No.2ベストアンサー
- 回答日時:
・斎藤茂吉『赤光』のなかの『死にたまふ母』にある短歌
一つ。「母の死」を見た彼のまなざしは、「母の死」を即物的な現象としか「知覚」していない。「のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて」という描写には、カメラのレンズが捉えるような瞬間しかない。その瞬間は、主観的な意味付け、つまり「知覚」に伴う「記憶」の主観的な選別を排除する。それは、単なる現実的瞬間である。彼の中にあった「母」という存在の「持続」は、「母の死」という「経験」不可能な「知覚」によって途切れてしまう。この「途切れ」こそが、「のど赤き…」という瞬間に露呈している。ここでは彼は、「母の死」の現実的瞬間に継起した、「経験」不可能な「知覚」に直面しているのだ。
・石川啄木
人間だれもが抱く望郷の情を歌ったもの
やわらかく柳の芽が青く色づいた北上川の岸辺が目に見えるようだ。いかにも思郷の涙をさそうかのようにという意味。
・若山牧水
寂しさが尽き果てる所にある、「安息の地」を求めて、旅を続ける牧水。空と海の一面の青色に染まることなく、凛として際立って漂う白鳥に、作者の憧憬の念を読み取ることができそうです。そうして、旅先で目にする物事に触発されながら、魂の赴くまま今日も旅をする
・折口信夫
村の近くにある山の松の木立に日の光が差し込んで、そこを明るく照らし出している。ひっそりと遙かな感じのたたずまいを見せる旅人の墓よ。
北上が川だったとは思ってませんでした。
1番目の歌は、母が死んで悲しんでいるのかと思っていましたが、そこまで奥の深いものなんですね。
No.5
- 回答日時:
#3です。
#4様の解釈では違反にならない様ですので私の言いたかったこと少し補足いたします。#4様が良い例をお出しですので。私は茂吉の歌は鮮やかに生と死を対比させる表現によりなお一層茂吉の母を失った悲しみの深さの表現に成功した歌と思っています。(赤いのど)と(赤い)といゆう言葉により視覚的にも命の躍動感を読み手に惹起させその反対の死をより一層深く表現しきったといつも感じています。しかも赤い喉は温かく柔らかく息ずき茂吉を見下ろしています。脈々と息づきながら。しかし茂吉の母は冷たく硬くなられている。もとより母は息づきはない。茂吉の母を悼む慟哭の歌と私はいつも思っています。しかしお答えに書きましたが#4様のような解釈をなさってもなんら差し支えもなく賛同される方も多くおられることでしょう。こんなことをお伝えしたかったとゆうことでご了解下さます様お願い申し上げます。最後までお読み頂き有難うございます。皆さん、回答ありがとうございました。
とてもよい勉強になりました。
国家II種では文章理解の分野には古文はでてこないのですが、文学・芸術の分野で、与えられた短歌の作者名を選択肢から選ぶくらいのものが出てきたりします。
いつの日か高校の古文を学習する機会があればと思っております。
No.4
- 回答日時:
この質問は、マナー違反ではないようです。
実は以前マナー違反の質問に回答して削除された経験をもっています。しかし、試験は作者名を問うているので、内容についての質問は「あり」でしょう。No.3の方、ぜひ一首でも答えていただきたかったですね。No.2の方、すごい突っ込みですね。ただ、これは単純な解釈ではなく、批評文と言えるでしょう。わたしの見方は、この歌は母がまだ生死の境をさまよっている折の歌だったと記憶しています。(記憶違いの可能性あり)「梁にいるのど赤き玄鳥(つばくらめ)二つ」は、あの世から母の魂を迎えに来た使者のように不吉に感じられたのだと思うのですが、どうでしょう。牧水の場合は同じ作者の「白鳥の…」の歌を取り込んだ手法をおもしろく拝見しました。個人的な感想をいうと、わたしはこの「幾山河…」の歌は嫌いです。好む人が多いようですが。「寂しさ」を感傷的に弄んでいるだけの感じです。「折口信夫(釈超空)の歌の解釈は過不足なしという感じです。
特に、取り上げさせてもらったNo.2の方、失礼があればお詫びします。
いつのまにか深い議論になってますね。
口語訳すらまともにできない私にとっては、とても難しい話です。
詳しい人は、世の中にある短歌の原文をすべて読み尽くしているもんなんですかね。
代々木ゼミナールの元暴走族の講師は、学生時代に原文をすべて読んだようなことをいってましたが。
No.3
- 回答日時:
最初回答をさせて頂こうかと思いましたがあなた様の何らかの見解がなされていないのでルールに触れますことともう一つ短歌や俳句、詩等の意味の解は本来読まれた方の解が正しいのです。
辞書的解釈や試験の解釈は別として読まれて感じられたことが正しい解ということも出来ます。(全く分らないは別として)これは手品の面白さと似ていて解を聞けば意味はわかりますが、種明しのあとの手品を又見るのに似て感動や共感が得られず作品本来の姿が見えなくなります。作者も作品がひとたび世に出ればいかなる解釈をされようとも致し方のないことは覚悟しています。したがってこれからはあなた様ご自身の解で作品を解釈なさればれば興味深くお読みに成れると思います。又ご質問にあげられた作品は難解なものでなく平明な作品ですが味わい深く言葉で説明するとその価値が損なわれて終うものばかりです。他の回答者様とあなた様が感じられていたことと大差ない筈です。それくらいのお力は十分にお持ちのお方と拝察いたしております。最後までお読み頂き有難うございます。すいません、丸投げのような質問の仕方だったと反省しております。
たとえば「足乳ねの母は死にたまふなり」ぐらいは、自分でも訳せたのに、わかっている部分、わかっていない部分を明確に区分せずにただ聞いたのはよくなかったと思います。
回答ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
書いてある事実を歌っただけの歌だと思います。
裏の意味などあるのでしょうか。
「母が死んだ」
「故郷の情景を思い出して泣きそうになる」
「どこ見ても寂寥とした国だなあ」
「こんなところに寂しげにお墓があるね」
をもったいつけて言ってるだけです。私は詩歌の醍醐味はそこにこそ
あると思います。一見不要な情景描写などの飾りが、上の様な単純な
事実の底にある歌人の気持ちを想像させるのです。
「君が代」の内容が「あなたの御代よ長く栄えよ」を、比喩装飾を重
ね立てて大仰にしただけの歌なのに、口にすれば厳かな気持ちにさせ
られるのと似ているのではないでしょうか。
回答ありがとうございます。
これらの歌にこのような感情がこめられているとは想像してませんでした。
古文に詳しい人って、はじめてこれらのような短歌を見ても、そこまで意味がわかるもんなんでしょうか。
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