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お世話になっています。


英語conscienceの意味を辞書で引くと、「良心、道徳、善悪」のような意味がみられます。

語源をしらべてみると、
[ラテン語「(秘密などを)分かち合うこと」(CON‐+scīre 「知る」); 【形容詞】 conscientious]
とあります。

フランス語ではconscienceの意味に、「意識」とあります。

「共に」「知る」ことが、どうして「意識」になるのか教えてください。

「conscience」とは、秘密を分かち合う集団にたいする、やましさみたいなものを抜きにしては、
語源的にも成り立ち得ない語なのでしょうか。

scienceの単語が見られますが、「科学」や「学問」のような「知?」を「con」したら、「意識」になるのでしょうか。

英語「conscious」は、気がついてることだと思いますが、同語源の言葉でしょうか。

私の「con」に対する理解がまちがっているでしょうか。


A 回答 (4件)

conscience, conscientious, conscious さらには science などの根源にあるのはラテン語動詞 scire「知る」です。


接頭辞 con- の付いた conscire という動詞もありますがその意味は「やましく感じる。気にやむ/よく知っている」という意味で、con- に「ともに」という意味は感じられません。

nil conscire sibi = to have nothing on one's conscience「何もやましく感じることはない」(ホラティウス「書簡」)

-ience (lat. -ientia) という語尾は動詞から名詞を作る働きがありますから、conscientia という名詞は容易に作れますが、#1のリンク先にギリシア語からの翻訳借用とあるのは、本来の conscire と一緒に古くから使われ続けてきたわけはなく「新たに」作られたのであろう(probably)という意味でしょう(ギリシア語 syneidesis は一つの名詞であり意味は「意識」です。'with-knowledge' とあるのはsyn- と eidesis を文字通り訳しただけであり(そのための引用符です)英語としては成り立ちません。「知識で(もって)は syn eidesei となります。英語の接頭辞としての with- は against を意味します。e.g. withdraw, withstand)。

この conscientia ですが「知識の共有」だけでなく「意識」「良心」という意味もあります。
http://en.wiktionary.org/wiki/conscientia および Oxford ラテン語辞典

面白いのは「知識」の共有について特に「よくないこと」の影がつきまとっていることです。Wiktionary では complicity、Oxford では crime, complicity 。「悪いことを知っている→罪の意識→良心」という流れを考えることもでき、また良いとも悪いとも言えないものがいつしか良いか悪いかのどちらかに用いられるようになるとも考えられます(「天気」が「晴れ」を意味するように)。

con- はギリシア語の syn- と同じで「共に」を意味しますが、単なる強意のこともあります。比較的新しい語では co(n)- は「共に」を意味することが多いですが、言葉というものは古いものほど謂れが分からなくなるもので、語源を分析することはできても肝心の「なぜその言葉がこういう意味になったのか」は推測しかできないことがほとんどです。「こういうわけでこの言葉を作りました」という記録は、最近のものは別にしても、ないのが普通なので考えてみれば当たり前のことです。

この回答への補足

>語源を分析することはできても肝心の「なぜその言葉がこういう意味になったのか」は推測しかできないことがほとんどです

再現なしに「なぜ?」を源へむかってさかのぼることはどこかであきらめなくてはいけないことだとおもいました。
語源を分析することで、そのことばが含み持つ来歴をあきらかにできたらよいなとおもいました。

補足日時:2012/11/14 14:49
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この回答へのお礼

語源辞書の活用の仕方をご指南ありがとうございます。
語源とのつきあいかたを考えさせられて感謝しています。
いちばんお答えいただきたかった、conscienceがもつやましさについて
おこたえいただいたので、ベストアンサーといたしました。

お礼日時:2012/11/14 14:56

#3です。



付け加えておきますと、英語においても conscience を「意識」の意味で使っていたことはあり、OED によればほとんど19世紀中頃の例です。
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この回答へのお礼

syneidesisについて、以下のようなページを読みました。
http://www.drbilllong.com/EvenMoreWords/Synteres …

お礼日時:2012/11/14 16:04

1. >>フランス語ではconscienceの意味に、「意識」とあります。



   おっしゃる通りです。
        perdre conscience や reprendre conscience は例ですね。その他に「良心」の例も
       avoir bonne conscience とか se donner bonne conscience、avoir mauvaise    
       conscience に見られます。
    「気づく」の意味も "Ils ont fini par prendre conscience de la gravité de la situation." 「やがて、ことの重要さに気づいた」とか prendre conscience de la nécessité de faire qch 「何とか手を打たなくてはならないことに気づく」"などで分かります。

    一口に言えば英語と大差はありません。もともとラテン語から出てフランス語経由で下記のように13世紀に英語に入った訳ですから当然です。
    http://www.etymonline.com/index.php?l=c&p=50&all …

2。  >>「共に」「知る」ことが、どうして「意識」になるのか教えてください。

これは#1さんのお挙げになった語源に鍵があります。
    (1)  ラテン語の前接辞 com- には、「(道具、手段の)で」あるいは「徹底的に」という意味があります。
    (2) これは、ギリシャ語 syneidesis の「知識で」の翻訳借用のようです。

    翻訳借用は、英語から日本語に入った例では「蜜月」、「白書」、「草の根」のようなものがありますが、「字面」の翻訳です。

    そのため語源は「共に」ではなく「で」であり、しかもそれが意味的に伝わっていない翻訳借用のため、二重の隔壁があり、語源の透明性がなくなっています。

3。>>英語「conscious」は、気がついてることだと思いますが、同語源の言葉でしょうか。

    おっしゃる通りです。
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この回答へのお礼

翻訳借用について教えていただき、勉強になりました。
comについて知らない意味を教えてきただきました。
ギリシア語の語源が知れました。
二重の障壁により、語源の探りにくくなってる状況が理解できました。
ありがとうございました。

お礼日時:2012/11/13 01:19

http://www.etymonline.com/index.php?allowed_in_f …

に説明があります(英語)。そこからリンクされている"con-"と"science"も参考になるでしょう。

この回答への補足

語源辞典をもっと使いこなせるようになりたいです。

補足日時:2012/11/13 02:37
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2012/11/12 13:53

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