「これはヤバかったな」という遅刻エピソード

一般に大学教授になるのは狭き門と言われていますが、医学部の場合はどうでしょうか?
他学部の場合は博士課程修了者の空きポストが殆どないので正規雇用の大学教員職に就くのがそもそも大変だと聞きますが、医学科の場合は博士号取得後と同時に医局内で研究者としての地位を確立できるのですよね?
となりますと、教授まで出世するのは他学部の場合はアカデミックの入り口での激しい競争となり、医学部の場合は大学病院内での競争となる様に見えます。
そうなるとどちらの方が、結果的に教授職に就くのが狭き門という事になるのでしょうか?
医学部の組織構造や出世競争はかなり特殊だと聞きましたので、詳しい方にご教授いただきたいですm(_ _)m

A 回答 (1件)

医学部の場合、大きく分けて臨床系と基礎系の教員がいるので色々話がややこしくなります。

臨床系の中でも花形のいわゆる外科、内科、などに属する大講座の教授の場合は、多くの場合単なる実績や経験だけではなくてその教授選を取り巻く推薦者のパワーバランスとかも大きな影響力を締めます。例えば地方の医学部や底辺私大で有名な国立医学部出身者の教授が多い大学などの場合はそういう大学の師弟関係でお声がかかって教授が選ばれることも結構多いので、純粋な公募でのガチンコ勝負出ないことが多いです。よって、いわゆる白い巨塔のような臨床の世界で教授になりたい人は大学受験の段階である程度影響力のある大学で医者になって医局で長い間でっちをするか、最低でも臨床研修以降でその大学閥の医局で出世競争を勝ち抜いてお声をかけてもらう必要があります。ここまで書くと、「結局コネか」という人がいますが、実際にはコネ要素もあるけど、それを人望と捉えるなら、その人望の得かたとしてボスとしての調整役や人間関係という言い方もできます。さすがに今の時代相当の臨床での無能がメジャーな臨床系教授になることはないですが、臨床能力だけで教授になれるかというとそれを武器に気に入られて教授になる人”も”いるという感じで、単純な話ではないということです。ま、超優秀なプログラマーが必ずソニーやニンテンドーの社長になるわけではないのと似たような部分があります。医者の世界は基本的には受験エリートの集まりですので、その意味でいうと官僚の出世競争に近い雰囲気はあるのでしょうかね。外科などの能力で唸らせることのできる分野ならそういう風にして教授になる人もいるが、一般内科などは一概に言えないということです。

臨床以外の基礎系の教授はどうでしょうか?これも、病理、法医学(解剖学)などといった直接患者を見る専門の医者じゃないけど必要な臨床系科目の教授はいます。これらは大学医学部や病院として必要な講座なので医師免許がないとなれませんが、臨床医の世界では比較的不人気なので医師免許があって研究実績がそこそこある人が上手くやれば以外といいところまでいけたりすることも多いです。ただ、病理や解剖などの日常的な業務はあるし、そもそも実績が微妙な医者が研究をやろうとしても競争的資金は大して取れないので、結果的に大した研究ができず中途半端になります。それ以外にも、○○解剖学講座、などの教授の場合は、臨床より研究実績が求められてることも多く、学部授業をやるために医師免許が必要だけど、実際はほぼ基礎実績が買われて教員になってる人も多いです。この場合は基礎の教授に近いです。
 あとは、医学部所属の研究所とか、医学部付属の研究科所属のMD, PhD持ちの教授で、基礎研究しかやってない立場の教員。この場合は理系の他学部とほぼ同じで、ポスドク等を経て若手研究者として実績を積み、プレゼンして自分の研究スタイル分野を確立して公募に打ち勝って教授の枠をゲットする競争に勝ち取ることになります。non MDが教授になることも多く、MDであることで研究スタイルでプラスになる可能性はあっても、それ自体で採用に有利になるかというとそうでないガチンコ勝負のことが多いです。

>医学部の組織構造や出世競争はかなり特殊だと聞きましたので、詳しい方にご教授いただきたいですm(_ _)m

教授という職業を一般的な会社員でどの位置付けに置くか次第ですが、ぶっちゃけ世界的にもアカデミア研究員の地位は教員になれないと不安定で、ポストが限られてるので大変です。一部でやりがい搾取などいろんな意見がありますが、基本的にはなりたい人の割合に対してなれる枠が少ないからそうなってるとしか言いようがないです。日本の場合それが新卒枠だったり、大企業の終身雇用などといった一般的な中上流労働者層の雇用市場との流動性がないことが特にブラック企業体質になりがちなところがあります。研究者で教授になれるかなれないかでいうと、もちろん実績も重要ですが、枠が少ない以上運の要素も少なくないので、その意味で言えば会社で同期で役員になれるかどうか、官僚が課長より上になれる枠が少ないのと同じようなことだと思います。ただ、上でうように、独立した研究者として教授になれるかなれないかで雇用の安定性などの観点から大きくその研究者としての立場が守られるかが異なるという意味において、アカデミアで教授になれない人は大変=教授にならなくてはいけない、という話になるだと思います。

ちなみに、医学部の主に臨床系でいうと、ぶっちゃけ教授になれなくてもそもそも医師免許があるし、出世競争で負けてもある程度の立場まで行ってればその地域のどこかの総合病院の部長や雇われ医院長などになるルートはいくらでもあるので、その辺の大企業サラリーマンよりもよっぽど選択肢は多いし、待遇も悪くありません。むしろ、大学教授の方が雑務は多いし、色々な人間関係、丁稚、社会的な役割などを考えたよっぽど給与は低いですし、大変で、割にあいません。ぶっちゃけ名誉職です。有名な大学のメジャーな教授になるレベルで、民間企業で言えば誰もが知ってる比較的安定な上場企業の執行役員になるぐらいのレベルの出世でしょう。単に教授を目指すだけで日本の医学部ならどこでも問わないならなりたいならば上場企業の役員クラスの競争って感じですかね。色々例外はもちろんありますよ。(医者全体が受験エリートの集まり=上場企業に入社する人が受験エリートの集まり、ですから)。
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この回答へのお礼

非常に詳しい回答をいただき、ありがとうございます。まず医学部の教授の中でも基礎系と臨床系では選考手法から求められる実力まで異なっていて、臨床系の方は研究、臨床に加えて学閥や政治力が重要なのですね。
また、他学部との比較に関しては、確かに最初から研究者として金を稼げなければならない非医師と経済的な安定性が保証されている医師とではポスト以前に精神的な負担の差がありますね。某記事では東大京大でも10〜30%しか教授になれないと書いてありましたが、そもそも教授を何が何でも目指す絶対数が100%ではない事を考えると、他学部より比較的に就きやすいのかもしれません。ですが、あの恐ろしい程の難関をくぐり抜けた天才集団の中での競争である事を考えると単に比率だけで考えるのは難しいなと思いました。
また、日本の博士号取得者は医学が一番多いという事実と医学部の数が80数しかない事実を見ると、やはり同じレベルの高学歴集団である一流企業と中央官庁で幹部になるのと同じくらい難しいという事が分かりました。

お礼日時:2022/02/17 21:08

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