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私は、電子部品の設計者ですが、ある部品に銀を使用しております。この銀については、最もマイグレーションが起こりやすいといわれており、その発生要因について勉強したいと考えております。そこで、以下の件についてどなたか教えてください。

(1)イオンマイグレーションとエレクトロマイグレーションの違い
 → 私の考えでは、イオンは、低温、高湿環境下で電圧印加
   がある環境で起こり、エレクトロは高温、低湿環境下で
   電圧印加がある環境で起こるですが、いかがです?
   両者の定義を教えてください。

(2)イオンマイグレーションとエレクトロマイグレーションの発生メカニズム

(3)イオンマイグレーションとエレクトロマイグレーションの評価(確認方法)

以上、お願いいたします。

A 回答 (4件)

(1)(2)については詳しくないですので(3)だけ。


詳しくは、JISの電子(分厚い本です)に載っているのではないかと思います。
イオンとエレには分かれていなかったような気がしますが。
自分がやっていたのは、プリント基板の銀スルーホール基板の試験で湿度90%温度40℃の恒温恒湿中に所定時間放置します。
このとき、ユーザーとの取り決めであった電圧か、JIS規格上の電圧(忘れました)を印加します。
試験後、絶縁抵抗の変化を評価します。
また、顕微鏡でも観察します。
このとき、基板の裏から強い光を当てて基板をすかしてみるようにして観察するのがポイントです。
マイグレーションが起こっていた場合、細い突起状のものが観察されます。
さらに、マイクロセクション観察で断面を検査します。
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マイグレーションの定義については、


http://www1.coralnet.or.jp/fjk/migre/mg100.htm

イオンマイグレーションの評価については、
http://www1.coralnet.or.jp/fjk/migre/mg500.htm

などが参考になります。
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私もまだまだ勉強中なのですが…。



まず(1)と(2)には同時に答えさせていただきます。
発生メカニズムの違いこそが、エレクトロマイグレーションとイオンマイグレーションの違いだからです。
エレクトロマイグレーションは、
「電子の流れにより原子が押し流される」
ような現象であると考えてください。電子部品の設計者の方ということですのでご存知とは思いますが、最近の半導体では、細い配線にかなりの大電流が流されます。ですから、原子に働くクーロン力より電子による力が大きくなったることがあります。すると、「電子の流れによって原子が押し流される」というような現象がおきてしまいます。押し流されるわけですから、軽い原子(Alなど)でおきやすいことになります。原子が移動するわけですから、もとの場所は空洞になるので、配線が細くなり、そうするとさらに電流密度が上がる…ということの繰り返しにより断線する、または移動した原子が蓄積していき、近くの配線と接触する(ショート)がおきます。

イオンマイグレーションは、人によってはエレクトロケミカルマイグレーションとも呼びます。名前から予想がつくかもしれませんが、
「化学反応・電気化学反応がかかわっている」
のがイオンマイグレーションです。水分が存在するとき、金属が(陽極で)化学的に溶解を起こしてイオンになり、そのイオンが電位差のある電極(陰極)に向かって移動していきます。この溶解・析出の過程を繰り返しながら金属が成長し、ショートします。化学反応が絡んできますから、反応性の高い(イオンになりやすい)金属(Al、Agなど)ほど起こりやすいです。水分は化学反応を起こすための電解質として必要になります。配線材料、表面の汚染状況によりますが、大気中に存在する水分で充分おこる可能性があります。金属の溶解の起こる電位環境にするため、イオンを移動させるために、電圧印加が必要になります。

これを押さえておけば、エレクトロマイグレーションとイオンマイグレーションがそれぞれどのような環境でおきやすいか分かると思います。

エレクトロマイグレーション→流れる電子による力が大きい環境ほどおきやすい。具体的には、電流密度が大きい、温度が高いとおきやすい。(他にも結晶粒のサイズや他元素の添加の有無にも左右されます。)
イオンマイグレーション→化学反応が活性になる環境でおきやすい。電圧印加による表面(界面)の電位が、材料の腐食・溶解を起こす環境である場合おきやすい。湿度(相対湿度)が高く、温度が高いと(正確には、化学反応のおきやすい湿度・温度になると)おきやすい。(他にも電極間(陰極・陽極間)距離や、表面汚染物質の有無にも左右されます。

Agのマイグレーションについては「半導体デバイスの信頼性技術」(日科技連出版)にその過程などが書かれていたと思います。


(3)のイオンマイグレーションとエレクトロマイグレーションの評価(確認)方法は、どの用なサンプルを測定するかにより変わってくると思います(材料、汚染の有無)。ですが、メカニズムさえ頭に入れておけば適した試験(確認)法はおのずと選べると思います。
材料がAgであるなら、水分と印加電圧があれば汚染がなくても必ずマイグレーションを起こします。ですから、当然水分のある環境ではエレクトロマイグレーションの評価に向いていません。逆に大電流を流す試験ではイオンマイグレーションの評価に向いていません。
現在マイグレーションを起こしているサンプルがすでにあり、それがどちらによるものか確認するということであれば、SEMなどによる観察で、ある程度推測は可能です。イオンマイグレーションであれば、化学反応による溶解→析出を繰り返しているので、その形状は樹枝状になると思います。エレクトロマイグレーションであれば、比較的まっすぐ(表面がぼそぼそしていない状態)に成長していると思います。

余談ですが、私もマイグレーションについて質問したのですが、まだどなたにも回答をいただけていません。「その他」ではなくて、「化学」にしたほうが良かったのでしょうか…。それとも材料があまりマイグレーションを起こさない材料(Au)だったのがまずいのか…。
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かなり古い質問のようですが、googleにヒットしたので・・。


一応仕事で半導体関連のHAST、HHBT、PCTあたりをしてます。

1ですが、ECM(エレクトロケミカルマイグレーション)とイオンマイグレーションはまったく同じ事を言っているという見解が一般的だと思います。

低温高湿ということですが、HHBT試験では一般的に85/85/1atmくらいでHASTの場合はPCT並みの雰囲気・環境を使うと思います。HASTは従来HHBTでやっていた同様の試験に対して、技術進歩などからHHBTでは1000時間を耐久できるアンダーフィルなどが登場しているため、これらに対する試験方法として確立されたものです。最新レベルではHASTのn=50すら完走するものもあります。
HHBTもHASTも基本的に高温高湿で、HASTでは2atmを使う点に加え温度が40℃ほど上がっています。

このHHBTやHASTは3の答えですね。絶縁抵抗測定や誘電率の変化などでプロットを行い、統計力学で解析していきます。

2の発生メカニズムですが基本的には、絶縁箇所において吸湿などの影響で絶縁抵抗の低下・電解質化などが発生し、アノードから電極金属がイオン化して流出する事が原因になります。
このイオンの還元析出には2パターンがあり、アノードから金属化合物として析出する場合と、カソードから電子を貰ってカソード側に析出する場合があります。
前者はアンダーフィルなどが超絶縁計で測定するようなレベルである場合で、後者は電極に結露が発生するような試験であったり、ソルダーレジスト等の塗布があるような試験片に見られます。

私も勉強中です。
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