
高校の教科書によると、chlorobenzeneからphenolを生成するときの反応機構は、(1)chrolobenzeneにNaOHを高温、高圧化で反応させ、sodium phenoxideを生成する。(2)(1)の生成物に、H2OとCO2を反応させ、phenolを得る(弱酸の遊離)とあります。しかし、今手元にある参考書によると、(1)chrolobenzeneに強塩基を作用させ、HClを脱離し中間体benzyneを生成(2)(1)の生成物にH2Oを付加させ、phenolを生成する。とあります。
塩基を反応させるところは一緒なのですが、アルコキシドができるか、ベンザインができるかで違いがあります。どちらが正しいのでしょうか?

No.2ベストアンサー
- 回答日時:
どちらも正しいです。
高校の教科書の方の反応も、ベンザインを経由していますが、この条件で、ベンザインは非常に不安定であり、速やかにOH-による攻撃を受け、H+が移動するなどして、フェノキシドになっています。これが(1)の部分です。その後、(2)で酸性にすることによってフェノールを遊離させています。
参考書の方では、(1)の部分で、ベンザインの生成までを述べています。ただし、教科書との違いは、塩基を特定していないことです。つまり、NaOHよりも強い塩基を、1当量だけ用いれば、ベンザインが生成した段階で止めることも、理論的には可能かもしれません。しかし、そのためには非常に強い塩基と低温条件が必要です。(2)の部分では、ベンザインからフェノールへの変換を述べていますが、ベンザインは非常に不安定な化合物ですので、水を加えるだけで、簡単に付加反応が起こってしまい、フェノールを生成することになります。
通常、ダウ法と呼ばれる、工業的なフェノールの合成法は教科書に書いてあるような方法で、高温条件下で行われます。
参考書の方法は、実験室などで小規模に行われることはあるかもしれませんが、非常に強い塩基と低温が必要です。
反応としては、ベンザインを中間体とするという意味で同じような反応であると言えるでしょう。
*参考書の反応はNaOHでは進みません。
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