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塩化カルシウムに含まれるカルシウムイオンのモル濃度を調べるために行う中和滴定についての質問です。参考書の記述には、「塩化カルシウム水溶液をホールピペットで一定体積とり、陽イオン交換樹脂に通す。
すすいだ水を含めた流出液をコニカルビーカーで受け、pH指示薬を加えて濃度の分かっている水酸化ナトリウム水溶液で滴定する。」と書いてありました。ここで2つ質問があります。

中和滴定というのはモル濃度を調べるものだと思うのですが、なぜすすいだ水を含めてもモル濃度が変わらないのですか?最初にホールピペットでとった分以上の、余分な水を含めてしまうと、体積が大きくなってしまうと思うのですが、どうなんでしょうか?

A 回答 (1件)

まず一つ目のポイント、中和滴定は酸や塩基の未知濃度を決定することに良く用いますが、中和の量的関係は濃度ではなく物質量(いわゆる"モル")の関係だと言うことです。


ホールピペットでとったときに決定されるのは、塩化カルシウム(およびカルシウムイオン)のモル濃度×体積=物質量(いわゆる"モル")です。そして、カルシウムイオンが水素イオンへと交換されますので、塩化カルシウムを陽イオン交換樹脂に通して得られる水素イオンの物質量も決定されます。

そして、2つめのポイント。
陽イオン交換樹脂に溶液を通しても、同じ体積だけ流出してくれるとは限りません。
台所のスポンジに水を通してみて下さい。スポンジに付いちゃうので最初に通した水の体積とおなじだけ、スポンジから水が流れ出てくるわけではありませんよね。
では次に、洗剤をスポンジに含ませてから水ですすぎます。すると、しばらくはスポンジから洗剤を含んだ水が流出し、何回かすすぐことでようやく洗剤をほぼ含まない水が出てくるようになります。

これと同じで、イオン交換樹脂に塩化カルシウム水溶液を通して、最初に流出する液だけでは交換によって生じた水素イオンを全て取り切っていないことになります。これを全て回収するには、何度かすすぐ必要がありますね。
何度かすすぐことでカルシウムイオンと交換されて生じる水素イオンの物質量と、回収された水素イオンの物質量がほぼ一致します。
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