プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

トランス脂肪酸って、実際のところ、どのくらい体に悪いのでしょうか?
減らす努力さえしていれば良いのか、できることなら全く食べないようにした方がいいのか。

というのも、最近、スーパーで普通に売られている食パンやマフィンの原材料に「マーガリン」「ショートニング」と明記されていてビビっています。

我が家は朝食も毎日米飯なので、パンはほとんど食べないのですが、週に1~2回程度、これらの「マーガリン」「ショートニング」が入ったパンを食べる分には、全然気にしなくて良いのか、それとも、できれば控えた方がいいのか。

教えて下さい。

A 回答 (2件)

 端的に答えてしまいますと「日本型の食生活では過度に心配する必要はない」です。

週1.2度程度であれば全く問題ないといっていいと思います。

 トランス脂肪酸は、確かに心疾患のリスクを高めることが知られています。ただしそれはトランス脂肪酸以外の飽和脂肪酸等にもいえることで、単にトランス脂肪酸を排除すれば可、ということではありません。
 日本人の3倍から5倍もの脂肪を日常的に摂取する欧米では、その影響としての肥満、特に心疾患の増加に伴う医療費の増加が大きな社会問題になっていました。そこで、原因となるバターなどの飽和脂肪酸に代わり、不飽和脂肪酸であるマーガリンが奨励されるようになりました。ところが近年の研究によって、マーガリンを作る過程で生成されるトランス脂肪酸にも、他の飽和脂肪酸と同等かそれ以上のリスクがあることがわかりました。そのため、欧米ではそれまである意味フリーであったトランス脂肪酸にも規制を加えるようになったのです。

 ところが、この動きを見た日本の一部の方たちが「トランス脂肪酸は外国では使用を禁止されている」「トランス脂肪酸は食べるプラスチックだ」という誤った情報を流し、マーガリンは食べるな、マーガリン同様にトランス脂肪酸が含まれるショートニングを使ったパンを食べるな、代わりにトランスフリーのマーガリンを買え、といいはじめたのです。

 実際のところでは、トランス脂肪酸を禁止した国はありません。最も強い規制が行われているのはカリフォルニア州とニューヨーク市で、「レストランで出しては駄目」というもの。パッケージされた商品は対象外です。他の国も含めて、規制の大半は「他の脂肪酸とあわせた表示の義務化」「一定以上トランス脂肪酸を含む商品の流通制限」で、いずれも総脂肪摂取量が日本の数倍に達する国です。
 また「食べるプラスチック」というのは全くの誤訳から出たデマです。英語でのプラスチックは「可塑性の(熱を加えると形が変わる)もの」という意味で、常温では液体の不飽和脂肪酸を固めたトランス脂肪酸は「可塑性の油脂」となるのですが、これを「合成樹脂」の意味と取り違えてしまったのです。

 こういう間違いが本当の間違いだったのか、何かを目的とした故意だの情報操作だったのかはわかりません。ただ、日本ではこれが「トランス脂肪酸だけが怖い」という情報に姿を変え、一人歩きしてしまいました。その結果が「マーガリンやショートニングは食べては駄目」なのです。

 実際には、アメリカのFDA(食費医薬品局)のQ&Aでは、「マーガリンをやめてバターにするべきか」という問いに対し、明確に「NO」と答えています。トランス脂肪酸だけを避けるのではなく「総脂肪摂取量を減らせ」ということです。トランス脂肪酸だけを悪者にする意味がないことの証明です。
 日本でも食品安全委員会が科学的な評価を行いました。
 http://www.fsc.go.jp/sonota/trans_fat/trans_fat. …
 結果は「日本型食生活なら過度に心配する必要はない。欧米型の人は気をつけろ、ただし対象は総脂肪摂取量」というものです。

 ちなみに、トランスフリーマーガリンの原料の多くはパーム油脂で、これはバターと同じ飽和脂肪酸です。元々バターは身体に悪いということからマーガリンが普及した、今度はマーガリンが怖くてバターと同じ飽和脂肪酸に変える、しかも価格は高い。こんな馬鹿な話はありませんよね。
 悪徳業者を儲けさせるだけの話だと思います。

 長くなって申しわけありません。くれぐれも安全マフィアに騙されないように。
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