No.1
- 回答日時:
今自宅なので、資料・六法がないので実例を調べることができませんが、
所有権移転請求権の仮登記ある物件を、私が買った(登記までやった)後にその仮登記が本登記になると、買主である私はその物件の所有権を失いますよね。
賃借権<所有権 です。
買って、「登記も備えた所有者」となった私が所有権を失うのですから、賃借人がそのまま賃借権を保有し続けられると考えるのは無理があると思いますよね。
本登記した人がOKすればもちろん借り続けることはできますが、基本的には退去しなければならないと思います。
ただ、抵当権が実行された場合、建物を使用する者は半年間その物件を引き渡さなくて良いという条文がありますので、おそらくこの規定が準用されて、6ヶ月は使い続けることができるカモしれないと思います(実態が仮登記担保の時など)。
しかし、制度が違うので必ず準用されるとは限りません。
また、抵当権制度というのは債務者が返済し続ければなんの問題もなく賃借し続けることができる制度である(原則として抵当権は実行されない)のに対して、「所有権移転請求権仮登記」は「原則的に所有権は移転するのだ!」ということを示す制度です。
したがって、「6か月規定」は準用されない可能性のほうが大きいと思います。つまりすぐ退去しなければならない可能性が高い。
その場合、引っ越し料などは一切出ませんので、仮登記が付いているような物件を賃借しないようにお勧めします。
fujic-1990様、
ご丁寧な回答を頂戴しました。誠にありがとうございました。
次にtk-kubota様から頂きましたご回答と正反対の内容となっており、わからなくなってしまいました。仮登記があるということは 、現所有者の信用が悪く、例えば現所有者が仮登記権利者からの借金の返済ができなくなった場合は仮登記権利者がいつでも所有権を移転させるぞ、という状況なのかもしれません。例えば収益不動産として建物を賃貸に出していて、通常の売買による所有権移転のケースでは賃貸借契約は次の所有者に円満に承継されます。それは当該物件が賃貸借されているということを承知の上で契約書上にも特約条項などを付けてその旨記載がある前提で売買が行われているからですが、本件のような仮登記権利者は賃貸借の有無について告知されていない場合も想定され、基本的にはリスクのある物件という理解でよいでしょうか。
No.2
- 回答日時:
何ら、影響はないです。
単に、貸主に変更があった、と考えていいです。所有権移転請求権仮登記は、順位を保全するだけで第三者に対する対抗力はないので、
仮登記が本登記になっても、本登記権利者は、従前の所有者の権利義務を承継します。
従って、賃料、期間等々従前のままです。
tk-kubota様、
ご丁寧な回答を頂戴しました。誠にありがとうございました。
先にfujic-1990様から頂きましたご回答と正反対の内容となっており、わからなくなってしまいました。仮登記があるということは 、現所有者の信用が悪く、例えば現所有者が仮登記権利者からの借金の返済ができなくなった場合は仮登記権利者がいつでも所有権を移転させるぞ、という状況なのかもしれません。例えば収益不動産として建物を賃貸に出していて、通常の売買による所有権移転のケースでは賃貸借契約は次の所有者に円満に承継されます。それは当該物件が賃貸借されているということを承知の上で契約書上にも特約条項などを付けてその旨記載がある前提で売買が行われているからですが、本件のような仮登記権利者は賃貸借の有無について告知されていない場合も想定されます。仮登記から本登記された場合でもそれでも賃借権は対抗できるのでしょうか。
No.3
- 回答日時:
所有権移転請求権仮登記がなされた「後」に、賃貸借契約に基づいて賃借人に部屋が引き渡されたということでよろしいですね。
仮登記の本登記がなされると仮登記の順位がそのまま本登記の順位になりますから、賃借人はその賃借権を新所有者に対抗することができません。従って新所有者は賃借人に対して所有権に基づき部屋の明け渡し請求をすることができ、当該賃貸借契約は賃貸人の債務の履行不能により終了することになります。なお、賃借人は賃貸人に対して損害賠償の請求をすることができます。
民法
(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
第百七十七条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
(債務不履行による損害賠償)
第四百十五条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。
借地借家法
(建物賃貸借の対抗力等)
第三十一条 建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。
2 民法第五百六十六条第一項 及び第三項 の規定は、前項の規定により効力を有する賃貸借の目的である建物が売買の目的物である場合に準用する。
3 民法第五百三十三条 の規定は、前項の場合に準用する。
不動産登記法
(仮登記に基づく本登記の順位)
第百六条 仮登記に基づいて本登記(仮登記がされた後、これと同一の不動産についてされる同一の権利についての権利に関する登記であって、当該不動産に係る登記記録に当該仮登記に基づく登記であることが記録されているものをいう。以下同じ。)をした場合は、当該本登記の順位は、当該仮登記の順位による。
buttonhole様、
ご丁寧な回答を頂戴しました。誠にありがとうございました。
先にfujic-1990様とtk-kubota様から頂きましたご回答を拝読し、わからなくなってしまいました。不動産業務に携わっている小生としまして、賃借権は強いものという認識でおりましたが、つまるところ、所有権移転請求権仮登記が本登記された場合は、あの強い賃借権であっても対抗できないということでしょうか。
No.4
- 回答日時:
これは民法第177条の問題です。
現所有者(賃貸人)をA、売買予約権者をB、賃借人をC、部屋を甲とします。事例1「AはCに甲を賃貸し、CはAから甲の引渡を受けた。その後、AとBは甲の売買予約契約を締結し、Bは所有権移転請求権仮登記を受けた。さらに後日、BをAに対して売買予約完結権を行使し、仮登記の所有権移転本登記を受けた。」
事例2「AとBは甲の売買予約契約を締結し、Bは所有権移転請求権仮登記を受けた。その後、AはCに甲を賃貸し、CはAから甲の引渡を受けた。さらに後日、BをAに対して売買予約完結権を行使し、仮登記の所有権移転本登記を受けた。」
事例1は、CはBに対して賃借権を対抗できるのに対して、事例2では、CはBに対して賃借権を対抗できません。
buttonhole様、
再びご回答を賜り、誠にありがとうございます。
このあと頂きましたtk-kubota様からのご回答とまったく相反する内容となり、どちらが正しいのか、困惑の度合いがますます増大しております。現実的なリスク削減策として、事例2のケースでも、賃借人(C)が売買予約権者(B)から、本登記後も当該賃貸借に関し一切の権利を放棄する旨の念書などを差し入れてもらえれば問題ないでしょうか。
No.5
- 回答日時:
>仮登記から本登記された場合でもそれでも賃借権は対抗できるのでしょうか。
はい、その通りです
仮登記は順位を保全するだけです。
仮登記から本登記となっても、遡るのは、順位だけで、権利も遡るのではないです。
賃借人が賃借する際に、仮登記の有無を知っていても、知らなくても、同じ事です。
また、賃借する祭に、仮登記があってもなくても、その後仮登記が本登記となっても関係ないです。
所有権移転請求権の仮登記ある物件を賃借した後、第三者に所有権が移転しても、賃借権には影響ありません。(当該第三者が賃借権を承継していますので)
仮登記が本登記となれば、その第三者の所有者は所有権を失いますが、賃借権には影響ありません。
仮登記当時の所有者が、本登記権利者に所有権が移転するだけで賃借権には影響ありません。
tk-kubota様、
再びご回答を賜り、誠にありがとうございます。
先に頂きましたbuttonhole様からのご回答とまったく相反する内容となり、どちらが正しいのか、困惑の度合いがますます増大しております。賃借権へ影響が波及しない根拠法などがありましたらご教示いただけますと助かります。
No.6
- 回答日時:
>このあと頂きましたtk-kubota様からのご回答とまったく相反する内容となり、どちらが正しいのか、困惑の度合いがますます増大しております。
仮登記の本登記をした場合、本登記の対抗力は、仮登記の時点に遡って生じるのか、それとも本登記した時点から生じるのかは争いがありますが、おそくとも、本当の時点から対抗力が生じることに争いはありません。
すなわち、二の事例では、おそくとも、本登記をした時点以後は、Bは賃借権の負担のない所有権をCに主張できます。これは、大学の法学部の試験で問われる程度の知識です。
しかし、この掲示板では、この程度の知識すら有しない人が回答していることも少なくありません。どの回答が正しいかどうかは、法律をきちんと勉強している人にしか判断できませんから、困っているのであれば、きちんと弁護士に相談してください。
>現実的なリスク削減策として、事例2のケースでも、賃借人(C)が売買予約権者(B)から、本登記後も当該賃貸借に関し一切の権利を放棄する旨の念書などを差し入れてもらえれば問題ないでしょうか。
BがAの賃貸人の地位を承継する旨の念書を取ると言うことでしょうか。Bがそれに応じるメリットがあるんでしょうか。応じるような人だったら、仮登記の抹消登記手続に協力してもらえるんじゃないですか。
No.7
- 回答日時:
>賃借権へ影響が波及しない根拠法などがありましたらご教示いただけますと助かります
言わずと知れた借地借家法31条です。
建物の賃借権は登記をしなくても引渡があれば、後の所有者に対抗できる、としています。
仮登記の本登記があった登記簿謄本を見て下さい。
本登記権利者の所有権移転の日は、登記のあった日です。
その日までは従前の所有者で、その後は本登記権利者が所有者です。
だから、従前の所有者から賃借すれば、後に、仮登記が本登記となっても、その者に対して賃借権は対抗できます。
No.8ベストアンサー
- 回答日時:
御質問を拝見し、回答させていただきました。
※『所有権移転請求権仮登記の本登記がなされた場合の賃貸借契約への影響』について。
※当該賃貸借物件が、借地借家法適用物件であり、いわゆる違法性の無い一般的な賃貸借契約であれば、本登記による所有権移転の結果、賃借人は、借地借家法条文記載のとおり、その引き渡しをもって、新所有者に対して、賃貸借契約の効力を主張することが出来ます。本登記後、賃借人の賃貸借契約自体が消滅したり、賃借人が退去義務を負う訳ではありません。
・『原則』として、所有者交替に伴い、貸主たる地位も、新所有者に移行することになります。
・『例外』や貸主交替、敷金、賃料滞納、特約等々は、既に御承知のことと存じますので、省略致します。
※『最後に。』
法律上、賃貸借契約への影響は、原則として、前述記載のとおりですが、現実問題として、現所有者の信用状況云々、本登記後、色々と揉めるか揉めないか、揉め事に巻き込まれるかどうかは、ある種別次元の問題ですので、事前に色々と確認なさることをお勧め致します。実務を御存じでいらっしゃる質問者様でしたら、御理解いただけると思います。
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