
民法における賃借物の転貸について質問です。
適法な転貸が行われている場合において、「賃借人の債務不履行」により賃貸借契約が解除されたときは、転借人は、賃貸人に対抗することができないのに対し、「賃貸人と賃借人が賃貸借契約を合意解除」した場合、転借人は賃貸人に対抗することができますが、前者と後者にはなぜこのような違いがあるのでしょうか?
前者の「賃借人の債務不履行」は転借人とは直接関係がないので、賃借人の債務不履行が原因で賃貸借契約が解除されてしまうと、転借人は非常に危うい立場となってしまうのではないのでしょうか?
後者の「賃貸人と賃借人の合意解除」による場合は、転借人は賃貸人に対抗することができるというのは、転借人を保護する意図でこのような規定が定められているのだと思いますが、それは前者にも同じようなことが言えるのではないでしょうか?

No.2ベストアンサー
- 回答日時:
あくまで私見ですので、参考程度ということで。
まず1番最初に押さえておかなければならない大原則は、“賃貸借契約が消滅すれば、その消滅の理由の如何を問わず、転貸借契約は当然に消滅する”ということです。賃貸借契約という転貸借契約にとっての存立基盤が無くなってしまうのですから、賃貸借の消滅によって転貸借が消滅するのは当然です。転貸借というのは、その基盤となる賃貸借が保護される範囲内でしか保護されない弱い権利でしかないと考えられているのだろうと思います。
●合意解除の場合について
「適法な転貸が行われている場合」ということは、賃貸人が転貸借について承諾をしている筈ですから、自らがその成立に関与した転貸借について前述の大原則に反するような保護を与えたとしても、賃貸人にとって過大な負担とは言えないとの考えで、大原則を打ち破る特則として借地借家法第34条が置かれたのだろうと思います。
●債務不履行」による解除の場合について
この場合、賃貸人は賃借人の債務不履行によって何らかの損害を被っています。恐らくその代表的な例は、賃料が支払われていないために賃料相当額の損害が発生しているといったようなことでしょう。このような場合、賃貸人に生じている損害を甘受させてまで“賃貸借が保護される範囲内でしか保護されない弱い権利でしかない転貸借”を保護するのは行き過ぎ(転貸借の保護に傾き過ぎ)であると考えられているのではないでしょうか。よって、本来の大原則に従って(借地借家法第34条という特則の適用がないので)、賃貸借の終了によって転貸借も終了することになります。
質問者さんが仰るような疑問も尤もですので、学説には、この辺りについては、いろいろと議論もあるようです。
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