No.2ベストアンサー
- 回答日時:
ペットボトルのリサイクルでは、たいてい加熱して樹脂化し、再加工しますが、その際に問題になると思われるのは、次の点です。
(1) ボトルに付着した不純物
ゴミなどはもちろんですが、水などの液体も加熱して溶かす段階で加水分解を促進するので問題です。キャップ、あるいは飲み口のねじ部分(白いところ)も分離できないと以下の(2),(3)にも影響します。
(2) ボトルそのものの材質が不均一
まった同じものならいいのでしょうが、メーカーや商品によっても微妙に材質が違います。一口にペットボトルと言っても工業的には同じものとは言えません。その場合には均一化できないと、加工が難しくなります。これは回収の問題も含みます。
(3) 色つきの問題
透明ならいいですが、色付きのものは着色剤を抜くことが出来ませんので、色が限定されます。当然いくつかの色が混じるととんでもない色になります。再生ペット商品で黒いものが多いのはそのためです。わざわざ黒の着色剤を入れて、色を分からなくしているのです。
(4) 粘度低下による品質低下
上記の問題をすべてクリアーしても、再加工の場合は加熱により粘度低下が生じます。現象的には分解が生じますので、その後の製品の堅さや成形性、耐久性などに影響します。したがって、そういう性能が要求される用途には使えません。
技術的には上記のような問題があります。
実際には選別したり、洗ったり、乾燥したり、再加工機に入れるために粉砕したり、と前処理も必要になるので、1級品の原料を使うより手間がかかります。しかも出来たものはB級の原料でしかないので高く売ることが出来ません。結果的には採算がとれないという状態になります。
また、回収の問題も大きく、安定してコーラならコーラのペットボトルだけとかが手に入ればいいですが、何が回収されてくるか、どれだけの量が回収されてくるかが分からない情況では、生産上のリスクが大きいですよね。
企業の努力だけでは解決しがたい問題も多いので、なかなか進展しないのが現状です。
No.5
- 回答日時:
繊維のような付加価値の高い製品に使えるペット(PET)を使い捨ての容器に使うのは如何にも"資源の無駄使い"と考え、ペットボトル入りの飲料を私が買ったのはこれまでの10数年間で5本程です。
欲しいときは値段も安い紙パック入りを買います。即ちその気になればペットボトルは無くても生活できます。廃ペットも資源としての価値が高まってきたようですが、ポリエステル繊維の精練(アルカリで表面を溶かして光沢を消す)工程で排出されるテレフタル酸ですら回収再利用は純度や経済的に困難なように、一旦加工したものから回収するのはペイしにくいのです。(色のついた再生紙の方が高いように)
最も良い方法はペットボトル使用を止めるか、詰め替えを徹底し繰り返し容器として再利用するかです。それでも棄てる人がいるでしょうから例えば予め1本200円徴収し、棄ててあったものを洗って回収すれば1本100円貰えるようにすればリサイクルは確実に進むでしょう。
要は社会や環境にどんな問題を起るか誰も考えなかったし、既に棄てる秩序(?)と体制ができ上がっています。リサイクルが増えると売上が減って困る抵抗勢力があるでしょうし、有力な方々がそれに理解を示し中途半端な施策しかできないことにあると考えては如何ですか。
No.4
- 回答日時:
リサイクルと言っても、大まかに分けて3種類あります。
Material Recycle
Chemical Recycle
Thermal Recycle
これらの分類は大丈夫でしょうか?
プラスティックリサイクルの基本なので、理解しているという前提で、ここでは省略させていただきます。
問題点はMaterialの場合、再生品の化学的な純度低下と異物混入、PETのみをいかに回収ルートに乗せるかです。
Chemicalの場合、油化技術や高炉原料化技術、ガス化技術等の技術面がまだまだ未発展である点です。当然、Materialに比べて影響は少なくなりますが、物質の純度を上げるための分別回収が課題となります。
Thermalについては23000kJ/kgの発熱量(PETの場合)をどれだけ有効に回収してやるかです。
また、産業系から出るものと一般家庭系から出るものでは回収の純度が異なります。産業系の廃棄PETは純度が高く、家庭系からのPET(これはほとんどがPETボトルです)は純度が低くなりがちです。(家庭ではラベルをはがさなかったり、きれいに洗浄していなかったり…)ということで、家庭系からのものはmaterialやchemicalは困難という問題点があります。
さらに、LCA(Life Cycle Assessment)の観点から考えても、果たしてそのリサイクルが適切であるかどうかという問題もあります。リサイクルにかかるエネルギー負荷や環境負荷というマイナスポイントとリサイクルに伴うプラスポイントとの調和を、いかにバランスよく行っていくかということです。
少し難しくはなりましたが、現状でのPETリサイクルの問題点を挙げてみました。これでいかがでしょうか?
No.3
- 回答日時:
最近、テイジンがPETのケミカルリサイクルを大々的に進めています。
品質、不純物、着色剤などの問題はなく、飲料用ボトルへの使用も食品安全委員会の認可を得たと言うことです。転換エネルギーをかなり低くしたということですがその点で今後評価していく必要があると思います。
参考URL:http://www.teijin-eco.com/ecoproducts/tec_06.html
No.1
- 回答日時:
PETこれまでのリサイクルはたった一回作業服にしたりハンガーにしたりで免罪符を得てきました。
最近はホントのリサイクルが確立されようとしています。
アルミは製造コストに占める原材料費が高価なためかなりのリサイクル率になっています。
さてPETのリサイクル率がビール瓶ほどに上昇したとしましょう。ならば許されるのでしょうか。
魚や肉を陳列する発泡スチロール製のトレイも最近リサイクル率が上がってきました。ならば許されるのでしょうか。
PETもトレイも石油製品です。ここのところに目をつぶって議論が進んでいます。
PETリサイクルの問題点
1.キャップが別の材質で出来ています。
2.フイルムのカバーがリサイクルには邪魔です
3.回収にコストがかかりすぎます。(がさばって運送に不利です)
4.リサイクルをする施設が民間では採算ベースに乗りにくいです。
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