No.9ベストアンサー
- 回答日時:
まず、天秤は少しでも重い方が途中で平衡にならず下がりきる、というのは間違いです。
傾いたまま止まります。天秤棒が完全な剛体で、太さを持たない直線であるならば、確かに少しでも重い方が下がり切りますが、そういう天秤は、左右の重さが等しくても水平にはなりません。
計算してみましょう。
仮に、天秤の支点から、重りをぶら下げる力点までの長さが1mとして、左右にそれぞれ質量1Kgの重りを下げるとします。
この天秤棒が、斜め30度で右下がりになっていたとします。
左の重りによる回転モーメントは、1×cos60°≒0.87Kgf・m です。そして右回りのモーメントも同じく、0.87Kgf・mで、左右等しいので天秤は30度傾いたまま静止します。傾きは何度でも同じことです。
つまり、こういう構造の天秤は、重さが等しければ、任意の傾きのまま停止するので秤量には使えません。要するに、天秤はそんな構造はしていないという事です。
天秤というのは、そうではなく、重心が支点よりも下になっているというか、要するに、ヘの字になっていて、重りを吊り下げる左右の部分が天秤を支える支点よりも下がっています。
天秤棒がまっすぐな棒でも、天秤を吊り下げる金具は天秤棒の上へ、重りを乗せる皿を吊り下げる金具は天秤棒の下についていて、棒に太さがあるから、この部分はやはりヘの字なわけです。
仮に、支点の部分の角度が150度だったとすると、左右の天秤棒は15度ずつ傾いた状態で水平です。
ここで、左の天秤棒が15度上がって水平になり、右の天秤棒は30度右下がりになった状態を考えます。
左右に1Kgの重りを下げた場合、左は回転軸に垂直に力が加わるのでモーメントは1kgf・mです。
右回りのモーメントはさっきの通り、0.87Kgf・mになって、左回りのモーメントが大きいので、この天秤は左が下がり、水平になったところで均衡します。
ここでは左に1Kgの重りを下げるから、モーメントが1Kgf・mになるわけですが、重りが0.87Kgであれば、モーメントが等しくなり、天秤はこの状態のまま静止します。
このとき、天秤は実際には15度傾いているわけですが、これを15度傾いた机に載せる事によって、水平と誤認させれば、1Kgの商品を0.87Kgと誤認させ、約13%商品をごまかす事ができます。
実際には机が15度も傾いていれば、すぐに分かるでしょうから、傾斜はもう少し緩やかで、ごまかしの比率も小さいのだろうとは思いますが、
この話は要するにそういう事を書いているわけです。
具体例でお示し頂きありがとうございます。
結局、天秤の左右の重さが異なるという事ですか。分銅も重さが異なる。単に左右の重さが机の傾きによる一定比率で釣り合う。
対称的な天秤だったとすれば、釣り合った(皿や)分銅を左右交換して確かめたらバレませんか。
No.6
- 回答日時:
「国語」のカテゴリーの質問も確認しました。
ただし、原作は読んでいません。まずは、このカテゴリーでのご質問内容について。
(a)天秤は少しでも重い方が途中で平衡にならず下がりきりますか。
(b)目盛りは何のためですか。
(c)理科の上皿天秤には端に調節ネジがありましたよね。
(d)傾いたまま止まりますか。
(e)トリックのご提案がありましたらお願いします。
私の回答:
(a)重い方が下がりきります。途中で、平衡状態となって止まることはありません。(摩擦がある場合は止まることもあるが、止まる位置の再現性はない)
(b)目盛の中央は、天秤を水平に設置した場合、両方の皿が水平に釣り合ったことを示します。また、中央で釣り合う前に揺れているとき、左右に同じ幅で揺れていることを確認することも目盛の目的の一つでしょう。
(c)あまり記憶は定かではありませんが、天秤が何らかの誤差で釣り合わないとき、ねじの重りを多少動かして(回転させることで前後する)、釣り合いの微調整をするものと思います。
(d)上の(a)に書いたように、釣り合いがとれていなければ重い方が下がりきりますので、傾いたまま途中で止まることはないと思います。
ただし、天秤を傾斜した場所に設置した場合には、両方の皿が「水平」位置で釣り合いますので、天秤の目盛上は傾いた状態で(中央ではない位置で)止まることになります。
(e)トリック・・・。少し考えてみましょう。ここでは、摩擦などの働き方によっては偶然そうなる、という再現性のない状態は除外します。
ここで、問題文と通常の想定される状況から考えると、満たすべき条件は下記と考えられます。
(1)両皿に何も載せない状態で、釣り合いをとる。(事前の天秤のバランス確認。水平面上か、斜面上かは問わない)
(2)斜面上の天秤で、被計量物とおもりで、釣り合いをとって計量する。
(3)天秤の斜面に対する向きを逆にしても、両皿に何も載せない状態で、(1)と同じ目盛位置で釣り合う。
(4)上記の全ての場合で、「釣り合いの確認はこまめに」、すなわち左右の揺れを何度か起こし、左右に均等に揺れることで「摩擦」の影響がないことを確認する。
天秤がごく普通の「重力によって天秤の両方の皿が同じ重さの場合に釣り合うタイプ」の場合には、天秤を傾斜した面に左右の皿を傾斜の方向に設置し、その左右を逆にしても同じ位置で釣り合う、という状態を決定論的に作り出す方法は思いつきません。((1)と(3)を両立させることは難しそう)
傾斜した面に設置して、「中央位置」で釣り合う状態を作り出すには、重力による天秤ではなく、両方から「ばね」のようなもので平衡状態を作り出す仕組みが必要です。
そうすれば、「うで」と「カラの皿」、さらには「被測定物とおもり」と重力による回転モーメントと、ばねとの組み合わせで、いろいろな動作をさせることができ、「水平に設置した場合」と「斜面に設置した場合」の異なった動作も可能です。
この場合、左右のばねを同じにすれば、水平面では常に釣り合った状態で中央に静止しますが、斜めに設置した場合、両皿を水平にしようとする重力の力と、皿を天秤の「中央位置」に戻そうとするばねの力の釣り合ったところで静止すると思います。これは、斜面の傾きと、ばねの強さからあらかじめ予測できます。これを見かけ上「中央位置」にするには、左右の皿に異なった重さのものを載せる必要があり、「釣り合った」と見せて、実は左右に異なった重さを載せている、という状態を作り出せます。
ただし、このばね天秤を使うには、「天秤のバランスをとるときには水平面で、ごまかし計測をする場合には斜面で」という必要があり、天秤を移動できるのか、という問題があります。
また、仮に移動できたとしても、(3)が実現できません。斜面での両皿に何も載せない状態でのバランス位置は、中央ではなく、「中央と水平の間の釣り合ったところ」であり、天秤の左右を逆にすれば、中央位置からのズレの左右が変わりますので。(水平状態の(1)と、斜面での(3)の両立は難しい)
皿に比べてばねの力が非常に大きく、「天秤の左右を逆にしても、ほぼ中央位置で釣り合う」というのなら別ですが、これでは(1)のときに、(4)が成立せず、見破られます。
別なケースとして、最初から斜面で使うことを想定して、左右のばねの強さを変えたばね天秤ということも考えられます。傾いた状態で、左右にからの皿を載せると中央位置になるようにばねを設計する。これに計量物と重り載せて「中央位置」にすると、実は左右の重さは違っている。
でも、この場合は、(3)が再現できません。斜面で、最初のカラの皿で中央位置に来るようにしても、向きを逆にしたら中央位置では釣り合わないからです。
以上のように、これらの条件を、すべて満たすトリックというのが、確かにうまく思いつきません。その点で、質問者さんの疑問に全く同感です。
「不正だ」と即座に断定できる論理、種明かしをしてもらいたいものです。
この回答への補足
整理までしていただき有り難うございます。
「向きを逆にしてから」というのが分かりませんでしょ。読んでも本件の情報量は同じだと思います。しいて悪質な勘繰りをするとボツ企画をボツに出来なかった、誤魔化すためにワケわからなくした意味深無意味シャッフルかも知れません。誤魔化すのが大好きな民族ですから出版物もそうなるでしょう。
作者は引っくり返すとマジック的な効果があると自己暗示してしまったのかも知れません。
「逆にする」を無いものとして、釣り合いを確かめた際の(同じ重さの二つの)分銅を一方だけ残しそれと釣り合う胡椒を計量していけば、トリックのブラックボックスが何であれ、計量は正しく行われませんかね。で、向きを逆にしてから、を挿入したとか、即席で洞察してみました。お陰で理科の勉強になっております。
No.5
- 回答日時:
下皿天秤だとして、もし中央を点で支えた真っ直ぐな棒の両端に糸を吊るし、糸の先に皿がある天秤であれば、傾きは問題になりません。左右の重さが等しければ、どの位置でも静止することができるし、どちらかが重ければ、重い方が最も下にならないと安定して静止できません(天秤の棒は鉛直方向を向く)。
よくある下皿天秤では、棒が左右対称のへの字になっています。この場合、左右の重さが等しければ、棒はどちらにも傾かずに静止するのが安定となります。少しでも左右の重さに差があると、それに応じて重い方に傾きます。
これはへの字であるため、傾くと左右までの水平での距離が異なってしまうためです。左右の重さの違いは、あくまでも天秤の支点からの水平の距離で測られます。左右の重さが違えば、傾いて左右の水平距離が変わり、どこかで安定するわけです。。
もし、その天秤の左右の傾きを測るための針と目盛が床(に置かれたテーブル)に対して固定されるようになっていれば、床が傾いていれば針は斜めを指します。もしそこで空の天秤が静止できるようなら、その天秤は左右のバランスが違う、つまり左右の重さが異なっているときに、目盛上では左右の重さが等しいと示すことになります。
全てが床から支えられるような上皿天秤でも同様です。このため、計量では天秤全体に傾きがないことを、非常に厳密に確かめることになっています。その上で、さらに天秤で調整を施します。
この回答への補足
ありがとうございます。
真っ直ぐな棒天秤が不正防止にはいいと言えますか。
トリックの具体例をお願いします。
左右に分銅を置き、釣り合いを確認してから、計量を繰り返して、取引終了直後の見破りというドラマです。
テーブルが傾いていたとしても、片方に最初の分銅を載せたままそれを基準に計量作業したら不正になりますか。
No.4
- 回答日時:
No.2です。
左右に分銅を置いていたとなると、トリックの余地はありますね。
分銅の重さが違うというものです。
釣り合った状態で、実際は左の皿が重い。つまり、支点に近い。
このとき、左の皿に重い分銅を載せる。右には軽い分銅。うまく釣り合うように事前に重さの調整をしておけばよい。で、見かけはそっくりにして、自分だけがわかる目印をつけておく。
いずれにせよ、台の傾きは無関係ですが。
ご回答ありがとうございます。
私がいろいろな視点を提示したがために優しい回答者さんをミスリードしていたら申し訳ないことです。私に合わせる事はありません。理科は客観性を受け入れて楽しむものですからね。
揺れたわけでしてヤジロベエ的な計りであれば位置が決まりますよね、また余計なミスリードだったりして(笑)
分銅は同じであって頂きたいですね。あくまでもそれでもインチキ可能な天秤側の細工だから騙されたという。
計量前のチェック内容も左右の分銅が釣り合ったとしか記載されていないのですが分銅を入れ換えた場合もチェックするでしょう、たぶん。それをしてなければそういう不備をシマッタという小説になってきます。
なんなんでしょうね(笑)皆さんのお考えは自由にお気楽にどうぞ。
No.3
- 回答日時:
該当作品は未読ですが、いわゆる両皿の天秤でなく広く重量を量るものだとするなら目盛りで重量を読む仕掛けもできます。
https://six-jiyugaoka.stores.jp/#!/items/51c1ca4 …
回転する腕に錘が有り、通常は軸のほぼ真下にある。反対側に測定物を乗せると持ち上がりながら軸の真下から離れていき、どこかでテコの原理で釣り合う。
No.2
- 回答日時:
当該作品は読んだことはありません。
良くわからないのですが、台が傾いていようがいまいが、天秤の皿に何も載せていない状態で針がさしている方向が釣り合っているときの方向であるのが普通ではないかと思います。
釣り合っている状態で、ある距離から下向きの力を加えるが、力のかかる位置が左右等距離であり、同じ大きさの力を下向きにかけるなら、釣り合いは維持されます。
トリックを仕掛けるとしたら、天秤の重さのかかる位置について、支点からの距離を変えるというくらいではないでしょうか。
あるいは、場所によって引力が違うという特殊設定があるなら、同じ質量でも発生する下向きモーメントが場所によって異なることもありえます。あるいは、皿に磁石を仕込んどいて下から電磁石で引っ張るとか。
ありがとうございます。
国語カテゴリでしている質問にも書きましたように作者を責める意図は全くありません、むしろ応援したいくらいです。たぶん作者は理学部の物理・工学系の出身者のようなのでこの力学について当方も戸惑いました。
物語では密かに傾いていたテーブルに置かれたこの天秤を計量前に左右の皿に分銅を置いて吊り合いを確認しています。従ってご指摘のように不正な詐欺計量の証明にはなりませんよね、単純に。
舞台は、中世からルネサンス頃のヨーロッパの行商人をイメージしてもらえたらと思います。未来のSF的な設定は無しということになります。
傾いたテーブルの上で天秤の目盛りが中央を差す細工とは何でしょうか。(同じ重さの)分銅は吊り合います。
多くの読者は斜めなのに吊り合うのは天秤の一方が若干重いなど考えませんでしょうか。
No.1
- 回答日時:
たしか同作品では店の主人が天秤を置く台を水平でなく傾けた状態にして置いた筈だと思います。
そこでホロは台の上に液体を流してそれを全員の前で指摘したのです。
天秤は台が水平のとき、左右の重さが等しければ目盛りが中央を指すように出来ています。
ですので斜めの台の上で目盛りが中央を指しているということは一方が下がっているのに目盛りが中央を指しているように細工してある事を意味します。
図解出来なくて御免なさい。
たしかこの話では天秤を移動させる(左右置き替える)ことができない設定だったように記憶しています。
左右の台に乗っている品物と分銅を入れ替えるオプションもあるのですが、
それをやるのはけんか腰が必要なのでホロは一番穏やかで皮肉たっぷりな方法で不正を暴いたのです。
なお。上皿天秤の調節ねじはあくまで、何も乗せないときに目盛りが直上を示すことを担保する為にしか使いません。
理系だと、昔は「物理天秤」という代物があって、天秤を揺らしたまま測定し、目盛りが左右に振れる値を記録して左右に揺れた値(幅)を観測し、分銅の値を微調整して「真の値」を読んでいました。
もう誰も使っていないと思いますが、統計学を学ぶのには良い道具でした。
ありがとうございます。アニメですかね。知っている人はいるんですね(^^)
国語カテゴリでは既に作図を添付して頂いております。
問題はこの天秤で計るのが不正になるのかなんです。
天秤の基本を教えて頂きたいというのもあります。たとえば重さのアンバランスによって水平ではない途中の位置で天秤が吊り合いますか。それは力学的にどういう静止状態になるのか。それでの計測は可能か。
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