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消化器官ご専門の先生にお伺いしたく質問させて頂きます。
病院側の処置の是非についてお聞きしたく存じます。

80前の私の母が胆石除去手術を受けました。
(当初胆石除去手術ということで、私もあまり大事には捉えておりませんでした。)
胆石が大きく腹腔鏡手術に決まり、第一段階の手術として胆汁排出目的にて、胆管にステントを挿入しました。その際に執刀医が胆管に傷をつけ、膵液漏となりました。
その膵液で内臓の皮等が消化されたらしく、母も相当に苦しんだようです。
病院側の処置としては点滴のみでドレナージ等はしませんでした。
その後経過観察していると数値(?)が下がり、また腹痛も収まってきて快方に向かいました。
そんな中、CTで検査すると胆石とステントが消えた、という奇跡のような結果となり、胆石除去については施術完了となりました。(母は執刀医から言われて、術後から病院内を一生懸命に歩いたそうです。それが胆石排除に功を奏したのではないか、との事です)

お聞きしたいのはその後の病院側の処置の是非なのですが、腹腔内には未だ膵液によって消化された体組織(膿?)が残っているのですが、執刀医曰く「時間は掛かるが治癒力で治る」との事。
①そんな異物が果たして治癒力で消える(無害化する)のか?
②80近い母親(がん手術2回(直腸、肺))の体にそんな治癒力があるのか?
③がんへの影響はないのか?
非常に疑問でして、質問させて頂きました。

(因みにドレナージについては「ドレナージして体外排出する方法もあるが、神経が非常に多いところに穴をあけるので危険も伴うが、どうしますか?」と聞いたそうです。
死ぬ痛みを味わい心身ともに衰弱していた母は、そういう聞き方をされ”危険”の2文字の前に、当然のことながら何もしない選択を取りました。)

因みに、執刀医(課長)はとても良い人で、術後は毎日部屋を訪れては謝罪したそうです。
ただ、ドレナージ施術を危険と説明して避けたり、1回目ミスした後の胆石除去手術についても口癖のように「また胆管を傷つける危険がある(からやりたくない)」と言っていたそうです。
これらの執刀医の言動から、手術をせずに早く病院から出したい、という彼の”逃げ”の考えがあるような気がしてなりません。もしそうであるのなら、ドレナージせずに体内に膿をを抱えている状態は、もしかして危険なのではないか?と疑念を持っております。

退院して2か月が経ち、現在母は普通に生活は出来ております。痛みもないとの事。
ただ、不安を常に感じている様子です。

何卒先生方のご回答の程、宜しくお願い申し上げます。

追伸:常日頃命を救われているドクターに対して失礼な表現もあったかもしれませんが、何卒ご容赦くださいませ。

A 回答 (1件)

消化器外科専門医でも消化器内科専門医でもないのですが、このご質問については、お答えできると考えましたので回答させて頂きます。

ご容赦下さい。さらに、あくまで「ネットでの質問コーナーに対する返信」であり、実際のお母さまの状況を知らない以上、非常にアバウトな、不正確な回答とならざるを得ません。その点、どうかご承知下さい。

まず、胆管ステントと胆石が自然排泄されるのは、十分あることです。胆管ステントは、比較的容易に自然排泄されることが多く、最終的には便と一緒に排泄されます。そして、比較的大きな胆石であっても、自然排泄は、時に認めます。ただ・・・お話をお伺いして思ったのですが、もしかすると、膵液漏となったことが、胆のうの収縮になんらかの影響を及ぼして、通常なら排せつされにくい大きな胆石の排泄を促したのかも、知れません。(この辺りはまったく不明です。すみません。)

そして、ご質問ですが、

① 腹腔内というのは、比較的免疫力が強い組織なので、膵液漏によって生じた膿瘍についても、いずれ吸収されてしまう可能性が高いと考えます。
② 実年齢と身体的な臓器の能力には個人差が大きいためなんとも言えない処もありますが、一般的には80歳程度ならば十分治癒する可能性があると考えます。
③ 直腸がん、肺がんの術後であっても、癌に再発が無く、しかも手術からある程度期間が経過しているのであれば、十分治癒する可能性があると考えます。(つまり、その膿瘍の治癒に関しては、同年代の、特に病気をしていらっしゃらない方とは、大きく変わらないだろう、と、いう事です。)

さらに、ドレナージについては、おそらく腹腔鏡で行うとは思います。けれども、膿瘍の形成された部位によっては開腹手術に切り替える可能性も十分に予想されるのだろうと思います。そうであれば、かなり体に負担がかかるので、ドレナージしない方が、お母さまにはメリットが大きいと判断されたのだろうと思います。お母さまのケースは、「多少のリスクがあっても、こちらの治療の方が絶対に良い」と、医学的に判断する事が難しいケースだと思います。

それでも、医療側としては、「おそらくこちらの方がメリットが大きい」と想定している場合があります。しかしながら、医学的な裁量がやや難しい場合は、「患者さんに決めてもらう」というのが現代の医療に要求されている事です。そこで、主治医の先生は、あまりドレナージを推すお話はされなかったのだろうと考えます。(つまり、主治医の先生は、お母さまはドレナージをしない方が良い、と、考えていたのだろう、と、あくまで想像ですが・・・想像される、と、いう事です。)

さて、その執刀医の先生、というのは、おそらく消化器「内科」の先生だと想像します。医師としての、あくまで「感想かつ想像」ですが、もし、その先生が”逃げ”たいのであれば、むしろ、ドレナージ目的で、お母さまを、さっさと外科に送ってしまう、という方が自然な感じがします。私ならばそうします。外科に回してお腹をあけて体に負担がかかっても、その点については外科が面倒を見てくれますし、そしてドレナージして膿瘍が無くなれば、万々歳です。そうしなかった主治医の先生は、むしろ、お母さまの体の事を、非常に考えに考え抜いたのかも知れません。むしろ、信頼できる方なのではないか?とも思えます。

そして、”1回目ミスした後の胆石除去手術についても口癖のように「また胆管を傷つける危険がある(からやりたくない)」”の、部分に関してなのですが、これはちょっと、意味がつかめませんでした。もう一度胆管ステントを入れる理由はなさそうですし(胆石は除去されていますため)。このお話は、腹腔鏡での胆のう切除の事を言っているのでしょうか?

ここから先は、ご質問者さんにもお母さまにも、申し訳無いお話で、必ずやお気に障ると思いますが、どうかご容赦下さい。

人体は、非常に個人差が大きいものです。そして、胆管と膵管の合流は、個々人の顔のちがいのように、とても様々です。胆管ステントを挿入する際に膵管が傷つけられたのは、術者の手技の結果ではあるのですが、そもそもお母さまの膵管合流部の形態に、ステント挿入による損傷が生じやすい特性があった可能性があります。(あくまで可能性、です。)もし、そのような可能性があるのならば、再度のステント挿入を、例えば日本一上手い先生が行ったとしても、再度膵管を損傷する可能性は、他の患者さん達よりも高い可能性があるかも知れません。同様の理由で、胆のうを切除する際の胆のう管の処理の際にも、普通の方とは異なった危険性があるのかも、知れません。そして、胆石が消失した現段階では、そもそもお母さまの胆のうを切除する必要性が、かなり低下していると考えます。そのような状態で、リスクを冒して胆のうを切除するなり、胆道ステントを再挿入するのは、メリットが少なくデメリットが大きいと推論されるだろうと考えます。ですので主治医の先生は、「危険がある」というお話を繰り返されたのだろうと思います。

こう書いてしまうと、やや・・・お母さまの膵管に非を押し付ける形に取られてしまいますので、非常に申し訳無いのですが、お許し下さい。

しかし、もし、私が、お母さまの主治医の立場であったら、医学的観点から、そう説明します。しかし・・・もちろん、お母さまも質問者さんも、そう説明されても、ご納得いき難いだろうと考えます。

けれども、主治医の先生は、そんなことを言わずに、毎日謝罪していた、そういう方なのですよね?それは立派な先生だと、私は思います。私だったら、そう出来るかどうか・・・疑問です。

医療で、良くない結果が生まれた場合、質問者さんのようなお気持ちになられることは、とっても自然な事です。そして、そのようにお感じなる方は多くいらっしゃいます。それは、我々医療者にとっても、とても辛い事なのです。ですので、質問者さんとお母さまが、笑顔で過ごせるようになれば、とてもうれしく思います。

ところで、お母さまは、現在は退院2か月経過して、痛みも無く生活していらっしゃるのですね。それは大変良かったです。そして、2か月経過して症状が無いのであれば、その膿瘍は、もし残っていたとしても、皮膜に覆われ、ゆっくり吸収されている途中、つまり「無害化」してしまっているので、なんらの心配も不要と考えます。心配しないようにお伝えするべきです。もちろん、人体は不思議ですので、絶対に何もないとは言い切れませんから、腹痛があったり、原因の分からない発熱があったりすれば、再診すべき事には変わり有りません。しかしながら、そのお母さまの膿瘍が、いまからなんらかの害を及ぼす確率と、私がいまから12か月以内に急性虫垂炎に掛かる可能性とは、それほど違いはない(つまり、どちらもあまり高頻度に起こる事では無い)と、そう言えると思います。
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この回答へのお礼

この度は丁寧且つ温かいご回答・見解を頂き有難うございました。
今回初めてこの「教えて」サイトを利用させて頂いたのですが、このような回答を頂けるとは正直思っておらず感動しました。
ドクターという職業上、非常にご多忙であるにもかかわらず。。
また、文面の端々に先生の温情・気遣いが垣間見え、なんと御礼申し上げて良いのやら。。
誠に有難うございました。

先生の回答・解釈を拝見し、
・体質には個人差が厳然とある事実(自ずと結果にも個人差が出る)
・膿腫の無害性(である可能性が高い)
・執刀医の判断の適正性、
について理解でき、お蔭様で精神的にもとても安定できました。
と同時にバランスの悪い見方をしていていた自分の未熟さを痛感しました。
執刀医の誠実な人柄についても、改めて気付きを頂け感謝申し上げます。

早速両親にもこの先生から頂いた内容を共有させて頂きます。

先生、この度は本当に有難うございました。
顔も知らない方にこのような温情溢れる対応を頂き、本当に”ありがたい”気持ち一杯です。
重ねて有難うございました。

最後になりますが、これから益々寒くなりますが、先生、どうぞお体ご自愛くださいませ。先生の患者様とご家族のためにも。

お礼日時:2016/12/18 17:06

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