この人頭いいなと思ったエピソード

物理学の熱力第二法則あたりでカルノーサイクルというものがあります。
図面の通りなのですが、
A->B 等温膨張 高温のT2に気体接して、熱を加えるけれども等温変化で、加えた熱は外への仕事(ピストンを動かす)になる
B->C 断熱膨張 高温のT2から離して、熱を加えないまま膨張(ピストンを動かす?)
C->D 等温圧縮 低音のT1に気体を接して、熱を減じるけれども等温変化させる。圧縮(ピストンを動かす)で熱をもらう。
D->A 断熱圧縮 低音のT1から離して、熱の移動を止めて圧縮(ピストンを動かす?)

ということです。右側にこの操作に関する熱浴と気体の関係を示しています。

ここで質問なのですが、いずれの説明も”ピストンを動かす”ということになります。

しかし、これはピストンを動かすという外部からの能動的な操作なのでしょうか。外部からの操作(ピストンを動かすなど)が関係しているのか、それとも熱の移動を与えるという操作だけが重要であり、体積変化(ピストンを動かす)は動かすのではなく、勝手に動いてしまう(膨張・圧縮)ということなのでしょうか。しかし断熱過程は熱の出入りを遮断するという操作だけであり、どうして体積変化が起こるのか分かりません。
断熱膨張の前の等温膨張の時の動作(体積増加)の慣性としての体積増加なのでしょうか。そんなはずはないと思いますが。
熱力学は理想化された状態での様子を語るので理解ができてないのかなと思いますが。

どうでしょうか。よろしくお願いします。

「熱力のカルノーサイクルについて」の質問画像

A 回答 (2件)

作動流体の変化を説明しています。


外部からはピストンを動かしてはいません。
断熱で膨張する、と言うことは、管路出口側を開放してやればよい。
断熱で圧縮する、は文字通りコンプレッサで圧縮すればよい。
ピストンにとらわれないこと。
管路にて、気体が膨張すればピストンの有無にかかわらず、考えている気体の前にいる流体が仕事を受ける
・・・気体が仕事する・・・外部に仕事を取り出すとは意味が違います。
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> そんなはずはない



仰る通り。熱浴に接触させるだけで勝手に生じる、つまり外力が一定(たとえば大気圧しか掛かってない)ってことではない。なぜなら、外力を一定にしたまま高温熱浴に接触させたり低温熱浴に接触させたりを反復したら、もちろん、Pが一定なんだから、状態はV軸と平行に行ったり来たりするだけです。

 カルノーサイクルの行程はどれも、常に外力をコントロールすることによって行われます。
 状態Aでは動作気体がピストンを圧す圧力Pに拮抗する力(PS, Sはシリンダの断面積)を外部から加えている。この状態で高温熱浴に接触させても、熱浴と動作気体が同温なんで何も起こらない。力は掛かっていても動きがないのだから、仕事も生じない。
 そこで外力をちょっとだけ小さくすると、ピストンが圧し出されて動作気体の体積が増え圧が低下すると共に温度が熱浴よりわずかに低くなるので、熱浴から動作気体に熱が移動して、また同温になると共に、圧と外力が拮抗する。これを繰り返すと、結局、動作気体の体積を増やし圧を少し下げて、しかも動作気体に熱をため込むことになる。ってのがA→Bです。
 状態Bで熱浴との接触をやめる。動作気体がピストンを圧す力PSと外力とは相変わらず拮抗しているんで、そのままでは何も起こらない。ここで外力をちょっとだけ小さくすると、ピストンが圧し出されて動作気体の体積が増え圧と温度が下がるんで、外力と圧が再び拮抗する。これを繰り返すのがB→C。
 状態Cでも動作気体がピストンに掛ける力と外力とは拮抗している。低温熱浴に接触させたとき、動作気体と熱浴は同温なので何も起こらない。ここで外力をちょっとだけ強めると、ピストンが圧し込まれて動作気体の体積が減り圧が上昇するとともに温度が熱浴よりわずかに高くなるので、動作気体から熱浴に熱が移動して、また同温になると共に、圧と外力が拮抗する。これを繰り返すと、結局、動作気体の体積を減らし圧を少し上げて、しかも動作気体の熱を放出することになる。これがC→Dです。
 状態Dで熱浴との接触をやめる。でも動作気体がピストンを圧す力と外力とは相変わらず拮抗しているんで、そのままでは何も起こらない。外力をちょっと大きくすると、ピストンが圧し込まれて動作気体の体積が減り温度と圧が上がって、外力と圧が再び拮抗する。これを繰り返すのがD→A。

 どの行程でも、力が掛かったままピストンがちょっとだけ動くと、そのたびに仕事が生じている。力=PS、変位=ΔV/Sなので、PΔVの仕事が生じる訳です。けれども、動きの方向が逆なら仕事の符号も逆。言い換えれば、A→B→Cでは装置が外に向かってやった仕事、C→D→Aでは装置が外から受けた仕事であって、そして、両者の絶対値の大きさが異なるんで、トータル、正味の仕事が取り出せたことになる。その大きさが、サイクル図の面積そのものである。
 ってことですね。
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