民事裁判で、準備書面と原告陳述書に書くべきことの使い分けが分かりません。
特にわからないのが、原告が「・・・という事実から、被告は・・・を行ったと推測される」(例えば、被告は原告の上司に昇進した後に直ちに職場で原告への嫌がらせ行為を開始したが、この事実から、被告は、原告を退職させるための嫌がらせを行うという任務を社長から与えられて、その任務を社長と話し合った上で承認して、原告の上司に昇進したのだろうと推測される」)という推測を書くのは、どちらに書くのがいいのでしょうか?
弁論主義からは、事実主張は、間接事実とそれからの推論をも含めて、必ず準備書面に書かなければならないと思いますが、そうだとすると、上記の推測も準備書面に書くべきですか?
しかし、そうすると、結局、準備書面と陳述書に書くことは、同一に帰してしまうのではないでしょうか?
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
陳述書は、いわば「証人(当事者)尋問の先取り」です。
本来ならば、証人(当事者)尋問において、証言すべきことを、先に書面に書いて提出するのが「陳述書」です。
したがって、「陳述書」には、「事実」のみを書くのが原則です。したがって、事実(主要事実のみならず間接事実も含む)を書くことはできますが、「推論」を書くのは原則ルール違反です。
>弁論主義からは、事実主張は、間接事実とそれからの推論をも含めて、必ず準備書面に書かなければならないと思いますが、そうだとすると、上記の推測も準備書面に書くべきですか?
まさにそのとおりです。
>しかし、そうすると、結局、準備書面と陳述書に書くことは、同一に帰してしまうのではないでしょうか?
確かに準備書面と陳述書の記載は重なる部分が多いと思います。不思議なことではありません。
しかし、注意しなければならないのは、陳述書は証人(当事者)尋問の先取りですから、実際に証人(当事者)尋問が実施された場合、証言と陳述書の記載が異なると、かなり裁判官の心証が悪くなります。
訴状や準備書面は、当事者の主張ですから、主張が後で変わっても、多少は許されます。しかし、証言内容がコロコロ変わるとなると、その証人自体が信用できないということになります。この点は注意が必要です。
質問文で書かれた例は、例としてはよくありません。
しかし、これを例として検討すると、
「被告は原告の上司に昇進した後に直ちに職場で原告への嫌がらせ行為を開始した」は陳述書に書きます。
「被告は原告の上司に昇進した後に直ちに職場で原告への嫌がらせ行為を開始したが、この事実から、被告は、原告を退職させるための嫌がらせを行うという任務を社長から与えられて、その任務を社長と話し合った上で承認して、原告の上司に昇進したのだろうと推測される」は準備書面に書きます。
重要なのは、なぜ、このような推測ができるのかの根拠=経験則です。これを準備書面に書いてください。
この回答への補足
ご回答ありがとうございました。
ご回答を読んで少し分かった感じがします。
事実主張だけを考えると、
「準備書面に書くこと」=「陳述書に書くこと(間接事実など)」+「間接事実などからの推測とその根拠(経験則)」
という理解でよいでしょうか?
No.5
- 回答日時:
>弁論主義は間接事実には適用されないという裁判所の立場からは、「貸し付けた日の年月日は雨の夜でした。
私は現金を持って自動車で・・・」という間接事実私の言いたいことは、まず、争点の部分だけの立証でいいと言うことと。
私の例は、間接事実ではないです。
「貸した日は雨の夜でした。」と言う立証は直接事実です。
間接事実とは、例えば、『○○さんが「貸した日は雨の夜でした。」と言っていることを聞いたことがあります。』と言うようなことです。
これは、裁判所では参考にしても、事実の認定では二の次です。
ご回答ありがとうございました。
主要事実と間接事実との違いなど、これからもいろいろ勉強しようと思います。ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
>・・・しかし、準備書面で、「平成年月日の午後、原告が昼食を済ませ社内に入ったところ、被告は、原告を退職させる目的をもって、原告の背後から近づき、いきなり胸を揉むような仕草からなる嫌がらせを行い、その後も頻繁に同様の嫌がらせ行為を行った。
」と書くと、準備書面と陳述書とはかなり似てきますね・・・。似ていますが、そのようなことは、普通、準備書面では書かないです。
被告の答弁で否定して初めて証人申請や当事者尋問申請するので、それが採用された時点で証拠調べ(証人申請や当事者尋問)に先だって「陳述書」と言うタイトルで詳細なことは記載します。
もっと簡単な例をお話しします。貸金返還訴訟です。
請求の趣旨は「被告は原告に対して100万円を支払え」との判決を求める。
請求の原因は
1、原告は被告に対し、次の約定で金銭を貸し付けた。
貸付日 --
貸付金額 --
利息 --
返済日 --
・・・
・・・
2、しかしながら、被告は弁済日に弁済しない。
3、よって、請求の趣旨記載の判決を求める。
と言うような訴状に対し、被告が「訴状、請求の原因第1項につき否認し、その余について争う」と言う答弁があった時点で、初めて、貸した時のことを陳述するわけです。
この陳述で、例えば、
「貸し付けた日の年月日は雨の夜でした。私は現金を持って自動車で・・・」
と言うようなことが「陳述書」です。
訴状の請求原因とは違うでしよう。
この回答への補足
ご回答ありがとうございました。
>「貸し付けた日の年月日は雨の夜でした。私は現金を持って自動車で・・・」
と言うようなことが「陳述書」です。<
大変分かりやすい例、ありがとうございました。
この例は分かります。
弁論主義は間接事実には適用されないという裁判所の立場からは、「貸し付けた日の年月日は雨の夜でした。私は現金を持って自動車で・・・」という間接事実は、陳述書に記載するだけでよく、準備書面には記載しないでよい、とするなら、準備書面と陳述書の記載内容は明確に異なると思います。
ただ、実際の訴訟の経験がないので分からないのですが、実際の訴訟では、間接事実でも重要な事実は準備書面に書くのではないでしょうか。
とすると、上記の「貸し付けた日の年月日は雨の夜でした。私は現金を持って自動車で・・・」も間接事実ではあるが重要な事実だとして、準備書面に書く方がよいのではないでしょうか?
とすると、陳述書と準備書面とで、記載内容はかなり似てくるのかなと思いますが・・・いかがでしょうか?
No.2
- 回答日時:
至極簡単に言いますと、準備書面では、
「被告は原告を退職させる目的をもって、胸など触り嫌がらせを続けた。」
これに対し、陳述書では、
「それは平成年月日の午後でした。昼食を済ませ社内に入ったところ、被告会社係長○○が原告の背後から近づき、いきなり胸を揉むような仕草をしました。」
これで、2つの違いが、おおよそわかりましたか ?
2つは、全然違うでしよう。
なお、一般的には推測など書かないです。
「退職させる目的をもって」と言うように断言すればいいことですから。
この回答への補足
ご回答ありがとうございました。
適切な例を書いて頂きまして、いっとき分かった感じにはなったのですが・・・しかし、よく分からない面もあります。
ご回答では、
準備書面で「被告は原告を退職させる目的をもって、胸など触り嫌がらせを続けた。」と書く。
これに対し、陳述書では、
「それは平成年月日の午後でした。昼食を済ませ社内に入ったところ、被告会社係長○○が原告の背後から近づき、いきなり胸を揉むような仕草をしました。」と書く。
という例が挙げられています。
しかし、準備書面で、「平成年月日の午後、原告が昼食を済ませ社内に入ったところ、被告は、原告を退職させる目的をもって、原告の背後から近づき、いきなり胸を揉むような仕草からなる嫌がらせを行い、その後も頻繁に同様の嫌がらせ行為を行った。」と書くと、準備書面と陳述書とはかなり似てきますね・・・。
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