プロが教えるわが家の防犯対策術!

お世話になります。

動画サイトで、アメリカの捜査官がGPS付きの自転車を無施錠のまま街中に置いておき、カメラが回っている中で窃盗犯に盗ませてからGPSで追跡し逮捕するという動画を見て、おとり捜査に興味がわきました。

自分でも同じように、自転車を誰でも乗っていける状態でとめておき、それを監視カメラで記録し誰かが盗んで行けばそれを警察に通報することによって泥棒が捕まればいいなーなんて思っていたのですが、

軽く調べたところ、おとり捜査は違法だとのことでした。
私の認識では、それは本来ならば犯罪を行わなかったであろう者を、わざと犯罪を行うように仕向けることが適切ではないという考えに基づいたものでした。

そこで疑問に思ったのですが、おとり捜査的行為が、この「犯罪を行うように仕向ける」行為であるか否かの基準はどういったものになるのでしょうか。

例えば上記の自転車のような例で言えば、
「誰か盗んでいくだろうからそいつを捕まえてやる」(故意)
「誰かに盗まれてもいいや、その場合は捕まえるから」(未必の故意)
「まぁ盗まれないだろう。」→盗まれた後に「あー監視カメラ撮っておいてよかったー」(認識ある過失)
いつもならば鍵をしているがたまたま鍵をかけわすれた日に盗まれ、「あー監視カメラ撮っておいてよかったー」(過失)
といった主観的基準のいずれかで判断されるのか、
それとも、主観とは関係なく客観的基準のようなもので判断されたりするのか
はたまたケースバイケースか…

また、おとり捜査の対象は窃盗のような身近なものを含む全ての犯罪に適用されるのでしょうか、それとも特定の犯罪に限定されているのでしょうか(少なくとも軽くググった限りでは窃盗に関する説明は見当たりませんでしたが…)

また、そもそも一般人はおとり捜査の主体となりうるのでしょうか?
ウィキにあるおとり捜査の定義では「捜査機関又はその依頼を受けた捜査協力者が」とあるのですが、
これはつまり一般人は主体とならない→「犯罪を行うように仕向ける」行為であるか否かの基準や、おとり操作の対象などといったことに関係なく、一般人がおとり捜査的な行為をしても違法とはならない ということになりますか?

そこまで知りたいのなら専門書なりを読んだ方がいいのかもしれませんが…
興味本位の質問ですので、ご存知の方、よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

”軽く調べたところ、おとり捜査は違法だとのことでした”


      ↑
(1)おとり捜査には二種類あります。
第一は、犯意のない者に犯意を持たせる場合で
これは米国でも違法とされています。
第二は、犯意を持っている者に働きかけ
その意思を強固にするものです。
これは米国でも合法とされ、日本でも麻薬取締法で
一部合法とされています。
(2)その違法性にも二種類あります。
第一は、実体法上違法かどうか。
これは麻薬取締法で定められた以外の場合は違法とされています。
第二は、訴訟法上違法かどうか。
これは争われています。学説では違法とする説が多いようです。
起訴されたことがないので、判例は無いと思います。
尚、判例では、おとり捜査で犯罪を犯した者が処罰されるのを
認めています。

”そこで疑問に思ったのですが、おとり捜査的行為が、この「犯罪を行うように仕向ける」
 行為であるか否かの基準はどういったものになるのでしょうか。”
       ↑
狭義の共犯である、教唆、幇助における意思と同じです。
おとり捜査が、違法とされるのは、実体法の問題と、訴訟法の
問題があります。
実体法では、犯人の行為が犯罪を構成するのは疑いがないが
おとり捜査をしかけた方が、その犯罪の教唆や幇助になるか
ということで、その違法性が問題になっているのです。
だから、その基準というのは、教唆や幇助の故意、という
ことになります。
従って、未必の故意は当然に含まれます。
尚、過失の教唆とか、幇助というのはありませんので
過失は含みません。

”おとり捜査の対象は窃盗のような身近なものを含む全ての犯罪に適用されるのでしょうか”
       ↑
日本で合法化されているのは、麻薬取引法だけです。
その他の場合は、その犯罪の教唆や幇助になります。
ただ、現実には、検察が起訴しないでしょうから、
罪に問われるようなことはないと思われます。

”一般人はおとり捜査の主体となりうるのでしょうか”
       ↑
麻薬取締法におけるおとり捜査の主体は一般人を含みません。
(麻薬取締法58条)
一般人には教唆幇助が成立します。
他の犯罪でも同じです。
そして、警察とは異なりますから、検察にも仲間意識が
ありません。
従って、起訴される可能性はあると思われます。

ちなみに、自己のモノについて窃盗を教唆幇助した場合、
窃盗罪の教唆、幇助が成立するか、という問題があります。
これは、おとり捜査とは別の、共犯の従属性の問題に
なります。
また、おとり捜査関係で理論的には、未遂の教唆
という問題があります。
興味があったら、勉強してみてください。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

違法におとり捜査を行ったときは自爆攻撃となるのですね。

教唆や幇助の故意という基準もよくわかりました。

ウィキにはおとり捜査の対象の種類として麻薬の他に銃器と賭博についてのっていますが…いずれにせよ限られるようですね。

とりあえず、自転車の例であれば認識のある過失レベルだと起訴されることはない、と考えておきます。

共犯の従属性と未遂の教唆については、今調べたら眠くなってしまいましたが、またおとり捜査について深く調べたくなったときに参考とさせていただきます。

お礼日時:2013/02/02 02:33

No.2さんが詳しく説明されているとおりですが…。



 もう少し分かりやすく説明すると、おとり捜査には、犯意誘発型と機会提供型の2種類があるとされています。
 薬物事件をもとに具体例をあげると、もともと売るつもりのない人に高く買うから薬物を入手して売って
ほしいと働きかける場合は、犯意誘発型です。
 そして、薬物の売人など誰か買い手がいないかと探している人に、私に売ってくれと働きかけるのが機会提供型です。
 日本では一定の身分の者が一定の場合に限っておとり捜査が許容されるのみで、一般人にはおとり捜査は許されていません。詳しくはNo2さんの麻薬取締法に関する説明のところを見返してください。
 ただし、(少なくとも日本においては)自転車を鍵をかけずに放置するだけでおとり捜査になることはありません。放置に加えて、「あの自転車盗んでみれば」と働きかけることが「犯罪を行うように仕向ける」行為になります。そのため質問者様のように監視カメラをつけたり鍵をかけ忘れたりしても(あるいは意図的に鍵をかけなくても)おとり捜査とされることはありえません。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。

おとり捜査の対象は麻薬などのみに限られているが、それ以外の対象はすべて違法というわけではなくて、窃盗などレベルの低い犯罪はある意味野放しになっているといったところでしょうかね。
で、犯意を故意に誘発するような方法でなければセーフと。

具体的な説明でわかりやすかったです。

お礼日時:2013/02/02 02:38

判断は、客観的というか、警察、検察、裁判所の判断になります。


ですから、ケースバイケースとも言えます。

おとり捜査も含め、民間人には捜査権が有りませんから、捜査そのものができません。
できるのは、調査。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

やはり、これといった基準はないのですね。判例も少なそうですね。

捜査権がなく、捜査そのものができないということは、もし捜査をして警察に証拠を提示しても却下?(違法収集証拠?)になるといったところでしょうか。

お礼日時:2013/02/02 02:10

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