…友がみな われよりえらく 見ゆる日よ 花を買ひ来て 妻といたしむ…
これは良く知られた石川啄木の短歌です。.
皆さまにも、かつてこれに似た思いをしたことがおありでしょうか…..
今日8月30日は、かつて、このわたしがとても誇りに思って頑張っていた仕事から離れた日。
31日の退職日を前に、ユニフォームやIDカードなどを返納した、その瞬間から背中の翼が消
えてしまった。同僚のみんなは何事もなく元気で搭乗勤務に勤しんでいるというのに、このわた
しは体力的に潰えてしまった、その時ふとこの短歌を思い出したものでした。
No.10ベストアンサー
- 回答日時:
ご質問に、父を想い出しました。
父の場合は定年退職でしたけど、父の同期が再雇用契約で勤続する姿を尻目に、40年近い現役生活にピリオドを打つことは、仕事人間だった父に、思いがけない喪失感を与えたようです。
父は、自宅の書斎で、お気に入りの座椅子でくつろぎながら、窓越しの景色を眺めるのが日課でした。
しかし、仕事を辞めてからの父は、自身の定位置を、書斎の窓際から中央へと移しました。
父は、近隣住民達から、自身が失業中であると悟られることを恥じ、極力、人目を避けようとしていたのです。
私は、そうした父の挙動を不自然に思いました。
「高度成長期の恩恵をさんざん受けてきた世代が、還暦を迎えてまで、未練がましくキャリアにしがみつき、若年層の未来を阻むような真似はすべきではない」というのが父の信念であり、父は自らの意思で、後輩に道を譲ったと、私は母から伝え聞いていたからです。
「『還暦』とはよく言い表されたもので、人間、50歳を過ぎれば、体力も視力も聴力も、次第に自分の思い通りにいかなくなり、若い世代と肩を並べて働くことに無理が生じ始める現実を、まず自分が素直に認めなくてはならない」
「『生涯、現役』という言葉は、表面的には美談に思えるが、そういう言葉にすがって、会社にしぶとく居座りたがる人間に限って、それなりの仕事ぶりに甘んじており、自分の目には、本気で働いているようには映らない」
「逆に、『こんな会社、時機が来れば、さっさと退職してやる』『仕事が楽しいわけないじゃん、給料は我慢賃だよ』などと夢のないことを語ってみせる人間ほど、言葉とは裏腹に、自分の仕事ぶりを妥協せず、どんな任務に対しても手を抜くことなく全力投球する傾向が強く、そういうマジメ人間に限って、心身に支障を来す時期は早く、志半ばで中途退職せざるを得ないケースが珍しくない」
口癖のように、父は語っていたものです。
私自身も、いくつかの職場を転々とする中で、父に同感する部分もありましたし、定年間際の上司には、父と同じ意見を持つ人も何名かいました。
そんな父が、勤務先の再雇用の斡旋を断り、定年退職の道を選んだことは、私には、意外な事件ではありませんでした。
しかし、勤務先と自宅との往復が生活の基盤だった父にとって、そうした「張り」を失うことに対しては、自身のポリシーを貫いた決断とはいえ、色々と、思うところがあったようです。
父の勤務先は、定年後の再雇用者の人選にあたって、社内健診結果を審査に利用しており、入社当初、ストレスから潰瘍を患って以降、健診の都度、産業医から精密検査を要請され続けた父は、審査の際、会社からあまり好評価を得られず、そうした出来事も、父の自尊心を秘かに傷つけたようです。
そんな折、今度は私自身が、定年まで務め上げることを目標にしていた仕事を続けられなくなりました。
私自身も失望感におそわれましたが、私に期待を寄せていたらしい父もまた、絶望を隠せなかったようで、私の次の就職先の問題を巡って、父との衝突が増えました。
ここに記した父の退職に係る心情は、私との口論の末、父が吐露した内容です。
私は父に言いました。
「お父さんが、一流と呼ばれる企業の第一線で働き続ける仕事仲間に対し、劣等感や置き去りにされた感を否めないのは、他でもない自分自身が、『一流企業の第一線で働く自分は偉かった』と思い上がり、そういうものさしで他人を判別する深層心理に動かされているからだ。自分自身が精一杯生き抜いた上での結果なら、就職していようがしていまいが、選んだ企業が三流と評されようが一流と評されようが、世間的には無名だろうが有名だろうが、そういった他人からのランク付けは、一切、気にならないはずだ」と。
父は無言でした。
世間的には一流と評される有名企業では習得できなかったことを、三流と評される無名企業で習得できた娘の姿を目の当たりにすることで、ようやく安堵したのか、最近の父は、現在の就職先を選んだ私の選択に関し、小言を言うことがなくなりました。
また、母に任せ切りだった家事や町内の行事を徐々にこなせるようになり、半主夫生活を楽しんでもいるようです。
色んな意味で、質問者様に、父の姿が重なりました。
私の友人に、グランドスタッフがいますが、キャビンアテンダントとは比べものにならない待遇で、日々の激務をこなしています。
質問者様が一度は手にした翼を、一度たりとも手にできなくとも、天上の輝きに劣らぬ輝きを地上で放つ人は、世の中に大勢います。
偉くもない私が偉そうな発言を申し訳ありません。
質問者様ご自身が信じ選び取った道を突き進んで下さい。陰ながら応援しています。
ご回答有難うございます。
こちらアンケートカテなどでは、とても得られるとは思いもつかなかったほどの、ずしりと重みのあるご回答でした。簡潔で読みやすい文章とともに、拝読して大変考えさせられ、そしてまた強い感動も覚えました。
お父様は、それまでこよなく愛しておいでだった窓際の座椅子を、ご退職になってからは、お部屋の真ん中へとお移しになった……。
ご自身の信念でもって、時来たりと自らを第一線からお退けになり、後進に道をお譲りになった。なんて潔いご英断なんでしょう。それでもなお、ご自身が職を失い、浪々の身であることとして恥ずかしくお感じになった。
ええ、分りますよ…と軽々に言えない深いものをそこに感じます。ですが、それだけになお、わたしもまた、InTheLife様がお父様にお話しになった「お父さんが、一流と呼ばれる企業の第一線で働き続ける仕事仲間に対し、劣等感や置き去りにされた感を否めないのは、他でもない自分自身が、『一流企業の第一線で働く自分は偉かった』と思い上がり、そういうものさしで他人を判別する深層心理に動かされているからだ…」というお言葉にうなづけるものを感じます。
「自分自身が精一杯生き抜いた上での結果なら、就職していようがしていまいが、選んだ企業が三流と評されようが一流と評されようが、世間的には無名だろうが有名だろうが、そういった他人からのランク付けは、一切、気にならないはずだ」…、う~ん、たしかにそうなんですよね。言い得て妙、ズバリと言い表していらっしゃると思います。
でも、それだけでしょうか。わたしには、あるいはもっと卑近といっていいほどの気持ちがそこに作用しているようにも思えるのですが。世間というものは大変に世俗的で程度の低いもの。どんなに高邁な精神からわが身を処したとはいえ、世間の何人がその崇高さを理解できることでしょうか。
世間の野次馬たちにとっては、本人の信念も崇高な精神も何も関係ない。ただ、…あそこんちのご主人、仕事がなくて、だから毎日ただブラブラしているみたいよ…で片づけられてしまう、いえ、片づけられてしまうかもしれない。
わたしは、お父様のお立場を考える時、お父様にとっては、…第一線で働き続ける仕事仲間たちに対して感じてしまう劣等感や、あるいは置き去りにされた寂寥感…よりも、下世話な連中の…あそこんちのご主人、仕事がなくて、だから毎日…といった無責任な噂のほうが何倍も恐ろしく感じられたのではないかと想像するのです。
赤の他人の噂なんて、ただ無視すればいいだけのこと。本人が莞爾と微笑んでいればそれですんでしまうこと、とは言いながら、実は、長いキャリアの中で覚えた自尊心にとっては、たかがこんな馬鹿げた噂が、たかがそんな程度だからこそ、余計に煩わしく思われてしまう、そういうことではないかと、ふと考えてしまったのです。
でも、幸いに、お父様は、家事に手を出し、町内の行事にも参加され、新しい生き甲斐ををご自身でお見つけになった、本当に良かったと思います。なんだか、偉そうなことを言ってしまって失礼に当たらないかとちょっぴり心配しています。自分の感想をうまく表現できませず、申し訳ございません。
わたしのことにつきましても、暖かいお心が嬉しうございます。幸い、そののち、まったく違った分野で新しく、意外な自分のタレントを発見するに至りまして、それ以来、自信に満ちた毎日を過ごしてまいりました。ちょっと大回りはしたものの、それもまた良い経験だったな…と、今は思えるようになりました。嬉しい応援を賜りまして、これからも精進してまいります、本当に有難うございます。
No.13
- 回答日時:
Nannetteさん、こんにちは。
下馬評では仲間内で私が一番先に結婚するはずだったのに・・・結局ブービーでした。。。しかも結婚したのが今のヨメなんて口が裂けても言えません(笑)
…砂山の 砂に腹ばい 初恋の 痛みを遠く 思い出ずる日…
こんにちは~、ご回答有難うございます。
>下馬評では仲間内で私が一番先に結婚するはずだったのに…結局ブービーでした。。。
わたしもそうですよ。現に、学生時代からずっと、自他ともに本命だと思っていた方があったんです。その方は元々兄がわたしに紹介してくれた、同じ医大の医学生さんだったのだし、その方に愛されていた実感もあったのだし、お家柄にも不足はないし、その方のご両親にもとても気に入られていたのです。ですから、誰が見てももう間違いない…と。
でも、運命って不思議、先のことなんて誰にも分からない。わたしが結婚したのは30を幾つか過ぎた頃のことで、仲良しグループの中で一番最後だったんです。しかも、わたしの主人はその方ではなかった…。いいんですよ、結婚の時期なんて。
ただね、…しかも結婚したのが今のヨメなんて口が裂けても言えません…とはどういう意味なんでしょう。今のヨメ…、れっきとした奥様でいらっしゃるなら、たとえ、どんな理由があるにせよ、こんなひどいことをおっしゃるものではありません。妻というものは、結局はいつも夫の大きな愛に包まれ支えられて生きているものです。その意味ではとても可愛い存在であるはずです。お願いですから、奥様には誠実であっていてくださいね。
…砂山の 砂に腹ばい 初恋の 痛みを遠く 思い出ずる日…(啄木)
函館の大森浜に腹這い、遠い昔の妻節子との初恋のときを思い出して歌った歌ということです。遠い昔と言っても、函館時代の啄木はまだ26歳、後に妻となった節子との初恋は14歳の頃でした。啄木はこの大森浜がことにお気に入りだったようで、このほかにも浜辺の砂を詠った作品は幾つもあります。砂山の砂に腹ばいになっていたら、砂の中から真っ赤に錆びたピストルを見つけた…。この穏やかならざる歌などは、のちに石原裕次郎さんがジャックナイフに置き換えて歌っています。
No.12
- 回答日時:
私も結婚後、子供ができたときに、仕事を続けたかったですけど、ドクターストップと、母からの猛反対が入って退職しました。
悔しかったですけどね。で、まぁ、専業主婦ですが、周りの専業主婦仲間は、キルトグループのリーダーになったり、PTAの役員さんになったり、教会で、催し物の企画をしたり、忙しかったです。私は、家でのんびりでした。
それで、パーティで、”お仕事は?”と英語で聞かれたら、専業主婦、といわないで、涼しい顔で、”I am retired.”といって胸を張っていれば、それで済みます。
”私は、忙しく働いてきたけれど、経済的にゆとりもできたし、仕事を続けていては、なかなか始められなかった趣味ももてたし、今、とっても充実しているの。”ですね。実際は、そうでなくても、そういうふうに言っているうちに、なぜだか知りませんが、そうなってきます。
もうすぐ六十歳の大台に乗る私としては、ナネットさん、四十歳を過ぎたばかりなら、これから二十年間の間に:
体を鍛えるための運動
語学
そしてなりより、今のうちに長いフライトが必要になる、海外旅行を、なさっておいたらどうかなぁ、と思います。
回答をどうしようか、迷いましたが、ずっと気になっていたので、書いてしまおう、と決心しました。もしぜ~んぜん、見当違いでしたら、お忘れください。大変なおせっかいですものね。
ご回答有難うございます。
これまでのご回答者様にもお書きしたことですが、女性にとっては、どんなに社会で活躍したくても、とかく家事や育児のことと両立できない、そうした社会構造や通念に悔しい思いを覚えている女性はとても多いことだろうと思います。これは自身ではどうすることもできないだけに、なおさら悔しい思いをなさっていることでしょう。
>それで、パーティで、”お仕事は?”と英語で聞かれたら、専業主婦、といわないで、涼しい顔で、”I am retired.”といって胸を張っていれば、それで済みます。
“I am retired”… なるほどねぇ。日本人の日本語的なイメージではともすれば直截的な気もしますが、確かにそうですものね。
主婦…、ある外国の新聞社が主催したパーティで考えさせられたことがありました。美しく着飾った大勢の奥様方、皆様それなりのレベルのご家系の様子。そういった世界では、若い頃には社会の最前線で活躍した方もいらっしゃるけれど、お屋敷の深窓を後にして社会に出た経験が全然ない方も少なくない。つまり retired といった感覚もなければ主婦といった感覚もない。その時には、わたしはまだ現役でしたが、こうした方々に、日本で言う主婦、ましてや専業の主婦という立場をどう説明したらいいのか、とても迷ったことでした。
…わたしはこれまで忙しく働いてきました。経済的な理由もあったけれど、一番の目的は、やはり社会に身を置いて、人から高く評価され、信用され、なによりも喜ばれ感謝されながら生きて見たかったからです。今では、経済的にゆとりもできたことですし、仕事を続けていては持ち得ない趣味も楽しんでいます…。これまで何度か、これに近いことを言ってきた気がしますが、これからもこんなことを言いましょうかねぇ。
運動・語学・旅… おっしゃる通りです。まず運動…、週2回のバドミントンは、それだけでもわたしの健康の基礎になっているように感じます。そのためには、やはり日頃から歩くことも大切、なんとか筋力と柔軟さをぎりぎり状態ながら維持しています。
語学…、搭乗勤務、そして転職後は海外広報や海外イベントの推進と調整、あの頃いったい、このわたしは何をどのように話していたのだろう…と、今は不思議に思うことがあります。外地のホテルで朝早くモーニングコールのベルが鳴る。サンクュー、メルシー、ダンケ、ダンクウー、自然にそうした言葉が口から出ていた。あの語学力は今、どこに行ってしまったのでしょう。おっしゃる通り、語学力は随時の充電がかかせませんね。
旅…、その昔ならあの狭いエコノミークラスのシートでもなんの痛痒も感じなかった。それがいつしか、せめてビジネスクラスでなくては辛いと贅沢になってしまったわたし。現役時代にはそれでも結構あちこちまで飛び回ったけれど、最近では、ただ不動産の管理のために精々パリまで行ったり来たりが関の山。大先輩にはお恥ずかしいことですが、やっぱり、体力と、そして興味や意欲が減退した自分に寂しいものを感じます。
>回答をどうしようか、迷いましたが、ずっと気になっていたので、書いてしまおう、と決心しました。
何分にも跳ねっ返りのわたしのこと、お恥ずかしいかぎりですが、いろいろご心配を賜りましてとても嬉しく存じます。どうか、これから先も、お気づきのことがございましたなら、忌憚なく、厳しくご指摘を頂戴したく、なにとぞよろしくお願いいたします。有難うございました。
No.11
- 回答日時:
【友人・知人の様々な活躍の噂を聞くたびに、志を得ない自分の境遇を悲しく思い…、そして花を買ってきて妻と親しみ、淋しさを紛らわす。
】幸いなことに…
このような心境にはなりませんでした。
志こそ無かったものの、人生における重要なポイントにおいては、すべて自分自身で判断し、行動することができたので、悔いのない素晴らしい人生を歩くことができています。
淋しさや、悲しさとは無縁の世界を生きています。
出会いに恵まれた素敵な人生です。
私のまわりにいる方々に、感謝の気持ちでいっぱいです。
【花は咲いても散ってしまう。
そんな世の中にずっと同じ姿で存在し続けるものなんてありえない。
「人生」という険しい山道を今日もまた1つ越えて
はかない夢は見たくないものだ、酔いもせずに。】
という、「いろはうた」のほうが好きです。
ご回答有難うございます。
>幸いなことに…このような心境にはなりませんでした。
>淋しさや、悲しさとは無縁の世界を生きています。
>出会いに恵まれた素敵な人生です。
>志こそ無かったものの、人生における重要なポイントにおいては、すべて自分自身で判断し、行動することができたので、悔いのない素晴らしい人生を歩くことができています。
『色は匂へど散りぬるを 我が世誰そ常ならむ 有為の奥山今日越えて 浅き夢見し酔ひもせず ...』の心を淡々と受け入れ愛して生きる百様、なんて素晴らしい人生なんでしょう。自身を信じ、その時その場を大切なものと考え、すべてに感謝の気持ちを抱く…、これまで親しくして頂いて来た百様へのイメージが、今日また確信となりました。
No.9
- 回答日時:
お礼ありがとうございます。
いや、すみません。てっきりCAとして世界の空を駆けてのち、ファーストクラスのお客様に見初められての寿退社を想像してしまいました。
とはいえ、華麗なる人生には多少の蹉跌はつきもの。
歩めばまたこの道も楽しです。
私は、建築家をめざし自分以上の才能に恵まれた隈研吾とか安藤忠雄とか多くの建築家に出会い
わが身との格差を知りました。
彼らはまさにミューズに身を捧げそれを苦にしていません。
私はそこまで建築が好きかといわれると、いやほかにも好きなものがあると答えてしまう。
ファッションも、酒も、ジャズも、インテリアも家具もテーブルウエアとかも小説も書きたい。
結果、都市開発の企画、それも商業施設のコンセプトからリーシングや、エリアの不動産価値を
ITで高めるコンサルティングなど「自分にしかできない仕事」をさせていただきました。
ひとをうらやむNannette さんは最も「らしくない」Nannette さんだと思います。
などとまた失礼なことを書いてしまいました。お許しください。
とても熱心にご回答をお寄せくださって嬉しいです。
建築家といえば、安藤忠雄先生、黒川紀章先生と奥様の若尾文子様、黒川雅之先生と奥様の加藤タキ様、お会いしたことがありますけれど、先生方、皆さま多彩。音楽に詳しく、絵心があり、文筆も達者、お洒落で粋で、美味しいものが大好きで、面白いものも大好きで、そしてなによりも遊ぶことが大好き。そういう点ではexhibitionist様と一脈通じるところがありそうですね。
人を羨むNannette …。最初の仕事は結局行き詰まって挫折。でも、その次に得た職場では、わたしはあまりにも無知蒙昧過ぎたようでした。叱られ怒鳴られて、これまた悔しかった。でも、わたしにはもうこの仕事しか残されていなかった。ここでまた挫折することは自尊心が許せなかった。だから遮二無二頑張ったんです。
人は仕事に対して向きと不向きがあります。仕事に向いている人は与えられたタスクを難なくこなしてしまう。それがとても羨ましかった。でも、羨む…ことは、努力の原点でありエネルギーでもあった。人を羨み続け、見習い、真似をして、わたしはこの新しい仕事に経験を積んだのだと思っています。
寿退社をして新婚気分がまだ冷めない頃、ある見知らぬ企業からお呼びがかかったのです。聞けば、前の会社の上司の推薦があったからだとのこと。十分期待に沿えるスキルを持った人だと…。そこではじめて、わたしは自分が得てきたものの豊富さと、その原動力となった人を羨むことの大切さを知ったのです。挫折し、悔しがり、落ち込み、人を羨む…、人生、大切なことかもしれませんね。
No.8
- 回答日時:
子供の頃からずっとあります。
家族に馬鹿扱いされていて、馬鹿は死んでも直らない
ならばせめて知識だけでも と本を読み漁りました。
まあ、元から本の虫なのだが。
だからって家族の方が頭が良いのは変わらないが。
22,3歳頃から建築関係の職人をやり始め、数度転職して30過ぎた頃
しつこいセクハラに会い、頑強に「他でやれ」と言い続けていたら
ムカつかれたのかパワハラに移行され、馬鹿だ屑だと罵詈雑言の嵐。
20歳で家族から離れて罵倒から遠ざかれたのに、またこんなん。
馬鹿で屑だから当然自分以外は真人間に見える。
罵倒に耐えかねたのもあるが、人間の屑だから と退職し
ボーッとしていたら、取引先に呼ばれて入社し罵倒されずに働いている。
オファーがあったという事は、それなりにデキる奴になったのだろうか。
しかし、40歳になってふと思うのは
最初の会社で私に一から教えてくれた師匠も当時40歳だった。
あの時の師匠に自分は到底及ばない、しょうもない奴だなあ と。
友がみな われよりえらく 見ゆる日よ おのが向上の糧と 思うしかない
ご回答有難うございます。
ご幼少の頃からなぜか、いわれのない劣等感に支配され続けておいでになったこれまでの人生、読み始めた最初の部分ではわたしも暗い気持ちに襲われました。
でも、そうではなかった。…40歳になってふと思うのは、最初の会社で私に一から教えてくれた師匠も当時40歳だった。あの時の師匠に自分は到底及ばない、しょうもない奴だなあ~と…のこの一文、とても感動しました。
…取引先に呼ばれて入社し罵倒されずに働いている。オファーがあったという事は、それなりにデキる奴になったのだろうか…、そうですよ、もちろんそうですとも。辛くても、苦しくても、それでもここまで生きて頑張っておいでになったのです。今では、辛さも、苦しさも、かつての罵倒さえも、すべてがdoorakanai様にとってプラスに働いていたのだと思います。
ご作品、…友がみな われよりえらく 見ゆる日よ おのが向上の糧と 思うしかない…、すばらしいです。そうですよ、男性なんですもの、そう来なくっちゃ♪
No.7
- 回答日時:
見も蓋もない回答ですが、友は私より偉いものです。
私以上の馬鹿は話しになりません(笑)挫折を表した歌ですね。啄木はこうした歌が多い。暗い!しかし私は「いたしむ」のほうがしっくりきます。癒しを求めてはいるものの、心の痛みは抱えたまま・・
仕事に誇りを持って頑張ってきました。今も挫折感は味わっています。
ご回答有難うございます。
挫折の苦しみは、挫折してみなくては分からない…。啄木といえば彼の歌集「一握の砂」、この中に収められた短歌はすべて暗く悲しいものばかりです。彼自身にもなにかの理由があったのでしょうか、あまりにもさびしい彼の人生がそこに描かれています。
挫折は苦しいもの、…友は私より偉いものです…とお書きのoran2012様、どのようなことがあったのかは分かりませんが、これまではお仕事に誇りを持って頑張っておいでになった。なのに、ただ今は挫折感を味わっていらっしゃる身。友達はみんな自分よりも…と思えてしまうのも無理ありません。
でも、いつかは挫折感から抜け出せる日がやって来ますって。その日まではとにかくご自身を大切になさってくださいませ。そして、どうかその日がもう間近でありますように…。
No.6
- 回答日時:
今晩は、、、
僕は、6年前に成りますが、プラスチックの板を作っていました。
シート工場と言いまして、 内容はどうでも良いのですが、、、
リーマンショックの前に原油高により利益が出ないから工場を閉鎖します。
いきなり、シート工場の人を集めて話が有りました。 19年この仕事で食っていましたので、ショックでした。
実際は、古い機械ですので、固定費は、掛からないので、儲かっていたのですが、役員が工場を新しくしたかったのかな?
そんな感じでした。で、僕は、関西ですが、関東の一か所に集中で工場を新築し新しい機会も入れたのですが、今も利益が
出てません。
僕たちの、その関西の工場は利益が出ていたにもかかわらず締めてしまったのです。
その後、同じ敷地の射出工場に席が移り休日出勤とかしていたら、そのシート工場の機械が休みに1台 また1台減って行
き、僕が休日出勤の時に最後の機械がトラックに乗る所を見たら 涙がボロボロ出て来ました。
1日、12時間の2交代勤務で働いていてしんどかったのですが、とてもさみしく思ったのを思い出します。
Nannette 様のお気持ち解ります。
しんどかったけど、結局は一生懸命でその仕事愛着が有ったのかなと思います。
もう、体が付いて行かないので、交代勤務はしてませんが、やはり、射出工場は何も感じる物が無いです。
自分の、ホコリだったのかなと思います。
また、前にCAに成りたかった、、、お聞きしましたが、実現していたのですね。
誇りに思って下さい。
僕は、ただの工場の仕事でしたが前の仕事、辞める人多かったんです。バブルの頃1か月で30人位が入社して1か月も持た
ない厳しい所でした。 でも、続けて良かったと思います。
関東には行けませんでしたが、利益の出ない新工場より素晴らしい工場であったなと、その時の仲間とはよく話します。
暑い工場でしたが、張り合いが有りました。
長文、並びに私事ばかりですいません。
ご回答有難うございます。
>僕たちの、その関西の工場は利益が出ていたにもかかわらず締めてしまったのです。その後、同じ敷地の射出工場に席が移り休日出勤とかしていたら、そのシート工場の機械が休みに1台、また1台減って行き、僕が休日出勤の時に最後の機械がトラックに乗る所を見たら涙がボロボロ出て来ました。1日、12時間の2交代勤務で働いていてしんどかったのですが、とてもさみしく思ったのを思い出します…。
ああ、なんて悲しいお話しなんでしょう。わたしも地上のお勤めに変わって、メーカー系の会社だったものですから、月に何度も新幹線やマイカーで幾つかの工場やたくさんの協力会社を訪ねたものでした。
そうした会社の中にはeos-1様が描写されたような企業もありました。樹脂のシート成形、19年ものキャリアがあれば、これはもう会社にとって貴重な財産のような存在。樹脂の成型のお仕事は手慣れた技術や勘を要するものですし、しかもとかく暑い環境などと過酷な職場、それだけに、逆にお仕事への自信と、そして誇りをもお持ちだったことでしょう。最後の機械がトラックに乗る所を見たら涙がボロボロ…、それはもう当然のことですよ。ご自分の自信と誇りが一緒に消えて行ったような気がなさったことてしょう。
人には、ことに男性の方々には、人生のどこがで、とかくこうした自尊心を傷つけられるような事件が待ち受けているもののように思います。そして、男の方は、それでも雄々しくその壁をよじ登ってその向こう側へと立ち向かうもののようです。…利益の出ない新工場より素晴らしい工場であった、暑い工場だったけれど張り合いがあった。厳しい職場だったけれどでも、長年続けて良かった…。このお言葉こそ、今にして、ご自身の背筋を伸ばす、大切な勲章だと思います。この勲章を終生大切になさいますように。
いいお話を有難うございました。
No.5
- 回答日時:
>皆さまにも、かつてこれに似た思いをしたことがおありでしょうか…..
石川啄木のこの歌は、私の座右の歌です。
まず、高校時代、ノーベル物理学賞を目指すか装苑賞を目指すか悩んでいるうちに願書締め切りがきて工学部でデザインのできる学科をねらいました。
みんながデザイン事務所に就職するなか、私はお堅い会社に就職
人が皆 デザイナーに見える日よ 画帳買ひ来て スケッチ描く exhibitionist
それでもデザインの未練は捨てきれずコンペに応募。入選はしたものの上位に及ばず。
会社の中でもデザイン部門を志望し5年ほどデザインに携わり、そのあと企画部門へ。
私の人生は終わったと思いました。
同期みな デザイナーの腕磨き 我泣きぬれて 予算の確保 exhibitionist
しかし企画部門で仕事に恵まれ仕事は極めて楽しかったです。
あとは、離婚したとき
せっかく家族を幸せにしたくて身を粉にして働いてきたのに、手痛い妻の裏切りで家族を失い、私鉄沿線住宅地の休日は周囲は家族連れ。
人が皆 我より幸せ そうなとき 餌を買ひ来て 犬とたわむる exhibitionist
拾遺
同期みな われより出世のOB会 はがきを貰いて 欠席に丸 exhibitionist
友が皆 おしどり夫婦に 見ゆる日よ 我もまけずに 妻と海外 exhibitionist
ご回答有難うございます。
exhibitionist様のご経歴は、わたしの親戚の者ととても良く似ていることに驚きました。その者に無断で詳しいことも書けませんが、彼もまたインダストリアルデザイナーを目指して某大学の工学部機械工学科へ。そして採用されたのは、その分野では良く知られた某金属製品メーカー。しかし、配属されたのは、まず工場の設計開発部、しかしそののち、本社勤務となって営業部、営業本部などとまったく分野違いの部署ばかり。それでもついに社内にインハウスのデザインルームを立ち上げ、やっと本領を発揮して、Gマークも幾つか取得。
そんな彼、あちこちの部署を回った経験は最終的なデザインという仕事に大いに役に立った…と言いながらも、やはり彼も、…人が皆 デザイナーに見える日よ 画帳買ひ来て スケッチ描く…というやりきれない感慨を後にわたしにポツリと漏らしたことがありましたっけ。
お書き込みになった短歌、すばらしいですね。身につまされます。なかでも、…同期みな われより出世のOB会 はがきを貰いて 欠席に丸…、これにはジーンときました。分かりますよ、そのお気持ち。
No.4
- 回答日時:
私は、逆に今までは、あまり合わなくて自分の意思で退職した経験しかないので、せいせいした気分でしたね。
とは言え、いざ専業主婦になってみると、目的意識のない生活は空虚で。家事とスポーツクラブ通いの毎日には退屈して、かといって子供が欲しいわけでもなく。。私は、旦那さんの地位や子供の学歴を自慢する事でしか自分のアイデンティティを確立できない親戚の叔母さんのようにだけはなりたくなくて、勉強しなおして元々夢だった現在の仕事(翻訳)に就きました。今の仕事は大好きだから、いつか辞める時は、きっとご質問文のような気分になると思います。
ご回答有難うございます。
わたしも、つい最近、いよいよ通勤というものから卒業した身、多少の仕事は抱えているものの、表向き専業主婦という立場の希薄なことに驚いています。
いい例が社交の場、お仕事はどのような分野で…などと聞かれると困るんです。…いいえ、只今は文字通りの専業主婦でございます…と、なんだか申し訳なさそうな言い方になってしまうし、英語だとなお困ってしまう。
主人が社長だろうがなんだろうが、わたしはわたし。今も、これまでの経験と知識を乞われて、多少の仕事をさせて貰えているのも、社会に参加する喜びもあるけれど、やっぱり専業主婦という希薄な存在感からの逃避だと思うんですよね。haiji1996様には肌で身につけられた語学力がお有りなんですから、いつまでもお仕事頑張って下さいね。
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