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現在、生物(2)の教科書に「一遺伝子一酵素説」がビードルとテータムのアカパンカビを用いた実験を例にして説明されています。しかし、ある本を読み、必ずしもこの「一遺伝子一酵素説」が当てはまらないと書いてありました。
理由の一つとして、免疫細胞であるB細胞(一つの遺伝子から多数の抗体をつくる、遺伝子断片をいろいろつなぎあわせる)や、DNAのスプライシングなどがあるとありました。しかし…全然ピンときません。どなたか、わかりやすく教えていただけませんか?

A 回答 (4件)

再び失礼します。



一遺伝子一酵素説は正しくないとまでは言えないかと思います。
質問に挙げられたような例は例外として書かれているわけで、基本的に多くの遺伝子はひとつの酵素をコードしています。
このような原則と例外の関係は、曖昧性が高い生物学ではよく見られます。

最近ニュースで、ヒトの遺伝子は25000個くらいだろうという精度の高い予測結果が出たのを見ました。
10万は必要だろうと思われていたのに、実際はこんなに少なかったということで驚いている学者の方も多いようです。
こんなに少なくても大丈夫な理由は、この質問のトピックでもある選択的スプライシングや、DNAの組み換えによって一つの遺伝子が多様な蛋白質を作り出せるほか、同じ酵素であっても異なるパートナーの蛋白と結合することによって別の働きを示したり、発生時期や組織の場所によって全く別のはたらきをすることがあるためだと考えられています。

一遺伝子一酵素説は、かなり昔に発表された(遺伝子がDNAだと分かるより前)ものなので、現在の基準と照らし合わせるとおかしなところがあるのは仕方ないかもしれません。
質問に挙げられた反例は、一遺伝子多酵素がありうるという立場ですが、多遺伝子一酵素という例もあります。
酵素がいくつかのサブユニットから出来る場合が当てはまります。(こっちの方が一遺伝子多酵素より例は多いと思います。)
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この回答へのお礼

一遺伝子一酵素説は、遺伝子がDNAであることの前に発表されたものなのですね。それでは、現在わかっていることとは辻褄が合わないはず…。多遺伝子一酵素という例もあるのですね。非常によくわかりました。ありがとうございます。

お礼日時:2004/11/14 20:56

「一遺伝子一酵素説」は,ビードルとテータム自身が,すべての生物がそれだけで説明できないことは承知していました。



彼らは,モーガンの基でショウジョウバエを用いて「一遺伝子一酵素説」を証明しようとしていたのですが,ショウジョウバエはそれほど簡単ではないことに気づきました。overthisgrayskyさんが指摘しているように選択的スプライシング(当時はむろん知らなかったと思いますが)や遺伝子の発現が細胞質と関係することに気付いたからです。

そこでそれらの問題点(アカパンカビは選択的スプライシングはやりません)を排除できるアカパンカビで実施したわけです。ですからあくまでも高等生物の話ではないのです。

後に,彼らはショウジョウバエに戻りまして,眼の色の遺伝では同様に高等生物でも「一遺伝子一酵素説」が全く成立しないわけではないことを証明したわけです。

本をお書きになった方は,そのような歴史的な経緯を知らなかったからではないかと思います。参考になりましたなら…
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この回答へのお礼

ショウジョウバエでは一遺伝子一酵素説が当てはまらないことも、ビードルとテータムが証明していたのですね。そのような歴史的経緯があるとは知りませんでした。あくまで、アカパンカビのような単純な生物での発見だったわけですか。非常によくわかりました。ありがとうございます。

お礼日時:2004/11/14 21:00

書かれていたのは、ただのスプライシングではなく、選択的スプライシング(alternative splicing)ではないでしょうか?


この場合、スプライシングで切り出す位置が状況により変わるので、複数の産物ができるようになります。
(1-1000bpの遺伝子なら、300-500を切り出す場合と、300-700を切り出す場合があったりする。)

B細胞の遺伝子の組み換えはDNAレベルでの切り貼り、選択的スプライシングは(pre-)mRNAレベルでの切り貼りになります。

この回答への補足

そうです、選択的スプライシングです。これはmRNAで、B細胞がDNAの切り貼りなんですね!わかりました。一つの遺伝子を切り貼りして複数の遺伝情報をつくり、それに伴う産物が複数種できるから、一遺伝子一酵素説は正しくないと考えてもよろしいのでしょうか?

補足日時:2004/11/14 12:57
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スプライシングというのは、転写した後に不要な部分であるイントロンと呼ばれる部分を取り除いて、実際にたんぱく質の設計図となるエキソンの部分だけにする作業の事です。



以下のサイトをごらんになってみてはどうでしょうか?

参考URL:http://www.nig.ac.jp/museum/history/kindai/kinda …

この回答への補足

スプライシングについてはわかりました。これが、一遺伝子一酵素説を否定する理由になるところがいまいちわかりません。1つの遺伝子を切り貼りすることで、複数種の遺伝子を作るということでしょうか?

補足日時:2004/11/14 08:46
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