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ヤカンで水を沸かしている時、沸騰するほんの直前に、グツグツと湧く音が一瞬止みますがどうしてでしょう。
ヤカンは沸騰するとピーとなる仕組みのものですが、熱くなるにしたがって水が沸く音もだんだん大きくなってきますよね。それが沸騰するほんの直前、音が止んでからピーっと鳴り出すんです。
ヤカンを火にかけたまま他の事をしている時など、その一瞬を合図に火を消しに行ったりするので聞き間違いではないと思います。
これは科学ではどのように説明されるものでしょうか。教えて下さい。

A 回答 (4件)

水の沸騰は結構複雑です。



<第一段階>
まずコンロで加熱しているのはやかんですから、やかんの温度が上昇し、それがやかんの壁面に接している水に熱が伝わります。

それにより次に水の温度が上昇し始めます。

壁面で温められた水は対流により上昇し、また壁面には冷たい水がきて暖められるということが繰返されます。

壁面は初めはこの水に熱を奪われるのであまり温度は上がりません。

やがて水の温度が上がってくると、やかんの壁面の温度も上昇していきます。

<第二段階>
ある程度たつと壁面の温度はかなり高くなり、それに接して熱を貰う水の温度も高くなり、初めに水に解けている空気が、そして壁面温度が100℃を超えて水も100℃以上に加熱されるようになると水自身が水蒸気になり始めます。しかし全体の水がまだ100℃よりも低い場合には、その水蒸気は周りの水で冷やされ、また大気圧につぶされます。ちなみに溶けている空気が気泡として発生すると、その気泡の面では水が蒸発しやすい、つまり水蒸気になりやすいです。そのため水蒸気になるときにまた気化熱といい熱を周囲から貰うためなかなか温度上昇はしません。
この状況でシューという音が聞こえているわけです。なぜならば発生した気泡が再度はじけたりしてなくなるのでその衝撃が壁面に伝わるためです。

更に言うとこの状態では壁面から水への熱伝達が多少悪くなります。壁面に気泡が出来るということは接する水分子が少なくなることを意味します。つまり熱伝達が悪いので上記の状態は割と長く続くわけです。

<第三段階>
さて、水温が100℃付近まで来ると、発生した水蒸気は壁面近傍で冷やされつぶされて消滅せずに水中に上昇するようになります。そうすると、

・壁面付近で気泡がつぶれないので壁面にはあまり伝わらず音は小さくなる
・壁面と水の間の気泡の発生が少なくなるので、熱伝達が急激に良くなり加熱が加速する

という2つの現象が起きて、水温度全体が更にぐっと上がることになりついには沸騰(壁面でどんどん水蒸気になり空中に出て行く)という現象に至るわけです。

ちなみに突沸が発生するのは、壁面と水の親和性がよく、また気泡の発生(含まれる気体がほとんどないなど)が少ないなど第二段階での熱伝導率があまり悪くならないというケースで、水温上昇を緩和するものがないためにおきるためです。
これを改善させるために沸騰石などで気泡を意図的に仕込むわけです。沸騰石で発生した気泡では先に説明したように水が水蒸気に変りやすいので水の急激な温度上昇を緩和するわけです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。
お礼が遅くなりすみません。
皆さんが下さった回答が本当に専門的で頭が未熟な私にはなかなか理解に苦しむところがありました。
科学的にはどうでしょう?と自分で聞いておきながら失礼な話ではありますが。
‘こういう理由で音が小さくなる’
とはっきり記して下さったmickjey2さんにポイントさせていただきました。
水の沸騰も科学的に見ると複雑でおもしろいものなんですね。
今度、一連の過程をずーっと見てみようと思います。

お礼日時:2005/04/22 22:21

補足的に...



大学の伝熱学の授業などだと,沸騰現象を取り扱いますが,
#3さまおっしゃるような,結構複雑な過程を経るものです.
「沸騰曲線」として表されます.

特に現実的な沸騰現象は,やかんの微小な傷によって誘発されるものです.
完全に滑らかな傷ひとつないやかんでの沸騰は,
我々が台所で見るものとは違っている筈です.

音については,「キャビテーション」と言う現象が原因で,
これは長期的に見ると物体を破壊させるほどの強烈な現象です.
小さいので我々にはたいしたことないように思えるのですが,
例えば飛行機が飛ぶとき,翼の表面付近で同じようなあぶくが出来てははじけることで,
遂には翼を折るほどの危険な要因となります.
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。
皆さんの回答を見せていただいて、その複雑さに驚いています。
大学の授業ですか。複雑な説明になるのも頷けます。
私も久しぶりに授業を受けているような気分で頭を使いました。
日常の様々な何気ない事にも科学の目が光っているんですね。

お礼日時:2005/04/22 22:26

>>沸騰するほんの直前に、グツグツと湧く音が一瞬止みますがどうしてでしょう


はい、グツグツ沸いているのは「水に溶けている」空気が追い出されている状態です。
少し危険ですが(!!)完全に沸騰しているヤカンをそのままゆっくり冷やして、再度加熱してみて下さい。
突如「どっかん」と沸騰します。
これを「突沸」と言いまして、実験などの時は「絶対やってはいけない」ことになっています。実験装置などが「ブッ飛んじゃう」ことがあるためです。
滑らかに沸騰させるためには「沸石」といって「多孔質」の小さなかけらを入れてやると、この中のガス分へ水が蒸発していき常に泡が出るため突沸しません。
この「沸石」も一度しか使えません。(内部のガスが水で置き換えられてしまう)
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。
お礼が遅くなりすみません。
詳しく答えてくださったのに、私の理解能力が未熟かもしれないのですが‥
つまり、滑らかに沸騰すれば、音が一瞬止むという現象はないということなのでしょうか。
突沸(あらら?熟語変換できませんね)する前兆、嵐の前の静けさなのでしょうか。
理解の仕方が間違えていたらご指摘下さい。

お礼日時:2005/04/22 22:06

水が100度になり気化するとき気化熱が必要になります


気化熱を周りから奪うので気化できないほうの水の温度は下がります
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。
お礼が遅くなりすみません。
100度というのは十分熱いと思うんですけど、更に熱が必要になるということでしょうか。水もヤカンも熱い状態でなぜ水の温度が下がるのでしょうか。
すみません、明快に答えていただきましたが、私の頭では今ひとつ理解に苦しんでおります。

お礼日時:2005/04/22 22:01

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