
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
前の回答ではけっこう説明を端折ったので, ある程度丁寧に説明してみます. 長いので入力ミスがあるかも….
まず, Σ[k=1,∞] e^(kπi/n)/k = -log(1-e^(πi/n)) の虚部をとると, 2つの等式
1) e^(iθ) = cosθ + isinθ (Euler の公式)
2) logz = log|z| + iArgz
より,
Σ[k=1,∞] sin(kπ/n)/k = -Arg(1-e^(πi/n))
を得ます.
ここで, Argz というのは z=r^iθ (r>0, -π<θ≦π) に対し Argz=θ となるような関数です.
※2) の式は, ここでの log の定義そのもの (「ここでの」というのは, log は本来多価関数だがここでは主値を考えて一価関数だと思っているので) だと思っておけば OK です.
(はじめに Taylor 展開 Σ[k=1,∞] z^k/k = -log(1-z) を用いましたが, この右辺の -log(1-z) 自体が -(log|1-z| + iArg(1-z)) の意味であった (そのように定義するとこのような Taylor 展開ができる) ということです.)
次に, -Arg(1-e^(πi/n)) = π(1-1/n)/2 となることを示しましょう.
1つのやり方として, 複素数 z=x+yi (x,y は実数) に対し, x>0 ならば Argz = Arctan(y/x) となることを利用するという方法があります. すると
-Arg(1-e^(πi/n)) = -Arg(1-cos(π/n)-isin(π/n)) = -Arctan{-sin(π/n)/[1-cos(π/n)]}= Arctan{sin(π/n)/[1-cos(π/n)]} となるので (最後 Arctan が奇関数であることを用いた), 前質問の No.2 の方の答えと一致しました. あとは前質問の No.4 に示した方法によりこれが π(1-1/n)/2 に一致することがいえます.
前質問 No.4 のやり方はやや天下り的なので, 別のやり方も紹介しておきます. 以下の文章はお手元で図を描きながら読んでください.
いま, 0<θ≦π とし, 複素平面上の原点 z=0 を点 O, z=1 を点 A, z=1-e^(iθ) を点 B とします. このとき, Argz=-∠AOB の値を求めることを考えます.
複素数の図形的な意味を考えることにより, △AOB は, 3点 A,O,B がこの順に反時計周りに並び, AO=AB=1, ∠OAB=θ であるような二等辺三角形であることがわかります. (厳密には θ=π のときには二等辺三角形は潰れてしまいますが.) したがって ∠AOB=(π-θ)/2 なので, Arg(1-e^(iθ))=-(π-θ)/2 となり, -Arg(1-e^(iθ))=(π-θ)/2 となるわけです. あとは θ=π/n を代入すれば終了です.
この回答へのお礼
お礼日時:2016/08/26 09:33
すいません、わざわざ二回も回答させてしまって……けれど非常にわかりやすい説明で、疑問に思ってた部分が全て納得いきました! ありがとうございました!!
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以下が、その質問した内容です。
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9392741.html
分からなかったのは、No,3の回答で、
『(中略)
Σ_[k=1,∞] e^(kπi/n)/k = -log(1-e^(πi/n))
等式の虚部を比較することで
Σ_[k=1,∞] sin(kπ/n)/k = -Arg(1-e^(πi/n)) = π(1-1/n)/2』
の部分です。すいません、訂正です。お願い致します。