
質問者さんが理解されているのは、現代の中央銀行制度であり、信用通貨制度のことです。それはそれで間違いではないのですが、現代の制度に至るまでには、歴史的経緯があって、その時代の背景も理解する必要があります。ですから時間軸を明確にしてもらわないといったい何の話をしているのか分からないことになってしまいます。
真面目に最初から論じようとすると一冊の本になってしまう。この辺で勘弁してください。
ありがとうございます。先ず、統治権力が、資産を持っていたり、徴税権を持っていて資産を作り、それを通貨の交換保証として、通貨を発行し市場から何か買っていくわけですね。おそらくそれが基本となると理解しました。ありがとうございます。
もともと日銀の貸借対照表がどのように形成されるのか、という疑問から始まったのですが、通貨管理制度単独では説明が完結しないだろうと思いはじめ、さらにさかのぼり、漠然とした質問になってしまいました。
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