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先日、高校の学生さんに『反応速度式』について
説明を求められ、私が未熟なために十分に答えらず、とても困りました。

『反応の物質の濃度が、反応の速さにどのように関係するかを示した式
・例) H2 + I2 → 2HIの反応速度式は、
υ = k[H2][I2] ・・・・・・(1) となる.
ここで、kは反応速度定数とよばれる比例定数で、温度や反応物質により変化する。

・例) 2H2O2 → 2H2O + O2の反応速度式は、
υ' = k'[H2O2] ・・・・・・(2) となる.

・例) 2HI → H2 + I2の反応速度式は、
υ'' = k''[HI]2 ・・・・・・(3) 』


「反応式の出発する物質の状態が違うから、
上の3式のvの式は違う。最初の状態のものに、
反応速度係数をかけたら速度がでるのだよ」
などと説明したのですが、全然わかってもらえませんでした。

どなたか、
1)式そのものの説明。
2)(3)式の[HI]2がなぜ二乗になるのか。
3)kに関する説明。

この上の上手な説明方法を教えてください。
また、説明方法など参考になるHPがあったら
教えてください。よろしくおねがいします。

A 回答 (2件)

既に回答があるように、本質的な説明をするのは、ものすごく難しいです。


 質問者さんの問いに正しく正確に答えるのは、大学の物理化学や化学反応速度論という分野の知識が必要になり、先ず反応の素過程を理解しなければならず、速度式を理論的に求めるのは、ほとんどの場合不可能です。

 幸いにして、高校の化学の反応速度論で取り扱う反応は、問題文に書かれている反応式が素反応であることが多いので、反応式からある程度は推定できることになっているのです。


で、1)については、既にc80s3xxxさんのすばらしい回答があるので、2)について、式(2)と式(3)の違いを簡単に、


例2)2H2O2 → 2H2O + O2の反応速度式は、
υ' = k'[H2O2] ・・・・・・(2) となる.

この反応、実は両辺に水(実際は、OH-かH+)が省略されてまして、H2O2がH2O(実際は、OH-かH+、以下同様)とぶつかる過程が反応の律速段階となる素反応です。したがって、υ' = k''’[H2O2][H2O]となるのですが、H2Oは系中にたくさんあって、反応の前後でその濃度変化は無視できるので、定数として扱えます。
そこで、k''’[H2O]=k'、とおけば式(2)の出来上がり。

つぎに、
例) 2HI → H2 + I2の反応速度式は、
υ'' = k''[HI]2 ・・・・・・(3)

こんどは実は、
HI+HI → [H2I2]  …(a)
[H2I2] → H2 + I2 …(b)
という反応なんです。で、(b)の反応は(a)の反応に比べて迅速に進行するので、(a)の反応過程が律速段階になります。あとは、80s3xxxさんの1)の回答にあるとおりに、衝突の問題で、二分子の濃度の積で表せるので、二乗になるのです。

反応定数kについての中身はやはり大学レベルの内容なので、難しいですね。簡単にいえば、反応のし易さです。

あまり良い例ではないのですが、
[男]+[女] → 恋人(v=k[男][女])
を考えて見ましょう。
男と女が出会わなければ恋人には成れませんし、それぞれ人数(濃度)が多いほど出会う頻度が増えるので短時間で恋人同士の関係になるのは予想できますね。
しかし、どんな男の集団や女の集団同士でも同じような速さでカップルが誕生するわけではありませんよね?
軟派な集団同士だと迅速にカップルが生まれるでしょうし、おくてな集団同士だと時間がかかるでしょう。分子にも、軟派な者と、おくてな者がいて、それを表している定数がkです。こんな感じでどうでしょうか?

予断ですが、この場合も分子反応と同様に、
日常でもv=k[男][女]にならず、
v=k[男]やv=k[女]はたまた、
v=k[男]2[女]
になったりしますね。

話がそれましたが、結局速度式はあくまで実験結果を基にしてその近似式を求めるのものですので、理論的な説明高校生にするのはかなり難しいと思います。
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この回答へのお礼

先日、理研の科学講演会があり、講義を拝聴してきたところなのですが、その際も高校(2)「化学反応の仕組みと速度」の反応の仕組み図を説明するのに、男女の例をとって説明されている研究者の方がいらっしゃいました。
やはり身近な例なので分かりやすいのでしょうね。
定数kの部分の説明はぜひ使わせていただこうと思います。
丁寧な説明ありがとうございました。

お礼日時:2004/10/26 14:39

これ,本質的な議論をするのはとてもむずかしいです.



1) 式そのものは,こうなることがある,という,それ以上でもそれ以下でもありません.たまたま,このような式で表わされることが多いだけのことと言ってしまうことさえできます.つまり,一見単純にみえる A + B -> 式の反応で,速度が k[A][B] で表わされるかどうか,それは測ってみなければ本来はわからないことです.
高校生用の説明としては,反応するには H2 分子と I2 分子が出会わなくてはならず,どちらもでたらめに動き回っているとすれば,出会う確率はどっちの濃度を上げても上がるから,というぐらいが関の山では?

2) これも言ってしまえば HI だから,ということなので...k[HI] 式の速度式になる物質だってありますから.この問題を議論するには素過程と律速段階の話に入らずを得ず,高校生ではますます混乱するだけのような気がしますが,あえていえば,この分子は自分だけで置いておいても分解したりせず,別の分子と合体してから分解がおこり,この合体が H2 + I2 の場合と同じような現象と考えれば,確率は [HI] の2乗に比例することになる,というくらいか.

3) k は速度式に当てはめたときに出てくる定数,というだけです.上で使った衝突模型だと,衝突のおこる確率(たとえば,分子の運動速度とか,分子の大きさで変わってくる分)と衝突がおこったときに実際に反応がおこる確率の両方の効果をまとめた数値,とでもしときます.
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この回答へのお礼

なるほど、やはり説明に苦労した理由はそこにあったのですね。
丁寧に解説して頂きありがとうございます。
ならば、何かの化学反応式を例に取り、実数値が3分おきごとくらいに並んだグラフを使用して実際に計算して式の成立する事を示してみます。

納得のいく回答をありがとうございました。

お礼日時:2004/10/26 14:27

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