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銀鏡反応反応で水酸化ナトリウム濃度を濃くすることで銀が多く析出する理由を教えてください。
また、アンモニアも同じく多く加えると銀が多く析出するのでしょうか?

A 回答 (1件)

昔は反射式望遠鏡の鏡には、この方法で銀メッキしていました。



で、本題

銀鏡反応で使用するアンモニアは水溶液中で
NH₃ + H₂O⇋NH₄⁺ + OH⁻ …①
という平衡状態にあります。

そして、銀鏡反応では銀とアンモニアの錯体であるジアンミン銀(Ⅰ)イオン([Ag(NH₃)₂]⁺)が必要です。

この錯体が生じるためにアンモニアは水と反応してNH₄⁺の状態でいて欲しくありません。

そのため、強塩基である水酸化ナトリウムを溶液に加えると水溶液中にOH⁻が供給されて①において左側に平衡が移動します(右から左になる反応が優勢になる)。

結果、[Ag(NH₃)₂]⁺の生成で必要なNH₃の量が多くなります。


もう少し詳細に説明すると、アルデヒドとアンモニア性硝酸銀の反応の詳細は以下

[Ag(NH₃)₂]⁺ + e⁻ → Ag↓ + 2NH₃ …③

R-CHO + 2[Ag(NH₃)⁺]⁺ + 3OH⁻ → R-COO⁻ + 2Ag + 4NH₃ + 2H₂O …④

この反応で、アンモニア水を加えすぎると、③式の平衡が左に片寄ります。

だから、④式の反応速度が小さくなってうまく銀鏡ができません。

アンモニア性硝酸銀の溶液にわずかな水酸化ナトリウム水溶液を加えると、塩基性が強いので反応速度がかなり早くなり、常温でも反応するようになります。
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