No.11
- 回答日時:
No.10 の補足です。
「忘れないのだ」の「の」が<形式(抽象)名詞>で、「ない」が連体形であることは先の通りですが、この場合<助動詞>「だ」は名詞「の」に続く言い切りなので終止形になります。
「忘れないので、」になると、「で」は「だ」の連用形で、連用中止形ということになります。
このように、活用とは次に続く語による形式(形)の変化であることをしっかり理解する必要があります。■
No.10
- 回答日時:
No.9 の質問にお答えします。
種々の誤解が重なっています。
>>「忘れ-ない-で-ください」。具体的には「ない」と「だ」の接続の問題です。結果は「ないだ」になりますが、後に続く言葉があって、文中で生きてくるのですから、前後の言葉を切り捨てる必要はありません。「忘れないでください」の中の「ないで」の話です。
活用とは次に続く語による形式(形)の変化のことです。
したがって、「ない-で-ください」の「で」(「だ」の連用形)を問題にするためには、「だ(で)」に続く動詞(用言)「下さい」を切り離すことはできません。「ないで」だけの話にはなりません。「下さい」が続くので、「だ」が「で」に活用しています。
>>「ない」は打消の助動詞「ない」の連体形と考えたのは、「ないだ」より「ないのだ」が通りのよい言い方だと考えたのです。「忘れないだ」より「忘れない(の)だ」の方が通じるはずです。
<「ないだ」より「ないのだ」が通りの良い言い方><「忘れない(の)だ」の方が通じる>という問題ではありません。
「忘れない(の)だ」の「の」は形式(抽象)名詞「の」で、これは「忘れない」を媒介的、抽象的に名詞「の」で捉え直した表現で、「私は行く。」「私は行くのだ。」と同じ関係で、当然ながら名詞(体言)「の」の前は連体形になります。「ないだ」の「ない」は「行く」が「行くだ」になるのと同じで、「行く」が終止形であるのと同じく「ない」は終止形です。「私は忘れない■。」「私は行く■。」のように判断辞が零記号になっており、丁寧形の場合は「ないです」「行きません」と判断辞を表現します。
東北、栃木方面ではこの判断辞を表現し、「ないだ」「行くだ」とするのが方言として規範化しています。
<「ないだ」より「ないのだ」が通りの良い言い方>ではなく、認識、表現が異なるということです。この点の理解が根本的に誤っています。
これは、助動詞や動詞だけでなく形容詞の場合に顕著で、「今日は楽しい■。」「空が青い■。」のように判断辞を表わさないのが規範化していますが、「楽しいだ」「青いだ」も方言としてはあり、論理的であることが判ります。最近は、「楽しいです」「青いです」とも言うようになっています。
なお、形式(抽象)名詞「の」は「顔が青いのが心配だ。」「その赤いのを取って下さい。」などの「の」で、これを格助詞や準体助詞などと誤った品詞分類をしているのも(この「のも」の「の」も形式名詞)、理解が混乱している背景にあるのではと推察します。「の」が助詞であれば、「青い」は連用形の「青く」に「赤い」は「赤く」にならなければならないはずですが、この辺が矛盾しています。
>>前半は第一の「だ」の話で、後半は第二の「だ」の話になります。」
参照した「日本国語大辞典』は同じですが、内容が誤っており、理解が異なるためです。「だ」を連用形「なら」「な」の活用で二分していますがこれは誤りです。「なら」「な」は判断辞「なり」の連体形で、「なら」が「な」に転成したもので、これらは「だ」ではなく「なり」系列の活用で、歴史的経緯、音韻からも、これを根拠に「だ」を二分するのは誤りで、単に
名詞・副詞およびある種の助詞ならびに、体言に準ずる語句に付く
用言および助動詞の終止連体形に付く
ということです。この「なら」「な」の理解の誤りは形容動詞という品詞の誤りに繋がっているのは御理解いただけると思います。「日本国語大辞典』の、
終止形は普通には用いられないが、近世以来、関東の方言には現れる。
については上に説明した通りで、辞典は単に現象を述べるに過ぎません。
このように、文法は正しく理解すれば当然ながら論理的であり、形式主義/機能主義的な解釈ではそこらじゅうに綻びが顕在化します。
活用ひとつ正しく理解できないことになります。
御理解いただけましたでしょうか。■
No.9
- 回答日時:
No.7です。
どこがどう間違っていますか。「忘れ-ない-で-ください」。具体的には「ない」と「だ」の接続の問題です。結果は「ないだ」になりますが、後に続く言葉があって、文中で生きてくるのですから、前後の言葉を切り捨てる必要はありません。「忘れないでください」の中の「ないで」の話です。「ない」は打消の助動詞「ない」の連体形と考えたのは、「ないだ」より「ないのだ」が通りのよい言い方だと考えたのです。「忘れないだ」より「忘れない(の)だ」の方が通じるはずです。「日本国語大辞典」が、「だ」に二種類有ると言った意図は、普通の「だ」は、体言や体言に準ずる語や副詞には接続するが、活用語には接続しないと考えたからです。「日本国語大辞典」の「だ」の項をお読みになれば分かるはずです。その意図を考えれば、第二の「だ」はその不便さを補うものとされているのです。
引用された「日本国語大辞典」とはどういうものですか、私の見たものと差があります。
『名詞・副詞およびある種の助詞ならびに、体言に準ずる語句に付く
用言および助動詞の終止連体形に付く』
と書いてあったのですか。前半は第一の「だ」の話で、後半は第二の「だ」の話になります。
No.8
- 回答日時:
No.7 の「ない」と「だ」の接続理解の誤りについて
>>「ない」と「だ」を接続させると、奇妙な感じになってしまいます。「行かないだ」「忘れないだ」。まるで東北弁です。しかし、「だ」の活用形の個々は、自然につくのもあります。確認しましょう。
忘れない-だろう。○ 忘れない-だった。(だって)×? 忘れない-で○ 忘れない-に×//
と記されていますが、語の活用とは次に続く語による形の変化で、前の語とは関係ありません。
「だ」は、
名詞・副詞およびある種の助詞ならびに、体言に準ずる語句に付く
用言および助動詞の終止連体形に付く
【日本国語大辞典】
で、否定の助動詞「ない」の終止連体形に「だ」が付き、そこで文が言い切りになる終止の場合は「だ」が終止形「だ」のままで「ないだ」になります、丁寧形は「です」で「ないです」になります。
この「ない」が表現されず、「ない」と言い切りになり、肯定判断が零記号になる場合もあります。形容詞の場合には「本がない。」のように判断辞が零記号になります。
また、「ないだろう」のように推量の助動詞「う」が続く場合は連用形「だろ」になり、「だろう」になります。
「忘れない【で】下さい」「書かない【で】下さい」は、動詞(用言)「下さい」が続くので、「だ」の連用形「で」になります。
上記、No.7 の接続の<「だ」の活用形の個々は、自然につくのもあります>説明は、この活用の前後の接続を無視、混同した完全に誤ったものです。■
No.7
- 回答日時:
「ないだ」の接続関係について。
「ない」という打消の助動詞は「形容詞型活用」をします。
「なかろ(なから)・なく・なかっ・ない・ない・なけれ・◯」。動詞、助動詞「せる」「させる」「しめる」「れる」「られる」「たがる」の未然形に付く打消の助動詞)
だ〔助動〕
〔一〕(活用は「だろ(だら)・だっ、で、に・だ・な・なら・〇」。名詞・副詞およびある種の助詞ならびに、体言に準ずる語句に付く)断定の助動詞。事物について、時・所・内容などを断定する意を表わす。
活用は、「だ」系統(「だろ(だら)」「だっ」「で」「だ」)と、「なり」系統(「に」「な」「なら」)とからなる。このうち、「だ」系統は、古くは終止形・連体形「だ」、連用形「で」しかなかった。未然形「だろ(だら)」(「だろう(だらう)」の形で用いられる)、連用形「だっ」(「だった」「だっけ」の形で用いられる)は成立が遅れ、初めは遊侠などの特殊な世界で用いられていたが、安永期には一般に広まったと考えられる。
「ない」と「だ」を接続させると、奇妙な感じになってしまいます。「行かないだ」「忘れないだ」。まるで東北弁です。しかし、「だ」の活用形の個々は、自然につくのもあります。確認しましょう。
忘れない-だろう。○ 忘れない-だった。(だって)×? 忘れない-で○ 忘れない-に×
忘れない-だ。× 忘れない-な。× 忘れない-なら○
このように活用形を選ぶというところに、「だ」の難しさがあります。そのためか、どうか、「日本国語大辞典」に限って、「だ」に二種類あるとしています。それについては直接
辞書を御覧ください。
なお、イ音便で私が間違いを犯しましたが、音便はかならずしも動詞限定でなく、古くは名詞にも(透垣=すいがい)あり、形容詞も、「美しき」が「美しい」になり、それが古語と現代語の活用の違いに結びつきました。
「ないで」の「で」が「接続助詞」「て」の変化と考えると、なぜ「て」が「で」になるのかという問題が残ります。(私がそれを間違えて「イ音便」説を持ち出したのです。)
No.6
- 回答日時:
形態素解析
忘れ ワスレ 忘れる 動詞-自立 一段 未然形
ない ナイ ない 助動詞 特殊・ナイ 連用デ接続
で デ で 助詞-接続助詞
ください クダサイ くださる 動詞-非自立 五段・ラ行特殊 命令i
書か カカ 書く 動詞-自立 五段・カ行イ音便 未然形
ない ナイ ない 助動詞 特殊・ナイ 連用デ接続
で デ で 助詞-接続助詞
ください クダサイ くださる 動詞-非自立 五段・ラ行特殊 命令i
No.5
- 回答日時:
この「ないで」についての、【日本国語大辞典】の補注
補注
(1)成立については、まだ定説がない。「ない」は打消の助動詞と見られるが、「で」は助詞か断定の助動詞の連用形か、決めかねる。また、接続の点からの疑問もあるが、近世には「帰らないければ」「多いで」などの表現もあるので、通行の文法では律しきれない。一方、古くから見られる「なくて」との関係、「書かいで」「読まいで」などの「いで」との関係もありそうであるが明らかでない。品詞分類上の扱いについては、全体を接続助詞とするもの、打消の助動詞の連用形とするものなどがある。
(2)打消の連用・接続表現として、ほかに「ずに」「なくて」がある。「いる・おく」その他の動詞に続く用法は「ずに」と同じ。「よい」「しょうがない」「こまる」などに続く用法は「なくて」と同じ。一般に「は」「も」などを伴って条件句を作ることも同様。「くれる・くださる・ほしい」などに続く用法は、「ないで」だけにある。なお、「ならない」「(は)いけない」「(は)だめ」に続く場合には、普通「ずに」「ないで」は用いない。
No.2
- 回答日時:
「忘れ」⇒下一段動詞「忘れる」未然形
「ない」⇒否定の助動詞
「で」⇒判断辞「だ」の連用形
「ください」⇒恩恵行為を表わす形式(抽象)動詞「くれる」の丁寧形「くださる」の命令形
■
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