No.1
- 回答日時:
国債価格の下落は債権の取引価格の下落を意味します。
例えば満期になれば100万円もらえる債権があったとします。
満期になれば100万円もらえるのですが、どうしても急にお金が必要になった場合にはそれを待つ事ができませんから債権を売ってお金を作るわけです。
>実際 私が国債を買ったと仮定して、「国債価格の下落」が起きたらいったい私はどう損するんでしょうか?
回答が少し長くなりますので、そこは予めご了承下さい。
国債価格の下落が起きた場合、それで損失するケースは二つあります。
一つは国債を取引する際に買ったときより少ない額で売る羽目になり、その差額が損失になるケースです。
例えば10年満期で100万円の国債を90万で買ったとします。
その後、国債価格が10万円下落した時にどうしてもお金が必要となり、所持していた国債を手放すとなると「80(売却時の価格)-90(購入時の価格)」となり、差し引き10万円の損失となります。
しかし、満期まで保持していれば100万円で償還(実際は利息もあるのでこれより大きくなりますが、説明をしやすくするために敢えてそこは省きます。)されるのですから、損失がないように思われます。
ところが、そうと言えないケースがあるのです。
国債はいわば国家が行う借金ですが、国債価格の低下は国債が売られてその国の価値が下がることを意味します。
これは「債権がきちんと履行されないのではないか?」とか、「国家として発展の可能性がないので、その国の債権を持つのは危険だ。」と保有者に判断され、売りに出されることを意味します。
これが一気に広がると、「国債価格の暴落」という非常にありがたくない事態が起こります。
こうなると、その国の国債は紙くず同然になってしまいます。
債務不履行(これを「デフォルト」と言うようです。)になるわけですから、満期で入るはずの100万円はパーッと消えてしまうことになります。
財務相のサイトはあくまで国家破綻がないことを前提にしています。
国家が破綻してしまえば国債も今ある紙幣も紙くずになってしまうのです。
No.2
- 回答日時:
あなたが10000円の国債を買います。
満期時には12000円の予定です。
国債を発行した日本の、国としての信用が危うくなっています。1000兆円も借金があって
本当に全額返ってくるの?という疑心暗鬼が出てきます。
あなたも不安になって来ました。
12000円はあきらめよう。元本の10000円を割って9000円で売ることにしました。
これが国債価格の下落です。
財務省は火消し役ですから口が裂けても「満額」と言い続けなければなりません。
財務省が「いや、やばいかも」なんて言った日には国債は紙切れになります。
No.3
- 回答日時:
>国債の価格は変わらないことを前提
国債は常に売買されています。景気動向で市場金利が上がったら国債の実質利率(表面金利:国債発行時の約束金利ではありません)も上がります。国債の実質利率が上がるということは国債の価格が下がらなくてはいけませんね。つまり国債が下落するということです。国債価格は日々刻々と変化します。下がったときに換金すれば安く売ることになります。100円のものが98円だとすれば2円の損です。
>国債を買ったと仮定して、「国債価格の下落」が起きたらいったい私はどう損するんでしょうか
償却満期まで持てば満額還ります。金利も付きます。途中で売れば儲かったり損したりします。
暴落しても国が潰れなければ大丈夫です。戦前の国債は敗戦のインフレで紙屑同然になりました。
長期国債はインフレで実質価値が減ることがリスクです。でも今はデフレです。デフレから超インフレになると実質的な損が出ます。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。
>国債の実質利率が上がるということは国債の価格が下がらなくてはいけませんね。
初歩的な質問ですみません。なぜ利率(長期金利のこと?)が上がれば 国債の価格が下がるのでしょうか?
利率が上がれば、保有しておくと利息がついて得になるから、みんな国債を手放さない。だとすると国債の価格は下がらない、となるのではないでしょうか?
No.4
- 回答日時:
元金が利息なしで返ってくると仮定すると大損でしょう
例えば100円の価値が10年後も100円ではありません
今の状況では確実に消費税は上がるし物価も上がるでしょう
消費税が5%から10%になると100円が110円になりの5円下落したことになります。
実際には物価上昇を考えると120円以上になり15円下落したことになります。
100円が85円の価値になってしまうということです
No.5
- 回答日時:
国債は「満期まで持っている」というイメージがありますが、国債市場というものがあるように非常に換金性が高いものです。
つまり何時でも売却して現金に換えることが出来ます。あるいはあとから国債市場で現金と引き替えに購入することも出来ます。預金代わりにもなるし、投資の手段としても有効な「金融商品」です。その意味では「株式」「金」などと同じ性質を持っています。
機関投資家などは常に利回りを気にして巨大な資産を動かしています。株価が上昇すれば株を購入し、あるいは金を購入し、また国債を購入する場合もあります。彼らが気にするのは「どの金融商品を購入したら短期的な利益が出るか」だけです。
最近の「国債価格の下落」という現象は、株価の上昇に伴って、国債を売って現金に換えそれで株式を購入するという一連の流れの中で起きました。国債市場で大量に売りに出された場合国債の額面価格を割ってしまうことはご理解出来るでしょう。
個人が預金代わりに国債を持っている場合、年に二回の利息払いがあるわけですから国債価格が上がろうが下がろうが問題は生じません。ただ、国債の市場価格が上がって額面価格を上回りその売却益が年に二回の利息よりも大きいのであれば売った方が得策かも知れません。
基本的には個人は国債価格の変動などは気にせず、年に二回の決められた利息をもらい、満期で額面の現金と引き替えることが一番楽です。
しかし将来的にインフレが予想出来るとかとなると、通貨価値が下がりますからさっさと売り飛ばしてインフレに強い「金」などにしておくほうがよいかもしれません。
この回答への補足
ありがとうございます。
大変勉強になりました。
「額面価格」と「市場価格」が別に存在し、「額面価格」は固定、「市場価格」は需給バランスによって価格が決まる。
という認識でよろしいでしょうか?
No.6ベストアンサー
- 回答日時:
#5 です。
私への補足がありましたがそう理解されて結構です。あともう一つ補足で質問ががありました>初歩的な質問ですみません。なぜ利率(長期金利のこと?)が上がれば 国債の価格が下がるのでしょうか?
質問自体が間違っています。正しくは国債価格が下落すると長期金利が上昇する。です。
これをものすごく簡略化して説明します。今額面価格100万、利率は5%、年に一回利息(5万円)が振り込まれる10年国債があったとしましょう。
何らかの理由で市場価格が下がったとします。ここでは95万に下落したと仮定します。そうしますと値下がりした国債を購入された方は95万の投資で5万円の利息がもらえることになります。そうしますと額面利率は5%ですが、実際の利回りは5/95×100=5.26%ということになります。
こうやって国債価格が下落すると国債の利回り(5%から5.26%へ)は上昇することになります。そうしますと、特に金融機関(銀行・生保など)は元本が保証されて(つまり安全で)金利が高くなった国債を購入しようとする傾向が強まります。
こうなると貸し渋りが起きます。つまり銀行はこれまでの金利で企業や個人に貸し付けるより、国債を購入した方が利益が出ます。そうしますと借り手側はこれまでの金利より高めの金利を容認しなければ銀行からの融資を受けられないことになります。
こうやって国債価格の下落によって生じた国債の利回りの上昇は回り回って各種の長期金利を引き上げることになります。
アベノミクスのアキレス腱の一つはここにあります。株価を人為的に上昇させれば、結果的に巨大な投機資金が国債から株式に移動して、国債価格の下落・長期金利の上昇を引き起こします。
株価の上昇が景気回復につながるどころか、長期金利の上昇は企業の設備投資の鈍化、個人の住宅購入の意欲の衰えとなって、景気を逆に悪化させる可能性もあります。
なので今回の長期金利の上昇を受けて日銀は市中銀行に対してほとんど無利子・無制限の貸し付けを行うことで金利上昇を抑えようとしました。さらに先週から今週にかけて日銀総裁は「長期金利のコントロールは困難である」という発言をしました。
これは実質的に安倍首相とタッグを組んできた日銀総裁が「株価を上げれば景気は回復する」というロジックを捨てたことを意味しています。
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