
下記の例文をお読みのうえの下記の問題をお考えください。
①A高など【の】進学校に進みたい
②A高など進学校に進みたい
●質問1 この【の】の働きは下記の辞書のどれでしょう。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E3%81%AE/#jn- …
当方には適切なものがわかりません。
ほかの辞書をひいてみても同様で、ぴったりのものが見当たりません。
〈②A高など進学校に進みたい〉でも1)と同じ意味で、通じると思います。
ただ個人的な語感では、【の】を入れないなら「、」を加えて(③)、さらに固有名詞を複数にする(④)ほうが自然に感じます。
③A高など、進学校に進みたい
④A高、B高など、進学校に進みたい
通常【など】をつけると、複数(もしくは「そのほかにも何かある」)を表わすと思います。
⑤ジャムパンを食べた。
⑥ジャムパンなどを食べた。
⑦ジャムパン、アンパンなどを食べた。
どれもフツーの文ですよね。
ところが、↑の①〜④は【など】をとると、不自然に感じます。
●質問2 これはなぜなのでしょう。
ここで語順をかえてみます。
⑧進学校のA高に進みたい
⑨進学校のA高などに進みたい
⑩進学校のA高、B高に進みたい△
⑪進学校のA高、B高などに進みたい
⑧〜⑪だと、〈⑩進学校のA高、B高に進みたい〉は少し不自然に感じます。でも、⑧⑨⑪は自然に感じます。
●質問3 〈①A高など【の】進学校に進みたい〉と〈⑨進学校のA高などに進みたい〉に違いを感じますか。
某所でこんな話をしたのですが、不明点が多いのでブログに書きました。
すると、それをmixiに転載して、意味不明で悪意のこもったインネンをつけた人がいます。そういう非常識なことをする人はブロックするつもりですので、あしからずご了承ください。
No.12ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
ごぶさたしております。まあまあ、また面倒な問題を持ち出して。
「NのN」というのが相当やっかいな問題なのに、それに「など」という、文法的性質がよく分からないものが付いた「などの」などという形式を問題にするなんて。
答えはありません。何が問題なのかということを、わからないままに少し。
まず、「NのN」について。
これ、相当やっかいな問題です。大辞泉あたりを持ってきて何とかなるという話ではありません。
大辞泉などは、多くの「用法」を列挙していますが、それで十分だという保証はどこにもありません。
「の」の用法というものは、そのようにたくさん並べあげればどれかに入るというものではない、と多くの研究者が思っているんじゃないかと、私は思います。
私が見た国語辞典の中では、岩波が、編者水谷静夫のせいでしょうか、重要なところを押さえていると思いました。次のところです。
1 カ Aに関連させてとらえたB、という意を表す。どう関連するかは、
文脈によりさまざま。「犬―(=犬が有する)目」「琴―(=琴が発
する)音ね」「対岸―火事」「任意―(=任意に選んでよい)文字」
「私―写真」「現代―社会」「紫―(=紫色を呈する)糸」「若いこ
ろ―父」「新聞社わき―道路」「清水―次郎長」「工程―中でここが
最もむずかしい」「三分―二」(三等分した場合の二つに当たる分
量)
▽西洋語の所有格という考えに引きずられてか、所有関係が典型かの
ように説かれることが多いが、適当でない。例えば「太郎―学校」
は、太郎がその設立者または設立者の後継者の場合でなければ、太郎
が所有する学校の意にはならないが、多くは太郎が属する学校を言
う。その場合にも、太郎がそこの生徒・学生なのか教員なのか事務職
員なのかは、文脈によってしか区別できない。「私―写真」には、現
に私が有する写真、私が撮った写真、私が写っている写真などの意が
可能。「母―手紙を読む」は、普通には母が書いた手紙を言うが、こ
の点を明らかにして「母から―手紙」とも言う。母にあてた手紙の意
なら「母へ―手紙」と言わなければならない。「の」の前に格助詞が
あればこの例の同類。→1イ [岩波国語辞典 第八版]
要するに、「AのB」という時、(この用法の場合は)AとBが何らかの関係にある、ということを示すだけで、それがどういう関係かは、その二つの名詞と文脈による、ということしかわからないのです。いくつかに分類できるようなものではない。
「太郎の学校」の説明がわかりやすくていいですね。「写真」の話はよく使われる例です。「絵」の場合もあります。
ただし、岩波の分析は、この「1カ」とそれ以外の、例えば「1ア」から「1オ」までの用法とどういう対立関係にあるのか、そこがはっきりしません。私の見る限り、あまりうまくいっていないように思います。(いや、もちろん、水谷静夫のほうが、私より、よっぽど優れた研究者なのは言うまでもないのですが、それほど、この「の」の分析は難しい。)
「NのN」についての研究はいろいろあると思いますが、私の知る範囲では、
西山佑司(2003)『日本語名詞句の意味論と語用論』ひつじ書房
がわりとすっきりしたまとめ方をしているんじゃないかと思います。
(これは、何にでもインネンをつける人が前にとりあげて見当はずれの悪口を書いていた本です。)
西山によれば、「NのN」の一つの用法は、
「NP1と関係Rを有するNP2」 (NP=名詞句)
で、これが上の岩波の「1カ」の用法に当たるものでしょう。おそらく、岩波のよりももっと広い範囲の「の」がこれで説明されてしまうのだと思います。
西山の分析については、
三浦晃弘 「「名詞+の」における叙述性の一考察」 『阪大日本語研究』20 (2008)
という論文がネット上にあり、コピーできるので、西山の論を紹介したところを下に引用します。
本稿が対象とする「N1 X N2のN3」の分析を行うにあたって、西山(2003)
は重要な指摘を行っている。「NPlのNP2」について、(i)名詞句それ自体の言
語的意味、(ii)文のなかで果たす名詞句の意味機能(とくに指示的であるか
非指示的であるかという機能)、(iii)名詞句が登場する文の具体的使用(た
とえば発話)における当の名詞句にたいする解釈、という3つの側面に留意
して、以下のA~Eの5種類に分けている。
タイプA: NPlと関係Rを有するNP2
例:太郎の電車、洋子の首飾り、ピアノの音
NPlがNP2に対する付加詞(adjunct)であり、(NPlとある種の関係を持つ
NP2)という意味を持つケース。「太郎の電車」なら、「太郎が所有してい
る電車」「太郎が通勤に使っている電車」「太郎が目下乗っている電車」
と、NPlとNP2の関係の具体的な中身は意味論レベルで予測できること
ではなく、語用論的に補充される。
タイプB: NPlデアルNP2
例:コレラ患者の大学院生、看護婦の洋子、今日,休みの先生
NPlが主要語NP2を修飾するという関係的構造を持ち、(NPlで叙述され
るNP2)という意味を持つケースOこのタイプの表現は「NP2はNPlであ
る」という叙述(「この大学院生はコレラ患者だ」等)を伴う連体修飾節を
なしており、その解釈については意味論的に完結しているために、タイ
プAとは違って意味解釈に語用論が侵入する余地はない。
タイプC: NPlによってNP2の時間領域を指定する
例:東京オリンピック当時の君、着物を着たときの母
NPlがNP2に対する付加詞であり、NPlが時間の領域を指定し、その領域
の中で、NP2の指示対象の断片を固定するケース。
タイプD : 非飽和名詞NP2とその値NPl
例:この芝居の主役、太郎の上司、この大学の創立者
NP2が(非飽和名詞句)(「主役」のように、どの芝居の主役かを指定しない
限りその指示対象が定まらない名詞句)であり、「この芝居の」のような
値をNPlが設定しているケース。
タイプE : 行為名詞NP2とその補語NPl
例:物理学の研究、この町の破壊
修飾語NPlが、主要語NP2の補語になっているケース。(物理学の研究-物
理学を研究する、この町の破壊-この町を破壊する)
このうちのタイプBについて、「NPlの」のもつ、「である」相当の(コピュラ)
としてはたらく性質を西山(2003)では(叙述性)と呼んでいる。「コレラ患
者の大学生」における統語構造を次のように示し、こう仮定することによ
って「「大学生はコレラ患者デアル」という主語一述語関係が明確に捉えら
れ」、表層構造に変換される過程で「デアル」が連体形「の」に変わるとして
いる。 三浦晃弘 「「名詞+の」における叙述性の一考察」第2節
この中で、「タイプB」と「タイプE」はこれまでにもよく言及されたものです。
西山のポイントは「タイプD」で、これが興味深いものです。まあ、興味があったら買ってお読みください。
「NのN」の研究として、西山の論がどの程度うまくいっているのかは、私にはとうてい判断できませんが、大辞泉のような「用法列挙」型で、はい、どの用法でしょうか、と言ってどうにかなる話ではないのだと、それは強く思います。どの用法でもない、わからないものがたくさんあるのだろうと思います。それらの多くは、上の「タイプA」で、「NPlと関係Rを有するNP2」としか言えず、その意味は「語用論」の問題だ、という西山の論に基本的に賛成です。(「語用論」とは何ぞや、というのがまたよく分からないのですが。)
大辞泉も、大きく「諸種の関係を表す」と言っていますが、それらを列挙すれば済むと思っているようです。そこが岩波の水谷静夫や西山と決定的に違うところです。
で、質問の例をとりあげると、
A高校などの進学校
は、後で述べるようになんだかわからないのですが、(おそらく「タイプA」)
進学校のA高校(など)
のほうは、この「タイプB」で、
進学校であるA高校
A高校は進学校だ
と言え、名詞の関係がはっきりしています。
上の説明にあった
その解釈については意味論的に完結しているために、タイプAとは違って
意味解釈に語用論が侵入する余地はない。
くっきりわかるタイプ、です。
さて、次の「など(の)」の問題ですが、字数制限でNo.12に続きます。
ごぶさたしております。
ブログのほうは拝見しております。
「勉強になります」と書きたいところですが、形容動詞の話、動詞の自他の話〝など〟、あまりにも奥の深い話でどう考えればいいのか……。
Facebookで数人の知り合いとグループチャットをしているのですが、しばしば話題にさせていただいております。
できればもう少しレベルを下げて、もうもう少し頻度を上げていただけると……。
===========引用開始
まあまあ、また面倒な問題を持ち出して。
「NのN」というのが相当やっかいな問題なのに、それに「など」という、文法的性質がよく分からないものが付いた「などの」などという形式を問題にするなんて。
===========引用終了
申し訳ございません。もともとは↑のグループチャットで出た話で、当方が持ち出した問題ではありません。
ちょっと考えただけでどうにもならない気がしました。
「助詞の本質」とやらをご存じのかたには簡単な話のようですが(笑)。なんて羨ましい。ハハッ。
↑のリンク先に書いたように、「①A高など【の】進学校に進みたい」の「の」は「(一)(B)属性の連体修飾を構成する(aがbの属性となる関係)②材料・構成物を意味する。」(集英社国語辞典 第二版)が近い気がします。
岩波の「㋕Aに関連させてとらえたB、という意を表す。どう関連するかは、文脈によりさまざま。」はあまりにも範囲が広くて……。
>要するに、「AのB」という時、(この用法の場合は)AとBが何らかの関係にある、ということを示すだけ
なのかもしれません(泣)。
>タイプD : 非飽和名詞NP2とその値NPl
……わからない(泣)。
これに「など」の話が絡むのですから、わからないはずです。
こんなありふれた言葉の使い方さえわからない(ありふれたものほどわからない?)……。
>しかし、今回の、連体修飾「NなどのN」の場合に省略できない場合がある、という問題の発見は、私にとっては実に興味深い言語事実でした。
>これが、まだ研究者の中で論じられていない問題ならば、非常に面白い発見だと思います。
素人がああでもないこうでもないと考えていると、たまーにそういう発見があるのかもしれません、
不明点がいろいろあります。もう少し悩んでみます。
No.18
- 回答日時:
この方は、
①A高など【の】進学校に進みたい。
という構文に関して、
#2では、
《㋖関係・資格。…にあたる。【…としての】。》
という用法だと回答している。
#11でも、
《 ★ A高などの進学校
は、A,B,C と複数ある高校の代表としてのA高という意味で、これらの高校が進学校という関係であることを「の」で表しています。》
と回答している。
#2と考えは変わっておらず、
《㋖関係・資格。…にあたる。【…としての】。》
という用法だと言っている。
しかし、#17では、おっしゃるように、
《格助詞「の」は所属・所有の関係認識を表すのがその原義です。
①A高など【の】進学校に進みたい
では、「進学高」という体言(名詞)の連体修飾語が「A高など」で、これは複数ある学校の例示になっています。その例示と進学校の所属関係が格助詞「の」で表されているということです。》
と言っている。
つまり、
《㋖関係・資格。…にあたる。【…としての】。》
という用法から、
《㋑所属。…に属する。…のうちの。「財務省―事務次官」》
という用法に考え方を変えたということですね。
そして、これは、すでに当方が#5で、
《㋑所属。…に属する。…のうちの。「財務省―事務次官」
に該当するのでしょう。》
と回答した用法とまったく同じです。
でありながら、
《No.15 の方(=当方のこと)は<助詞>の本質が全く理解できないことを恥ずかしげもなく晒し続けられていますが、そのような寝言をいくら並べても何の解決にもなりません。》
と宣っておられる。
おそらく、どこかお悪いのだと思います。
かわいそうですね。
No.17
- 回答日時:
質問者は「働き」という機能に逃避する時点で言語とは何かが理解できていないことを露呈しています。
それは、No.13 と同じで現在の言語本質を捉えられない言語論の欠陥、限界です。
語は意義を表すもので、その意義を明らかにすることが必須です。
格助詞「の」は所属・所有の関係認識を表すのがその原義です。
①A高など【の】進学校に進みたい
では、「進学高」という体言(名詞)の連体修飾語が「A高など」で、これは複数ある学校の例示になっています。その例示と進学校の所属関係が格助詞「の」で表されているということです。
No.15 の方は<助詞>の本質が全く理解できないことを恥ずかしげもなく晒し続けられていますが、そのような寝言をいくら並べても何の解決にもなりません。■
No.16
- 回答日時:
No.13 の発想の誤りについて
長いだけで何の取り柄もない、しりすぼみの話で、お粗末な回答ですが、これも
対象→認識→表現という言語表現の過程的な構造が理解できないための形式主義/機能主義的な発想の誤りです。
文は話者の認識を表すもので、単なる語の羅列ではありません。文は語の意義を媒介として意味を表すもので、認識との対応無しに語を並べ替えても何の意味もありません。
>>ヲ格やガ格など(連用格)の場合に成立しない例があるかどうかはわかりません。それを見つけたら、解決の糸口になるか、より混迷の度が増すか。
ノ格、つまりは名詞の連体修飾の場合に、「など」を取ると成立しない例がある。それはなぜか。
これは話者の認識とは無関係に「など」を取ると成立する、しない、などという語の単なる、付加、削除、並べ替えという形式の問題に過ぎません。これでは、解決の糸口には全くならず、より混迷の度が増すだけです。
こうした形式主義/機能主義的な発想では語の意義、文の意味を扱うことはできません。
以前に、その誤りを何度も指摘しましたが未だに理解できていないようです。
↓
庭 三郎『現代日本語文法概説』に見る非論理性―機能主義文法論の迷妄
https://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=2748&id=9466 …
他
事実を山ほど集めて、そこから素晴らしい結論が出るだろうなんて期待するのは、学問の邪道。(時枝誠記『国語学への道』)
だという警告も、この際思い出してもらいたいものです。■
No.15
- 回答日時:
#10です。
#11で妙なことをおっしゃっている方がおられるので、一応指摘しておきます。
ま、毎度のことなので慣れっこかもしれませんが。(笑)
> ★ A高などの進学校
は、A,B,C と複数ある高校の代表としてのA高という意味で、これらの高校が進学校という関係であることを「の」で表しています。
:
と宣っておられますね。
しかし、これは全くの認識違い。
#2での間違いを繰り返しており、まさに 〇の上塗り というやつ。(笑)
㋖関係・資格。…にあたる。【…としての】
という大辞泉の語釈の意味をまったく理解していない証拠です。
「友達の田中君」
「妻 (め)の女」
という例が挙がっているように、
「 A の B 」という構文は、
「 A にあたる B 」
「 A としての B 」
という意味であることが理解できていない。
「A高などの進学校」が同じ用法だと言うのは、
「 A高など にあたる 進学校 」
「 A高など としての 進学校 」
という意味だと言ってるのと同じこと。
まさかね?
《これらの高校が進学校という関係であることを「の」で》表わしたいなら、
「進学校のA高など」
と前後を入れ替えて表現する必要がある。
そうすれば、
「 進学校 にあたる A高など 」
「 進学校 としての A高など 」
という意味になる事ができる。
だから、《間違いだ》とはっきり言ってやらないと、こういうわけのわからん主張を何度も繰り返す輩が出てくるわけです。
こういう初歩的間違いをしているくせに、
《質問者は、
対象→認識→表現と云う表現の過程的な構造
が捉えられないために、話者の認識を抜きにして対象と表現を直結して理解するしかないために混乱した解釈を展開することになっているということです》
などと偉そうな口を叩く。
まったくたまったもんじゃありませんな?(笑)
当方がコメントしたのはNo.1のかたに対してであって、本質坊主に対してではありません。
本質坊主に何か言う気はありません。何を言ってもムダですから。
何かヒントになることでもあれば……と考えて気まぐれでブロックを外しますが、あいもかわらず……。
書いていることが一方的で的外れ、間違いを指摘しても認めません(理解できないのかも)。
そんなコメントに返信しても泥沼が待っているだけです。
No.14
- 回答日時:
No.13 の回答に応えて
>>これはあまり文法的に興味深いところがないと考えられてきたのか、詳しい分析をした論文はなさそうです。
<副助詞>および、「など」については、
三浦つとむ『日本語の文法』の 第九章 <助詞>の特徴をめぐる諸問題
で本質的な議論がなされていますので是非参照下さい。
「取り立て」などという機能主義的な理解では<助詞>の本質を正しく捉えることはできません。■
No.13
- 回答日時:
No.11の続きです。
次の「など(の)」の問題。まずは例をいろいろと。1「など」の有無にかかわらず成立する例
ミカンやリンゴなどを食べる ヲ格+動詞
ミカンやリンゴを食べる
リンゴなどを食べる
リンゴを食べる
ミカンやリンゴなどが並んでいる ガ格+動詞
ミカンやリンゴが並んでいる
リンゴなどが並んでいる
リンゴが並んでいる
ミカンやリンゴなどの皮を使う ノ格+名詞
ミカンやリンゴの皮を使う
リンゴなどの皮を使う
リンゴの皮を使う
2「など」がないと成立しない例
ミカンやリンゴなどの果物を食べる ノ格+名詞
?ミカンやリンゴの果物を食べる
リンゴなどの果物を食べる
?リンゴの果物を食べる
ヲ格やガ格など(連用格)の場合に成立しない例があるかどうかはわかりません。それを見つけたら、解決の糸口になるか、より混迷の度が増すか。
ノ格、つまりは名詞の連体修飾の場合に、「など」を取ると成立しない例がある。それはなぜか。
3 類例いろいろ
a ミカンやリンゴなどの絵 ミカンやリンゴの絵(値段・味・色・形・産地)
コメや麦などの穀物 ?コメや麦の穀物
机やいすなどの家具 ?机やいすの家具
鉛筆やノートなどの文房具 ?鉛筆やノートの文房具
b 湯川や朝永などの物理学者 ?湯川や朝永の物理学者
湯川や朝永などの研究 湯川や朝永の研究(は独創的なものだ)
中国や韓国などの隣国 ?中国や韓国の隣国 [日本の隣国、の意で]
中国や韓国などの文化 中国や韓国の文化(と日本の文化の違い)
トヨタやホンダなどの車 トヨタやホンダの車(工場・社員・知名度)
トヨタやホンダなどの大企業 ?トヨタやホンダの大企業(自動車会社)
岩波や三省堂などの国語辞書 岩波や三省堂の国語辞書
新明解や日国などの国語辞書 ?新明解や日国の国語辞書
犬や猫などの飼い方 犬や猫の飼い方
犬や猫などのペット ?犬や猫のペット
c 中国やロシアなどの独裁者 中国やロシアの独裁者
中国やロシアなどの独裁国家 ?中国やロシアの独裁国家
中国やロシアなどの独裁政治 中国やロシアの独裁政治(を研究対象にする)
d 杉や松などの木(を植える) 杉や松の木(を植える)
杉や松などの針葉樹 ?杉や松の針葉樹
杉や松などの葉 杉や松の葉
e ユリや菊などの草花 ?ユリや菊の草花
ユリや菊などの花 ユリや菊の花 (葉でなく、花)
f ヲ格やガ格などの場合 ヲ格やガ格の場合
ヲ格やガ格などの連用格の場合 ?ヲ格やガ格の連用格の場合 (言える?)
4 考察?
「など」の有無で言える場合と言えない場合をどう特徴づけるか。
ここでまた「の」の問題に帰ります。
「の」で結び付けられるはずの二つの名詞(句)はどのような関係を持つ名詞(句)か
上のa,bの例を見てすぐ思うことは、N2がN1をその要素とするような集合を表す名詞の場合、「など」が省けないのでは、ということ。
別の言い方をすると、「N1はN2(の一つ)だ」と言える場合、「など」が省けない、のでは。
リンゴやミカンは果物だ コメや麦は穀物だ 机やいすは家具だ
湯川や朝永は物理学者だ 中国や韓国は(日本の)隣国だ
トヨタやホンダは大企業だ 新明解や日国は国語辞書だ
cはどうか。
中国やロシアは独裁国家だ
中国やロシアは独裁政治だ
後者は「(の一つ)」ではない?
dの例。
杉や松は針葉樹だ
杉や松は木だ(草ではない)
しかし、「杉や松の木」は、
杉や[松の木]
になっていないか? 言い換えれば、「松の木」は「松」と同じ意味になっていないか。
杉や松などの材木 杉や松の材木 (言える?)
杉や松は材木だ ??
わからん。(自分の内省(文法性判断)だけに頼っていると、こういう迷路にはまります)
eの例。
ユリや菊などの草花 ユリや菊は草花だ ?ユリや菊の草花
ユリや菊などの花 (葉でなく、花) ?ユリや菊などは花だ
ユリや菊の花 (葉でなく、花) ?ユリや菊は花だ
これも「菊の花」という言い方が「菊」そのものを表せることが判断を迷わせる。「菊の葉」と対立するのではなく。
「ユリや菊などは花だ」が「~花の名前だ」の意味なら言えそう。
5「など」の先行研究
この「など」は国語辞典では副助詞になっていますが、並列助詞にする考え方もあるし、接尾辞だという文法書もあります。(国語辞典は、基本的に学校文法に従うので、「並列助詞」は立てない。)
「など」は副助詞、取り立て助詞などとして、次のような用法が注目され、分析されています。
私などにはとてもできません。
あいつなどにあげなくていい。
一人で行くなど、危険すぎる。
コーヒーなど、いかがですか?
話しことばでは「なんか」「なんて」などで置き換えられる用法です。
それに対して、今問題になっている用法は、「例示」、その他にもある、という意味合いを持つものです。これはあまり文法的に興味深いところがないと考えられてきたのか、詳しい分析をした論文はなさそうです。まあ、私が知らないだけかもしれません。
誰か「副助詞・取り立て助詞」を研究している専門家に聞いてみたいところです。
研究書はいろいろ出ています。沼田善子、中西久美子、澤田美恵子など。
アマゾンで「とりたて助詞」で検索してください。
ただ、「例示」の「など」について詳しく書いてあるかどうか。
6 問題の見通し
さて、例示の「など」については、「~や~やなど」という文型で、「など」は省略可能、というのがこれまで一般的な考え方だったと思います。(私の狭い知識の範囲では、ですが)
しかし、今回の、連体修飾「NなどのN」の場合に省略できない場合がある、という問題の発見は、私にとっては実に興味深い言語事実でした。
これが、まだ研究者の中で論じられていない問題ならば、非常に面白い発見だと思います。
「例示の「など」の一つの制限」というだけなら文法全体の中では小さな問題ですが、上で見たように「の」で結べない二つの名詞の関係がある、ということのほうがより大きな問題だと思います。
西山佑司によれば、「NPlと関係Rを有するNP2」という関係で「の」が使えるというのですが、
NPlがNP2という集合の要素である
という関係で「NP1のNP2」とは言えない、のはなぜなのか。(「×リンゴの果物」)
「NP1のNP2」が言えるタイプの分類ではなく、言えない場合の一つの「タイプ」を示すことができたのならば、西山の論に対する大きな「論点の追加」になるのではないか。
「NP1のNP2」という構造は、日本語文法研究の中でけっこう大きな問題だと思います。
そしてもちろん、「など」をつけるとそれが言えてしまう、という現象の説明が必要です。(「リンゴなどの果物」)
副助詞の「など」は、元の構造に付け加えられるものだ、と考えられます。あってもなくてもいい。
リンゴを食べる
リンゴなどを食べる [リンゴ[など]]を 食べる
リンゴの皮
リンゴなどの皮
[リンゴ][皮]→[リンゴ]の[皮]→[リンゴ[など]]の[皮]
「りんご」と「食べる」、「りんご」と「皮」の関係で構造が決まる。そのあとに「など」が加わる。
それに対して、問題になっている「など」は、元々構造にあると考えたほうがいい。
×リンゴの果物 ×[リンゴ]の[果物] cf.「リンゴという果物」
リンゴなどの果物
[リンゴ[など]][果物]→[リンゴなど]の[果物]
「りんご」と「果物」の関係では「の」で結ぶ構造は作れない。
「リンゴなど」と「果物」の関係で、「の」の構造が許可される。
では、「リンゴなど」という名詞句はどういう意味を持ち、それがなぜ「~の果物」という形を作れるのか。
「みかんやリンゴ」と「みかんやリンゴなど」との違いは何か。
「要素の列挙」+ の +「集合」
という構造は成り立たず、
「例示としての要素の列挙」+ の +「集合」
という形は可能である。それはなぜか。
ここをずーっとあてもなく考えているのですが、わかりません。
こんな簡単な、日常的な言い方の構造がなぜわからないのか。これが面白くて文法の勉強を始めたのですよね。わからないから面白い。答えがあるのかどうか、誰かが答えているのか。
とまあ、しりすぼみの話で終わります。お粗末様でした。
>まだ研究者の中で論じられていない問題ならば、非常に面白い発見だと思います
とのおほめの言葉をありがとうございます。励みになります。
ほめては……いないか(泣)。
少し考えてみたのですが……とりあえず時間切れのようです。
「NのN」だけでも、十分訳がわかりません。
ない知恵をこねくり回しているうちに何か浮かべばよいのですが。
あいかわらずの問答も続いていますが、まともそうな質問にはたまにコメントを頂けることをお待ちしております。
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/13205253.html
No.11
- 回答日時:
>>
>「など」がついたら複数のものを指すだけですよね?
フツーはそうなんですか、この場合は違うような……。
<「など」がついたら複数のものを指す>と云う理解が誤りです。
先にも引用の通り、
など【等・抔】
〔助詞〕
①ある語に添えて、それに類する物事が他にもあることを示す。
で、同類の存在を前提とした表現ということです。
★ A高などの進学校
は、A,B,C と複数ある高校の代表としてのA高という意味で、これらの高校が進学校という関係であることを「の」で表しています。
当然、【など】をとると、それに類する物事が他にもあることを示せなくなるので意味が異なります。
したがって、
>>①A高など【の】進学校に進みたいを書きかえると、
A高【の】ような進学校に進みたいでしょう。
ではありません。A,B,C と複数ある高校の代表としてのA高であって、進学校であるB,C でも同様という意味で、「A高【の】ような進学校」ではありません。
質問者は、
対象→認識→表現と云う表現の過程的な構造
が捉えられないために、話者の認識を抜きにして対象と表現を直結して理解するしかないために混乱した解釈を展開することになっているということです。■
No.10
- 回答日時:
#9です。
>【「㋖関係・資格」という用法というのは間違いだ】とおっしゃっていたはず。
「間違い」などとどこに書いていますか? 当方は質問している立場なので、よほどのことがないとそんなことは書かないはずです。
:
《〈①A高など【の】進学校に進みたい〉の場合、「A高にあたる進学校に進みたい」にはできないでしょう。》
とおっしゃっていたと思いますが、これは、
【「㋖関係・資格」という用法というのは間違いだ】
という意味で書いたのではないのですね。
どうも失礼しました。
しかし、間違いという意味で書いたのでなければ、
《〈①A高など【の】進学校に進みたい〉の場合、「A高にあたる進学校に進みたい」にはできないでしょう。》
というのは、
【「㋖関係・資格」という用法というのは正しい】
という意味で書かれたということにならざるを得ません。
これは矛盾だと思うのですが、ご自身としては、特に矛盾しているとは思わないとお考えになるわけですか?
> これ以上当方の言葉を曲解して質問されてもお答えできないと思います。
:
どの部分を指して曲解とおっしゃっているのでしょうか?
《〈①A高など【の】進学校に進みたい〉の場合、「A高にあたる進学校に進みたい」にはできないでしょう。》
という表現は、
《〈①A高など【の】進学校に進みたい〉の場合、「A高にあたる進学校に進みたい」と捉えるのは間違いでしょう。》
という意味以外の何物でもないと思いますが?
No.9
- 回答日時:
#8です。
> ↓のやり取りをご確認ください。
:
確認してもわからないのでお尋ねしています。
#1では、
《〈①A高など【の】進学校に進みたい〉の場合、「A高にあたる進学校に進みたい」にはできないでしょう。》
とおっしゃっている。
つまり、
【「㋖関係・資格」という用法というのは間違いだ】とおっしゃっていたはず。
しかし、#7では、
「㋖関係・資格」という用法は、
《別に勘違いではないと思います。》
とおっしゃっている。
つまり、
【「㋖関係・資格」という用法というのは間違いではない】とおっしゃっている。
トビさんのご見解としては、どちらなのですか?
とお尋ねしたわけです。
別に難しい質問ではありませんよね?
>【「㋖関係・資格」という用法というのは間違いだ】とおっしゃっていたはず。
「間違い」などとどこに書いていますか? 当方は質問している立場なので、よほどのことがないとそんなことは書かないはずです。
当方の考えはリンク先に書いています。
これ以上当方の言葉を曲解して質問されてもお答えできないと思います。
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質問の前提にあるのは、下記です。
【A高などの進学校(に進みたい)の【の】 辞書】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12770839270.html
非常識な書き方しかできないホニャララがいるようなので、ブロックします。
とんても残念な人ですね。
No.2で
〈㋖関係・資格。…にあたる。【…としての】。〉
と書いた人が、No.17では
〈格助詞「の」は所属・所有の関係認識を表すのがその原義です。
①A高など【の】進学校に進みたい
では、「進学高」という体言(名詞)の連体修飾語が「A高など」で、これは複数ある学校の例示になっています。その例示と進学校の所属関係が格助詞「の」で表されているということです。〉
と書いている。
大丈夫なんだろうか。ヒトゴトながら心配になる。
ちなみに〈mixiに転載して、意味不明で悪意のこもったインネンをつけた人〉は下記です。
例によってまともな反応をした人はいません。
はは、まともじゃない反応さえないか。
【<副助詞>「など」の意義について】
https://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=2748&id=9936 …