
添付の図のような状態で、質量mの物体を点Sから静かに離した後についての問題です。点PQ間は摩擦あり、ほかはありません。点PQ間の速度は一定です。
(1)物体の速さが最大に達したときの物体の速度v1
(2)物体の加速度が最大に達したときのばねのちぢみx2と加速度の大きさa2
(3)ばねによって跳ね返された物体は、点Pを通過後、斜面をどこまで上るか。最高地点と点Pの距離をLを用いて表せ。また、最高地点に達した後、物体はどのような運動をするか?
わからないところだけ書いているので、自分で解けた物理量は既知のものとして扱っています。
既知の物理量…ばね定数k、物体をばねの上に置いて静止したちぢみx0、動摩擦係数μ’、PQ間を滑り降りる間に摩擦力が物体にする仕事W

No.3ベストアンサー
- 回答日時:
No.1です。
物理現象を、どのような現象ととらえて、どのように解釈し、どのような法則の組合せとして分析して行くかというのは、けっこう難しいことです。私もしょっちゅう考え違いをします。
「この方程式にぶち込めば何でも解ける」という夢の方程式や「万能の解釈」はなかなか存在しません。(大学に行って、微分・積分が使えるようになると、多少見通しはよくなりますが)
この問題の場合には、とりあえず「エネルギーの変化」(保存されたり、摩擦で熱に変わって失われたり)で解釈すると、何とか解けるかな? というのがひとつの見通しです。
もちろん、運動方程式を解いても求まりますが、高校物理で「微分・積分」ができないとちょっと苦しいかも。
なので、高校物理の範囲では、「エネルギーの変化」に着目するのが分かりやすいと思います。
(1)S→Q間は、摩擦がないので「位置エネルギーが、すべて運動エネルギーになる」。
(2)Q→P間は、摩擦があるので「位置エネルギーが、すべて運動エネルギーにはならない」のですが、「速度は一定」なので「運動エネルギーは一定」、つまり運動エネルギー浪費されず、「摩擦で熱エネルギーに変わるのは、位置エネルギー分だけ」と解釈できます。
(3)Pより下では、再び摩擦がないので、Pでの運動エネルギー(速度一定なので、Qでの運動エネルギーと同じ)と、物体をばねの上に置いて静止する「中立位置」までの位置エネルギーが、ばねが縮むポテンシャルエネルギーになると解釈できます。
(4)ばねの最短点からの復元(伸び):摩擦がないので、縮んだばねのポテンシャルエネルギーが、再び運動エネルギーと位置エネルギーに戻る。
つまり、ばねが伸びてきたP点では、縮む前と同じ状態に戻っている。摩擦がないので、失われたエネルギーはない。
(5)P→Qでは、再び「摩擦」によるエネルギーのロスが生じる。直接エネルギーの損失は計算できないので、ここでは「Pを通過するときの速さ」と、P→Qで働く「重力」と「摩擦力」による「運動方程式」から、加速度を求めて「速さ」の変化を計算する。
こんな感じの「考え方」の筋道になると思います。
>教科書に出ている単振動になるのかな?とも思ったのですが、
「単振動」になるには、物体がばねにしっかり結び付けられて、「ばねが伸びたときにも復元力が働く」ようにしないといけません。
問題の場合には、ばねの復元力は「縮んだとき」だけに働きます。
摩擦がなければ、物体とばねは「くっついたり、離れたり」を繰り返し、毎回Sまで登って、また下りますから、「ばねにくっついているとき」にはばねの復元力による運動、「離れているとき」には斜面の下からの「投げ上げ」と自由落下による上り下りの運動となり、全体はその組合せの繰り返しになります。
問題の場合には、最初の「登り」の途中で、摩擦力で停止してしまうということで、繰り返しになりません。
摩擦の働くPQ間の距離が短ければ(L/2より小さければ)、1回目の登りでは停止しないので、また違った運動になります。
何度もご回答ありがとうございます。お礼が遅くなって、どうもすみませんでした。
単振動にはならないというところ、わかりやすかったです。坂の一部に摩擦が働くために、力学的エネルギーが摩擦熱にどんどん変換されてしまうのですね。イメージがつかめました。もっと勉強します。。。
No.2
- 回答日時:
逆接的な話だけれど、何が何でも問題を解かなきゃってスタンスで問題を見ない方がいい。
これは、紙の上での仮想的な実験なのです。
この実験を、物理の教科書に書かれていることに基づいて考察してみてください、という話なのだと捉えましょう。
そう考えると、大まかにはS地点の位置エネルギーがQ-P間の摩擦に逆らう仕事とばねを縮めるエネルギーに使われる。
ばねを縮めたエネルギーは摩擦のある坂を駆け上がる仕事に使われて途中で息切れすることになりそうだ。と予想がつく。
これを計算で確かめてみましょう、ということです。
お礼が遅くなって、どうもすみません。S地点の位置エネルギーが後の運動に関係するところまではわかるのですが、ばねを縮めて、その後の運動がまだ予想できません。摩擦のある坂のせいで、エネルギーがどんどん減っていくのですね。もっと勉強します。。。
No.1
- 回答日時:
どこまでのレベルの知識をお持ちか分からないので、とりあえず高校物理のレベルで。
斜面下向きを正とします。
(1)SQ間は摩擦がないなら、Qで最大速度になって、QP間は質問文のとおり「等速」になります。
Qの速度は、運動方程式から加速度を出して積分してもよいし、高校物理だと「位置エネルギーが運動エネルギーに変わる」として
(1/2)mv² = mgLsinθ ①
より
v = √(2gLsinθ) ②
でしょうか。
運動方程式から特には、物体に働く斜面方向の力は mgsinθ なので、運動方程式は
ma = mgsinθ
より
a = gsinθ
これを積分して、初速度を 0 とすれば
v = gsinθ*t ③
これを積分して、変位 x は、Sからの距離として
x = (1/2)gsinθ*t²
x=L となる t は
t = √(2L/gsinθ)
このときの速度は、③に代入して
v = √(2Lgsinθ) ④
②と同じになりました。
(2)の加速度は、物体が滑り落ちるときの「SQ間の加速度」ではなく、「ばねが縮むとき」の加速度でしょうか?
ばねが縮むときには加速度は「負」(斜面上向き)なので、素直に「最大」といえば「ばねに接した瞬間 x1=0 で、加速度は 0」ということになってしまいます。
問題では「正の方向」を指定していないので、「加速度の絶対値が最大」になるときと解釈します。そうすれば、ばねが最も縮んだときということになります。
「ばねが最も縮んだとき」なので、ばねがどれだけ縮むか計算しないといけません。ばねのポテンシャルエネルギーが、縮み量 x1 に対して
Ep = (1/2)k(x1)²
であることを使って、これが運動エネルギー①と中立位置までの「縮み x1 」の位置エネルギーの和に等しくなるので、
(1/2)k(x1)² = mgLsinθ + mg*x0*sinθ
よって
x1 = √[ 2mgsinθ(L + x0)/k ]
そのときのばねの復元力は
Fk = -k*x1
なので、加速度は
Fk = m(a2)
より
a2 = -k*x1/m = -√[ 2kgsinθ(L + x0)/m ]
(3)縮んだばねが伸びて、物体が再び P に来たときの運動エネルギーが②に等しく、P → Q では斜面下向きに
mgsinθ + μ’*mgcosθ
の力が働くので、斜面上向きの加速度は
-ma = -(mgsinθ + μ’*mgcosθ)
より
a = gsinθ + μ’*gcosθ ⑤
これを積分して、初速度が上向きの②であることから
v = -√(2gLsinθ) + (gsinθ + μ’*gcosθ)t ⑥
これを積分して、変位 x は、P を基準にして
x = -√(2gLsinθ) *t + (1/2)(gsinθ + μ’*gcosθ)t² ⑦
一方、動摩擦係数は、下るときに「加速度 0」だったので
mgsinθ - μ’*mgcosθ = 0
よって
mgsinθ = μ’*mgcosθ ⑧
より
μ’ = tanθ
よって、⑥⑦は
v = -√(2gLsinθ) + (2gsinθ) *t ⑥’
x = -√(2gLsinθ) *t + (gsinθ) *t² ⑦’
物体が止まるのは、⑥’で v=0 なので
t = √[ L/(2gsinθ) ]
このときの変位は、⑦’より
x = -L + L/2 = -L/2
つまり PQ の中点。
>最高地点に達した後、物体はどのような運動をするか?
については、問題文中に何も条件は記載されていないが、⑧より「重力による斜面下向きの力と、動摩擦力の大きさが等しい」ということであり、一般に「静止摩擦力(静止した物体が動き始めるときの摩擦力)は動摩擦力よりも大きい」ので、一度静止した物体は、そのまま静止していると考えるのが妥当である。
さっそく、詳しいご回答、ありがとうございました。言葉足らずですみません、自分は高校物理を勉強中で、物理基礎の力学は終わったのですが、物理の方はまだ勉強中です。教科書に出ている単振動になるのかな?とも思ったのですが、上から物体が落ちてくるケースで考えたことがなく、よくわからなくなってしまいました。
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