アメリカ人がかつてアフリカから沢山の黒人を奴隷のために本国に連れてきた歴史がある事は有名と言うか、知られた事実かと思います。
知識として私も持ってはいましたが、ふと、
何で黒人なんだ?
黒人は抵抗しなかったのか?抵抗しようにも武器等の圧倒的支配に服従するしかなかったのか?
ヨーロッパに輸出もしたようだが、他国の人はアメリカのその行為を何とも思わなかったのか?
他国は勿論自国国民は?
と、思いました。
国の文化の違い、時代背景、自分の中の常識と違う話なので、単純に疑問に思ったので、どなたか歴史などに詳しい方、教えて頂けたら幸いです。
No.1
- 回答日時:
三角貿易
背景:アメリカの植民地化と、労働力の減少(インディオがヨーロッパ起源の伝染病によって多数死亡)
なので、労働力が欠乏していないヨーロッパには労働力移転を行う必要はない
アフリカで黒人の奴隷狩りをしたのは黒人
その黒人奴隷を交易したのはヨーロッパ人
参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%A7%92% …
なるほど。。。
そこまで大きくなる話だとは思ってませんで、思わぬところで世界史の勉強が出来ました。
ここまで深い話はごく一般的な歴史の授業には出てきませんよね。
恥ずかしながら知らない話でしたので、勉強になりました。
ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
質問の主旨は↓でよいのでしょうか
1:他国の人はアメリカのその行為を何とも思わなかったのか?
2:黒人は抵抗しなかったのか
3:黒人が選択的に奴隷として集められた理由
回答1:最初に黒人を奴隷にしたのは、ヨーロッパ人です。
ヨーロッパ人が黒人奴隷を欲したのは、植民地での大規模農場での単一作物の生産の為に、単純労働者が大量に必要だったからです。
ヨーロッパでは、それほどの規模の農場はなく、他の仕事(工場、使用人)にはそれなりの知能や教育や経験(=投資)が必要です。
当時の国民が、黒人が近くにいる事を好ましく思わないという理由もあります。
アメリカが黒人を連れてきたのは、自国の南部に巨大な農場地帯がある為です。
回答2:抵抗はしています。
しかし、銃を持っていたヨーロッパ人には適いませんでした。
他の方の回答にもありますが、
黒人奴隷を欲したのは白人ですが、奴隷を集めたのは現地の黒人自身です。
白人と組んだアフリカの有力部族が、近隣の弱小部族を襲って奴隷としてアフリカ商人に売り飛ばしていました。
白人は彼等に銃を与えていた為に、他の部族は対抗できませんでした。
白人が奴隷を欲した目的は、↓のいわゆる三角貿易の為です。
1:奴隷商人が商品(鉄砲、ガラス製品、鉄の塊、綿織物、酒)をアフリカで奴隷と交換。
2:その後、奴隷を南北アメリカまで輸送。
3:奴隷を砂糖、コーヒー、綿花等の植民地の産品と交換。
4:3の産品をヨーロッパで売る。
回答3:キリスト教の元となったユダヤ教の旧約聖書の、ノアの箱舟の話の↓の記述が原因とされています。
【カナンは呪われよ。奴隷の奴隷となって、兄たちに仕えよ】
この カナンの子孫=黒人 という解釈がされた為らしいです(理由は不明)。
(人種的な偏見による黒人差別を、正当化するための後付の理屈かもしれませんが)
リンカーンが奴隷を解放した理由も、人権だけが理由ではありません。
工業化が進んでいた当時の北部が、安価な労働力として黒人を欲していました。
それには南部の農場主の所有物であった黒人を一旦解放し、自由を与える必要がありました。
↑から、黒人の解放は白人の意識が変わったからではありません。
奴隷解放以降も、差別意識は残り続け、アメリカには1964年までジム・クロウ法というものがありました。
その法律では、黒人は白人と同じ公共施設を使用できないという内容の法律がありました。
こんな法律があるくらいなので、民間でもそれぞれ専用の店があり、トイレも分離されていました。
黒人だけでなく、日系人も差別の対象でした。(動画も参照)
太平洋戦争が、人種差別との戦い と言われているのはこの為です。
【大日本帝国が世界で初めて提案した 『人種差別撤廃案』】(アメリカが拒否)
【第442連隊戦闘団】(アメリカ日系人部隊)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC442%E9%80% …
《アメリカ政府は、アメリカ国内の日系人社会の動向を、黄色人種に対する人種差別的感情を背景に(実際に同じく敵国であったドイツ系やイタリア系アメリカ人については、大がかりな強制収容は行われなかった)不安視していたことなどから、1942年2月以降に、アメリカ西海岸に居住していた日系人と日本人移民約12万人は、ほとんどの財産を没収された上で全米に散らばる強制収容所に強制収容された。》
WWIIで徴兵された黒人兵も、
「なんで、差別されている黒人が、人種差別と戦っている日本人との戦争に行かなければならないんだ?」
と言っています。
今では人種差別禁止法というものがあるので、公的な場や社会生活で差別を行えば、処罰されたり非難の対象になります。
しかし、個人の感情レベルでは未だに残っており、地域レベルでそれが普通であることすらあります。
【黒人は日本でどう思われている?】
http://japancool.sblo.jp/article/31968524.html
(日本で黒人がどんな風に思われてるか教えて欲しいんだよ。
アメリカに住む者なら、ここでの黒人の歴史を誰もが知ってる。
俺が、自分自身も人種差別の分け前を等しく貰っていると気付いたのは6歳の時だった。)
https://www.youtube.com/watch?v=moZUTQTHlQk
細かく説明して頂き、ありがとうございました。
上の映像がショックですね。。
人間の残酷さはつい最近まであったことなんだ、とすれば、今更このような質問をしてる私などは時代遅れなのかもしれないと感じました。
ありがとうございました。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
アメリカ何故奴隷制度が根付いたのかについてはここでは述べません。
ここではそういった奴隷がなぜ黒人だったのかについて説明します。
以前は白人も奴隷にされていました。オスマン=トルコなどヨーロッパ人の奴隷を集めて
精強な軍団を組織していたほどです。
それが奴隷と言えば黒人という有様になったのはアメリカでの黒人奴隷が一般的になってからです。
理由の一つ目は黒人がインディオよりも頑健だったことです。
インディオは旧大陸からもたらされた病原菌に対してまったく抵抗力がなく
バタバタと死んでしまいました。
二つ目の理由は黒人奴隷が安くしかも沢山仕入れることが可能だったからです。
当初は白人の奴隷もいたようですが、新大陸での需要を満たすことはできませんでした。
一方当時のアフリカでは部族闘争が盛んにおこなわれていました。
ある部族にヨーロッパ製の武器を与えてやれば、その部族は強くなり敵対部族を多数捕虜にします。
そのした捕虜は武器の代金として奴隷商人に渡されます。
それがアフリカでの部族抗争というものでしたから、
それが非人間的なことと思うものは居ません。殺されるよりマシという感覚でしょう。
三つめはローマ法王庁が異教徒は人間ではないので奴隷にして良いという見解を出したことです。
アフリカにはまだキリスト教が広まっていませんから黒人は奴隷にして良いのです。
四つ目も宗教上の理由ですが旧約聖書に次のような記述があるのです。
箱舟で有名なノアが酔っぱらって醜態を晒していたのを面白がった末の息子セムが
兄たちに告げ口したという逸話です。そのことを怒ったノアはその息子セムの子供である
カナンを呪うのです。(なぜカナンに怒りを向けたのかはわかりません)
それ以後カナンの子孫は他の民族のしもべとなることが約束されました。
このカナンの末裔が黒人なのだという説です。
ローマ法王庁の認可とこの逸話を元にヨーロッパ人は黒人を奴隷として扱うことを
正当化することができました。
なお黒人奴隷というとアメリカ南部の綿畑を連想しますが、
カリブ海諸国や中南米一円、ヨーロッパ本国にも送られています。
世界史を詳しく学んでいない者としては大変興味深く読ませて頂きました。
他の人にもありますが、「宗教」って単語は離せないキーワードですね。
いかに日本が無宗教か、痛感します。
文化として分からない世界ですが、世界的にみると宗教あっての話はごまんとある。
日本ってガラパゴスですね。。
大変勉強になりました。
ありがとう御座いました。
No.4
- 回答日時:
前に日本の奴隷貿易の話が盛り上がったが。
奴隷貿易だって経済活動の一環ですから、供給しやすいところから需要のあるところに輸出された。
それだけの話し。
労働生産性で言うと、奴隷よりも奴隷じゃないほうが生産性が高い(=働きがいがある)
戦国時代に日本で奴隷がいて、江戸時代に消えるのは、小規模自作農の方が領主にとって生産性が高いからです。
アフリカ=アメリカの奴隷の供給と需要で言えば、お安く手に入るからという事になる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%A0% …
マムルーク
イスラム圏では兵力として白人(キプチャクなどのテュルク系民族あるいはチェルケス人などのカフカス系民族であったが、モンゴル人、クルド人、アルメニア人、ギリシャ人、スラヴ人等の民族も含まれた。以上引用)が目的にかなって手に入るから、そっちが奴隷貿易の主力。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%B4%E9%9A%B7% …
日本での奴隷の話は恥ずかしながら知りませんでした。
キリシタン大名のくだり、確かに納得ですね。
思わぬところでまたしても勉強になりました!
ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
”何で黒人なんだ?”
↑
黒人の方が視覚的に、動物に近いと
考えやすいからでしょう。
当初、白人達は、黒人は人間とは異なると
思っていました。
その後、人間だが、劣った人間だ、と
考えるようになります。
”黒人は抵抗しなかったのか?”
↑
抵抗しましたよ。
また、成人式には、盾と槍でライオンを狩る
マサイなどは奴隷にされませんでした。
しかし、白人には勝てなかったのです。
武器が異なる、という他に、黒人達は
国家の態をなしていませんでした。
部族ごとに集まっているだけです。
これでは、国家として押し寄せて来た
西欧に勝てる道理がありません。
”他国の人はアメリカのその行為を何とも思わなかったのか?
他国は勿論自国国民は?”
↑
疑問に感じる人は沢山いましたが、
多数にはなり得ませんでした。
金儲けの前には沈黙するのです。
奴隷貿易で大儲けた英国は、それを資本として
産業革命を起こし、大成功した訳です。
No.6
- 回答日時:
アメリカ人はアフリカには行っていない。
その証拠、アフリカ大陸でアメリカに植民地化された地域は全くない。アメリカ人はアメリカまで奴隷を売り込みに来る商人から奴隷を買っただけです。アフリカに進出したのは、ポルトガル・オランダ・イギリス・フランス・ベルギー・ドイツ・イタリアなどのヨーロッパ諸国なのです。奴隷貿易の覇権はポルトガル→オランダ→イギリスと移り変わって行きましたが、アメリカはお客さんの立場で奴隷商人のお得意先だったのです。
私達日本人から見れば黒人は皆同じに見えて区別できませんが、実際は細かく部族に分かれていて、言語・文化・生業は異なっています。黒人同士の部族抗争で捕虜にされた側が戦利品として捕虜にした側の黒人から奴隷商人に売り飛ばされたのです。
聖書 「男女の奴隷が周辺の国々から得たものである場合、あなたはそれを奴隷として買うことができる。(中略)財産として受け継がせ、永久に奴隷として働かせることも出来る」(レビ記・25・44~46)
元々キリスト教は奴隷を正当化する教義を持っている宗教です。アメリカ人もイギリス人も聖書の忠実であっただけの話です。
聖書がキーワードとして何人かの方もお答え下さりましたが、無宗教文化の日本人としてはやはり理解できない話ですね・・
そもそも奴隷を容認するのが聖書だなんて、私の感覚で行くとまったくもってあり得ない気がしますが、これも文化の違いってヤツなのかなあ。。と。
文化が違うから諍いや争い事が絶えないのだろうし。。
丁寧な回答ありがとうございました。
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