No.2ベストアンサー
- 回答日時:
「みどり」という言葉は、本来色を指す言葉ではありません(あおい、あかい、きいろい、は言っても、みどりい、は言いませんよね)。
あおば、と言う様に、あの色は元来「あお」でした。では「みどり」とは何かと言いますと、植物の芽が伸びゆく様、その柔らかくもたくましい芽を指したのです(「松のみどり」ということばに今もその名残があります)。そして、それが人の赤ん坊である場合、「嬰児(みどりご)」と呼ばれます。つまり、これから伸びゆく、まだ頼りない、しかし輝きに満ちた命が「みどり」なのです。
てなこともご参考に。
No.3
- 回答日時:
中村草田男の句の中でも馴染み深い句ですね。
草田男は当時俳句の主流を占めていた「ホトトギス」系の写実主義に満足せず
句の中に生活とか思想を取り入れ、人間そのものを描写していこうと考えたと
言われています。たとえばこんな句もあります。
餅焼く火さまざまの恩にそだちたり
空は大初の青さ妻より林檎うく
葡萄食ふ一語一語の如くにて
ご質問の句ですが、やはり生命に対する謳歌が表現されているのでは
ないでしょうか。「万緑の中や」の「や」で止めているのは、感嘆を表しているの
だろうと思います。
「生え初むる」の「そむる」は、なにかおおきなことの、始まりのことですね。
子供の成長は、まず前歯が生えてきて、徐々に奥歯が生え揃っていくことで大きく
なっていきますよね。子供の前歯あたりが生え出す時期はとくに可愛いものです。
このようなことを考えていくとこんなイメージが湧いて来ます
季節はすべて緑なす時、初夏でしょうか、ふと見ると自分の子供の歯が生え始めていた。
この先の子供の将来をこの緑の季節も祝ってくれているのだろうか。
子供の成長に素直な喜びを表わしている父親の句なのでしょうね。
この句が作者が何歳ぐらいのとき読まれたか、実体験のことを描写しているのか、
とのご質問ですが、手元に資料もありませんので、答えることができません。
しかしこの句が、実体験であろうと、創造上の体験であろうと、この句を読んだ人は
同じ思い、感想を味わえるのではないでしょうか。
すぐれた文学というものは、たとえ個人的なことを表現していても、他者はその思想を
共有できると思うからです。
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