電子書籍の厳選無料作品が豊富!

少年法やマスコミにおいて被害者の人権より加害者の人権のほうが尊重されているように思うのですが・・・

A 回答 (1件)

 ご質問の少年法という限定は考えずに、犯罪における加害者と被害者の人権について少し述べたいと思います。



 犯罪における「被害者」と「加害者」の図式は古今東西共通のものですが、中世以前の古代においては、(S・シェーファーの区分に従えば)被害者黄金の時代であったとされています。「目には目を」として加害者への報復が盛んに行われ、被害が回復できたかどうかは別として、被害者にとっては天国のようなシステムであったと考えられます。近代に入ると、加害者の処罰権は国家に委託され、被害者の存在は希薄化しました(被害者衰退時代)。国家が加害者を管理するようになり、加害者の更正・社会復帰等が最重視され、被害者は放置された状態となりました。この傾向は戦後まで続き、日本においても加害者の人権が厚く保護されてきました。少年法も戦後まもなく成立した法律で、この傾向を顕著に表していると言えます。そして現代(60年代以降)、この傾向に疑問の声が上がり、加害者重視・被害者軽視のシステムが見直されるようになりました(被害者復活の時代)。
 
 たしかに、犯罪を行ったことによって多くの非難にさらされる加害者の人権については多くの危険が伴い、これを保護する必要があることは言うまでもありませんが、犯罪に遭遇したことによって危険にさらされ、掻き回される被害者の人権も当然保護すべきです。犯罪を行った加害者が刑務所での生活を保障され、犯罪の被害にあった人たちが経済的に困窮し路頭に迷うとすれば、これほど大きな不合理はありません。経済的困窮に限らず、犯罪による精神的ダメージ(強姦等)や刑罰の不均衡に対する困惑(飲酒運転による業務上過失致死傷等)、また刑事裁判における被害者の知る権利など、被害者の人権保護に関する問題は数多くあります。

 犯罪によって加害者の人生も変わりますが、被害者の人生も大きく変わります。被害者に対する救済はいくらでも考えられます。国家はこれまで、救済を怠ってきました。これに対しては現在、多くの非難がなされており、国家も被害者救済にようやく乗り出しはじめたと言った感じです。先ほど被害者復活の時代と書きましたが、世界的に見ても被害者の人権に対する保護は強められつつあり、日本も例外ではありません。犯罪に遭遇したことによる傷跡は一生癒えないでしょうが、被害者を少しでも救済できれば、これに越したことはありません。被害者が犯罪の後の生活を安心して送れるようなシステムができることを望んで止みません。

 
    • good
    • 1
この回答へのお礼

被害者と加害者の両者の人権が尊重される社会になってほしいです。
返事が遅れてしまい大変申し訳ありませんでした。
本当にありがとうございました。

お礼日時:2002/01/08 15:39

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!