
No.2
- 回答日時:
議員の不逮捕特権ですが、これはもともとはヨーロッパ(特にイギリスやフランス)の議会制度からきています。
イギリスやフランスではまだ王権が強くない頃は王が課税する場合に議会の同意を得なければならないという習慣がありました。つまり課税される側の同意を得なければ新たな課税は出来なかったのです。そして、議会は新たな税金の必要性について論議することが認められていました。こうした時、王は課税に強力に反対する議員を逮捕監禁して議会の論議を自分に有利になるようにともくろむことがあったわけです。絶対王政の時代、すなわち王権が強くなった時代、例えばフランスでルイ13世~14世のころなどは議会(三部会)そのものが開かれませんでしたが、ルイ16世の時、財政赤字のためにおよそ150年ぶりに開かれた三部会がフランス革命のきっかけとなっています。この時も王は軍隊を差し向けて議会に解散をせまっていますが、議会(を構成する議員たち)は団結してこれに抵抗しました。このような手段での議会に対する干渉には反発が強く、結局、議会開催中は議員を逮捕できないという不逮捕特権が生まれてきました。
つまり、議員の不逮捕特権とは、王(などの政府)の干渉に対する議会の独立を意味するものなのです。
蛇足ながら、議員は議会での発言に対して議会外で責任を問われることはありませんが(一例:日本国憲法第51条「両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は評決について院外で責任を問はれない」)この意味も不逮捕特権と同様に政府などの干渉に対抗するためのものです。議会が終わったあとに、その発言をもとにして逮捕されたのでは、自由な議論など望むべくもありません。
結局、議会制民主主義が成立していく過程の中で確立した権利というわけです。
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