主にフランス語を勉強してきました。
かなり昔ですが、仏検定2級とデルフを終了しました。映画が好きだったので、特にフランス映画は見まくりました。現地でも映画館で見ました。聞き取りもそこそこできるようになっているので、字幕なしでもわかるところが6割かくらいかというところでしょうか、映画の細かい筋までは追えませんが、大雑把にはわかります。
映画とのかかわりで、つくづく
「俗語隠語表現というのは、語学学習上日陰に追いやられている」と痛感しました。
映画は一番日常に近いコミュニケーションを体現しているものと思います。それが非常に「難しく」感じられ果ては聞いたこともない表現が多数出てきます。これでいいのでしょうか?
以降私の愛読書は「フランス俗語辞典」(田辺貞之助編著)になりました。
この問題はフランス語に限らず、あらゆる言語学習上の問題と思われます。
そこらへん皆さんはどうお考えでしょうか。
No.1
- 回答日時:
私は外国語学習は外国の文化、特に文献により外国の文化を吸収することを第一義と考えています。
従って、口語、特に俗語にはほとんど興味はありません。今は、主としてロシア語、フランス語を勉強しているのですが、それは主にロシア語、フランス語の原書を辞書なしで読めるようにするためです。翻訳した本を読んだとしてもその場合は翻訳者の主観が入っており、また、今は機械的に翻訳してくれるソフトがあるようですが、著者の真に述べたいことを理解することはできません。ですから、あなたと基本的に学習の目的が異なると思います。確かに、他人にフランス語とかロシア語を学習しているというと、すぐにフランスやロシアに旅行したいのですか、と聞かれます。その時に、真の目的をいうとなかなか理解されないと思いますので、適当に答えます。まあ、おそらく私のような目的で外国語を学習している者は少数派だと思いますが。確かに「文化」の捉え方によって違ってきますね。口語表現世界には「文化」があるかないか、それは人によりけりな所だと思います。私とて、俗語口語の世界に「格調高い精神性」があるとは思えません。しかしそのなかに「文化的要素」が皆無とも思いません。情報からの文化下方からの文化双方あるのではと。
No.3
- 回答日時:
その言語の学習テキストに出てくる表現と、俗語隠語とをはっきり区別して考えるのがおかしいのではないでしょうか。
たとえば日本語で「カボチャ」とは、もちろん野菜のカボチャですが、これを人の頭(の中身)にたとえて「カボチャ頭」といえば、思考力がない等の意味になるわけですね。(← これが適切な例かどうかわかりませんけど。)
カボチャという言葉が教科書に出てきたときに、本来はそういうイメージまで学ぶべきだったのでしょうが、なかなか初めはそこまではできません。
いきなり俗語隠語から覚えるのが良い学習方法だとはいえないでしょう。
ですから、初めは教科書通りに学んで、徐々に俗語隠語まで理解できるようになり、皮肉な表現とか、古めかしい表現とかを学んでいくわけで、特に学習方法を改めるという必要はないのではないですか。
はい、でも語学教材に普通載っていないような表現単語が出てきます。そういう「教材」を探し当てるもの苦労だし、上級になってからといったら入門のころはまったく触れないできてしまいます。
やはり、初級から満遍なく俗語皮肉洒落っ気のあるものに触れさせるのが必要ではないでしょうか。ひどく方法論的には難しくなると思いますが。
あるいは、180度転換して、まったくの口語から入る。漂流民がその庶民にまぎれて暮らしというパターンですね。
No.4
- 回答日時:
私のフランス語の先生(フランス人)は、フランスはargotの天国みたいなところだ、と言っていました。
argotは、特定のグループ内でしか通用しないことに存在理由があるともいえます。これをマスターするにはその社会の構成員になるか、その言語のフィールドワークを専門にすすめるか、ということになるのでは?それはそれで知的好奇心を刺激しますが、外国語の学習とは少し軸足が変わってくるような気がします。ご質問の俗語辞典、私も発売直後に買い求めましたがこれひとつで全部を網羅することもできないでしょうし、「面白く読める辞典」くらいの気持ちでときどき目をとおしています。どこまでがargotでどこからが正しい?フランス語なのか、線引きはできないですよね。だから線引きしないで網羅していく姿勢が大事ではないでしょうか。それが語学の幅を広げる事になるのではないでしょうか。仮に映画翻訳などやるとしたら、必ず「~~仏和辞典」では収まらないところが出てきますでしょうから。そもそもなぜ「外国語学習」というと、俗語は範疇外に置こうとするのか、オプション的に置こうとするのか理解に苦しみます。なぜ優先順位があるのか、どういう意図があって、こういう体制を作ったのか。納得しかねています。
あの辞典確かに面白いですよね。むしろあれを使うのが標準的な教材って「日常の口語」じゃないですか。どうしてそっちが外国語習得の第一と考えないのでしょうね。
No.5
- 回答日時:
普段気にしてないと思いますが、
日本語も知らない言葉が飛び交って
ます。
テレビでもラジオでもいいですが、
歌がかかったにときに、大真面目に
聞き取ろうとすると、聞き取れない
部分がかなりあることがあるはずです。
学生のとき、カナダに初めて行ったとき、
辞書にない単語や、辞書にあっても
そこからかなり変形した形の単語が普通に
使われていたんで驚きました。(英語ですけど)
言葉は生きてますから、しょうがない
んじゃないでしょうか?
フランス人と毎日チャットしてれば
言葉の最新情報が自然に入ると思いますが。
日本語の例で言うと、国語教育の限界でしょうかね。結局その世界に染まるしかない?でも奏でに行かれる前、そういう俗語教育を日本で受けられていたら、現地で戸惑いや驚きがなかったと思いませんか。現地人とチャットできる人ってそうはいないでしょうし。発展的学習でなく、自然に俗語表現も盛り込む改革が必要なのではないでしょうか。
No.6
- 回答日時:
私は次の様に考えています。
フランス語に限らず辞書類がカバーできるのは、良くて「言語活動」の3ー4割ではないだろうか。
言語の変化に紙媒体は、追いつけない(かろうじて追いつけるのがインターネット)。
映画等のサブカルチャー理解には、一般的な歴史や文化等の知識に加えて俗語、隠語、流行語などに関する知識が必要である。
フランスは、日本よりハッキリした階級社会なので階級によって使用される言語も(単語や表現)日本より多様であると考えられる。従ってフランス人にとっても理解できないフランス語が多く存在する。
流行語と俗語とは違うものかと思います。特に例に挙げた「俗語辞典」に載っているような表現は、古い映画にも使われているもので、いつもあるのです。ですので、こういうのを網羅する姿勢があれば、教材でも取り上げることは可能と思います。
上流社会のフランス語だけ勉強してもしょうがないと思ってしまうのです。一般的教材のはちがうかな。voitureなんていわないで普通の人はbagnoleっていう。こういうのを取り上げない法はないと思うんです。なにか心理的な規制が製作側にはあるのでしょうかとかんぐっています。
No.7
- 回答日時:
No.6です。
流行語と俗語とは違うものかと思います。
勿論違います。
特に例に挙げた「俗語辞典」に載っているような表現は、古い映画にも使われているもので、いつもあるのです。ですので、こういうのを網羅する姿勢があれば、教材でも取り上げることは可能と思います。
二つ疑問点。
「いつでも有る」という点が良く解りません。その俗語が使われている映画が存在する限り「有る」という意味ならば確かにそうですがその俗語が現在は使われていないのならば所謂「死語」になりませんか?
「網羅」といっても限界がありますから(フランス語使用各国の、使用されたことのある、あるいは使用されている俗語、隠語、業界用語を全て網羅するのは不可能ですよね?)「選択の基準」が必要になりますが誰がどのように基準を決めるのか、という大疑問が残ります。
上流社会のフランス語だけ勉強してもしょうがないと思ってしまうのです。一般的教材のはちがうかな。voitureなんていわないで普通の人はbagnoleっていう。こういうのを取り上げない法はないと思うんです。なにか心理的な規制が製作側にはあるのでしょうかとかんぐっています。
普通の人ってどのような人ですか?私は30年近くフランス人(大部分は工業専門学校もしくは大学が最終学歴のサラリーマンおよびその家族です)とつきあってますがvoitureをbagnoleと言うフランス人に会った事は有りません。
結局は、商売になるかならないかが最大のポイントではないでしょうか。
日本の場合、大雑把に言ってフランス語関連本は、英語関連本の1/10程度の売上です。つまりマーケットが余り大きくないわけです。
フランスマスコミ業界用語辞典、フランス自動車工場労働者俗語辞典(ルノーおよびプジョー)、フランス流行語辞典(1900ー1945年版)などが有れば確かに一定の部数は売れるかもしれませんが(1万円程度なら私は買いますが)、単語の収集からその成り立ちや意味の解説を確定し、編集し・・・・という労力の割に利益は余り期待できないと思います。
心理的要因としては、やはりサブカルチャーは、未だにアカデミズムでは市民権がないという事は有るでしょうし、辞書編纂に関わる人たちはブルーカラーの使っている言葉には殆ど興味がないでしょう(セリーヌのような作家は俗語や卑語を作品に積極的に使いましたが)。
ネット上には色々なjargon辞典が存在していますしフランス本国ではさすがに紙媒体でも辞書がいくつか有るようです。
http://www.nicoweb.com/dicorom/dicos.htm#nonconven
http://marges.linguistiques.free.fr/liens/liens6 …
この回答への補足
いつでもあるものはたとえば
ta gueule とかでしょうか。
bagnoleはあまり一般的でないのでしょうか。
辞典ではなくて主に教材の話をしたかったのです。
結局外国語をやる人種というのは文部省推薦語みたいのしかやらなくていいと思っているのでしょうか。それが残念です。
やはり「売れる」本というのが最もネックでしょうね。そうすると実績のある「下品さがない」言葉表現を選ぶというわくからははみ出れないのかもしれないと想像します。
No.8
- 回答日時:
俗語、隠語の表現(argot)と、いわゆる会話的な言葉(familier 日本の辞書では「話」となっているもの)とは違います。
「話」というのは、普通にフランス人も使うもので、下の方は友人たちは使用しないということですが、わたしの友人はHautes Etudes (レヴィ・ストロースとかブールデューも教えていた研究所)の教授ですが、bagnole ,bouquin, bottin などの言葉を普通に使います。それは誰でもわかるものです。しかしアルゴ、といわれるものは、その仲間でないとわかりません。単語が全然!違うのです。たとえばリセの学生でもそういった言葉があり、聞いたことがありますが、何を言っているのかまったくわかりません。
以前、ある友人(フランス語堪能、現在では有名大学教授)が、ヨットの講習にいったそうですが、そこで話されている学生言葉は、まったくわからなかったそうです。
ですからそういったものは、一般的に学ぶ必要はあまりないと思われます。興味のある方は研究されればよいでしょう。
わたしは、授業で映画を教材に使用しています。すると、「話」とされているような単語、表現は出てきますので、そのときに教えます。
学習上の問題、について現場からお答えするならば、質問者の方は、2級、デルフも合格ということですから、標準フランス語をすでにかなり習得されていますね。ですから俗語の類を勉強なさってもよいと思いますが、まずはスタンダードなものを教えるしかありません。voiture, livre, annuaire という言葉を知らなければ、やっぱり困りますね。フランスで生活していればまた別でしょうが。
学習者は現代のものばかり読む(興味がある)とは限りません。会話的な表現は時代によってかわります。
文型については、たとえば疑問文も倒置形でないものも、もちろん教えますが、単語については、まずは標準を教えるのは正常なことと思います。
外国で教えられている日本語の教科書が、「それは本当なの?」でなく「マジっすか?」となっていたら、やっぱりあなたは怒るんじゃないでしょうか?
学生言葉がわかることは理想ですよね。
それを文字で学習できればという妄想なのです。
「正しい」言葉を教えるのがなぜか外国語学習で、それは日常語でないかもしれない。そこにいつも疑問を感じるのです。「正しい」とは何なのでしょうか。国定の文法書見たいのがあるのでしょうか。私は「マジっすか?」の教科書理想だと思いますよ。
No.9
- 回答日時:
さらにコメントがありましたので、一言。
たしかに、どのような言語を教えるか、これは簡単そうで難しい問題です。フランス語では niveau de langue といいますね。
しかし現在では、ろくに使われていないようなフランス語の教科書を使用している場合はあまりないかと思います。まあ、先生自身、フランス滞在の経験がないと口語的なテキストは使えないですよね。わたしがよく使用する中では早稲田の倉方さんのは、かなり口語的です。
「正しい」とか「正しくない」とか、わたしは何も言っておりませんよ。
それから、いわゆる学生語だけを覚えても、映画がより理解できるようにはならないでしょう。それどころか、一般の人が話していることが理解できないだろうと思います。新聞も雑誌もよめないでしょう。ですから、ちょっと誤解があるような。。。(俗語を知っているか、と映画を理解できるかは必ずしも関係ないです)
また、「マジっすか」的教科書で日本語を習ったら(外国語、母国語に限らず)、質問者の方が書いているような日本語は書けないでしょう。
言語は書き言葉だけではないですが、話し言葉だけでもありません。また、フランス語は大学で週、1、2コマで教えなければならない場合がほとんどで、性数の変化、動詞の活用、時制をするだけでせいいっぱいですね。俗語などはそれらを理解した人に映画などで出てこれば勉強するわけです。現在でも古典的な小説などを読んでいる場合も多いかとは思いますが。
メル友でストラスブールの大学生のポーリーヌちゃんは、ドイツ語とのバイりンガルで経済系の専攻ですが、ドイツ語、英語が週に各々4,5時間はありますね。時間があれば問題はかなり解決すると思います。
niveau de langueというのが、眉唾のようにも思ってしまいます。言葉に階層があるかどうか。
古語的なものは徐々に淘汰されているのでしょうね。
「正しい」=教科書単語、表現とか「正しくない」=俗語とかがあるのかと思ってしまいました。そういう言われ方を世間一般でされているのではという被害妄想みたいな感覚です。もしかしたら、教科書とか試験勉強対策みたいな勉強を多くやると、最大公約数的に現地に行って満足できる結果があるのかもしれないですね。
でも砕けた言い方も、仰々しく正しい言い方も、並列して勉強していったらいいのではと思うのですよ。だから「マジっすか」と「それは本当でしょうか?」は表現のヴァリエーションとして教材に取り上げられてもいいのではということなのです。混乱するでしょうか。
No.10
- 回答日時:
日本の外国語教育はそもそも何の為に始まったかという点も考慮すべきかもしれません。
外国の技術や理論等を素早く翻訳して日本の軍事・産業等に役立てようというのが目的だったはずです。
最近は、会話力がどうの、コミュニケーション能力がこうのと言っていますが本質は余り変わっていないと思います。
従って、普通の人々(定義はともかく)の言葉は扱う優先順位が低いわけです。
正しいフランス語の定義は誠に難しいですが一般的には、「最大公約数的な言葉」、アカデミーフランセーズが認めている言葉と定義できるのではないでしょうか。
個人的には、言葉に高級低級のクラスはないと思いますが、使用する人間には階層が有る(階層付けされてしまう制度が存在する)と考えます。
善しに付け悪しきに付けそういう伝統を引き継いでしまっているのでしょうね。私のように偏ったこと(映画ばかり見る、書き取りをしないなど)をやっている人間には、教科書がいびつなものに感じられるということも、なきにしもあらずな気がしていました。
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