
今回、仕事でプラスミドDNAの制限酵素処理を行うことになりました。
私は分子生物学等の知識に乏しく(医療系出身ですので・・・)、いろいろな実験書や参考書を調べてみたのですがどうしてもわかりません。
うまく説明できませんので、あるページから例題をおかりしましたので、掲載させていただきます。
例題) 大腸菌 DNA を pBR322 の EcoRI 部位にクローニングする。次の問題に答えよ。但し,EcoRI 制限酵素1 unit は,λファージ DNA 1μg を,0.1M Tris・HCl,pH7.5,7mM MgCl2,50mM NaCl 中,37℃,1時間で完全に切断する活性として定義される。λファージ DNA は 50 kbp あり、EcoRI 部位は5カ所ある。
大腸菌 DNA を pBR322 の EcoRI 部位にクローニングするのに,10 μg の大腸菌 DNA を EcoRI 処理したい。必要最少量の 10 倍量の EcoRI を加えるとして,何 unitの EcoRI が必要か。反応は,37 ℃, 12 時間行うことにする。
計算方法等をわかりやすく教えていただけると幸いです。
基本的な質問で申し訳ないのですが、よろしくお願いいたします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
比例式を書くならば、
1(unit) * 1(ug) /50(kb) *5(個所) *1(hr) *10(倍量)
= X(unit) *1(ug) /3(kb) *1(個所) *12(hr)
で理論上は
X=0.25(unit)
になると思いますが、
酵素は37℃中である程度は失活しますし、
精製したプラスミド中に酵素反応を阻害する物質が含まれている可能性がありますし、
直鎖状のλファージと環状のpBR322では切れ方が違う可能性もありますし、
酵素が数U~20U/μlの濃度でで販売されていて少量取るのは難しいし薄めた状態で保存すると失活する可能性もあるので
実際にはもっと多い量を入れることになるかと思います。
また、教科書的にはEcoRIはスター活性を持つのでクローニングを目的とするならば、
12時間の反応は止めたほうがいいかと思います。
No.3
- 回答日時:
その例題、設問が変です。
それとも引っ掛け問題でしょうか?1. 必要とされる単位数と反応時間は、単純に反比例という訳にはいきません。活性は時間とともに下がってきます(この場合、長時間ほど余計に酵素が必要)。また、プラスミドや真核生物ゲノムDNAのように消化にともなって相変化が起こるもの(スーパーコイルから直鎖に、高粘性から低粘性に)は、相変化が起こるまでは酵素が効きにくく、相が変化すると効きやすくなる傾向があります。したがって短時間で完全消化しようとすると、酵素が効きにくい相にあわせて酵素量を余計に入れてやる必要があります。
2. 制限酵素の単位数は切断箇所が何カ所あるかは関係ありません。それぞれの認識部位と制限酵素分子が出会うカイネティクスは、酵素とDNAの濃度によって規定されます。
3. 同じ単位数、同じDNA量だとしても反応体積が違えば、酵素、基質濃度がかわり、当然カイネティクすに影響します(例題では、このへんの条件設定がされていない)。
で、プラクティカルにどのように酵素量を決めるか。
単位数がlambda DNA(直鎖状)を基質にして規定されている場合、直鎖、あるいはスーパーコイルをとっていない環状DNAを1時間で消化するのには、基本的には1 ug DNAに1 unitが最低使用量です。
高次構造をとるスーパーコイルプラスミドに対する効きやすさは、酵素によってそれぞれ違います。メーカーのカタログに、それぞれの酵素でプラスミドを切る場合、規定の使用量(1 ug DNAに1 unit)の、何倍必要かという情報がのっているはずです。それを参考にしてください。
ただし、メーカーの示している単位数は、非常に純度の高いDNA標品を使った場合です。自前で精製したDNAは、不純物を含んでいて、酵素が効きにくくなっているため、規定より多くの酵素を必要とすることがまれではありません。
No.2
- 回答日時:
目的にもよりますが、クローニングをする場合は、unitを厳密に
考えて使う必要はないと思います。
少々乱暴な言い方になりますが、多目に入れて短時間でスパッと
切って反応を止める というのがベストだと思っています。
長時間反応が勧められない理由は#1で書かれています。他には、
unitの表示自体が怪しいこともあります。酵素のメーカーにも
よりますが、unit表示、液量などは全て少なめに表示してある
のが普通です。
”少ないぞ”とか”切れにくい”というクレームがこないよう
に恐らく1-2割は低く表示されているのでは。
参考サイトとしては、タカラバイオのカタログがありますが、
参考までに私のやり方を簡単に書いておきます。
unit投入量は、DNA1ugに対して、1-10unitで分注し易い量。
反応時間は1-2時間。1時間で少量を泳動して確認。
2時間以上は基本的にしない。切れないときはDNAの純度を疑う。
です。
参考URL:http://bio.takara.co.jp/catalog/catalog_r.asp?S_ …
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