
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
宿題かレポートの手伝いをさせられているような気がしないでもないのですが(もし、そうじゃなかったらごめんなさい。
)正真正銘の山田美妙の「胡蝶」のご指摘の部分の現代語訳をしてみました。〔 〕内は、usagisanが補った部分です。これは確かに二位〔=平清盛の妻、二位の尼。建礼門院徳子の母〕の声で、後は〔悲しみの涙で〕鼻をすする音が聞こえるだけです。耳を澄まして聞いてみると表の方で女たちも騒ぎ立てているようです。「あれまあ、源氏〔が来た〕」という声に、胡蝶も〔中での二位たちの話を〕立ち聞きしてはいられません。〔そっと〕足を引いて戻って外を見ると、なるほど源氏の武士はすでに間近まで近寄っていました。しかし、頼もしくて〔敗色濃いとははいえ〕それでもやはり武士の名誉を惜しむ〔平氏の〕侍たちは防戦して〔源氏の〕兵を近づけないようにしようとしています。「こうなってはどうして逃げてしまえることができるだろう〔いやできない〕。早く〔死の〕心構えをするのがよい。」胡蝶も一度こんなふうに心を決めましたが、それでもまた〔安徳〕天皇や〔その母の建礼〕門院の御身の上が気になって気になってたまりません。しばらく舟の端にたたずんで(今は〔源氏の射かける〕矢を恐れもしません。あたりを見回していましたが、思いついて、また奥の方へと戻っていく〔と、奥から出てくる人と〕出会いがしらに〔相手を〕見てみると、二位の尼は天皇のお手を引いて、そこに立っています。「胡蝶、いくさ〔の様子〕はどうであろうか。」
質問されても、順調であるようには言えません。
「〔とても〕残念なことです。ごらん下さい、〔この〕お船の近くにも源氏が来てしまいました。」
「つなぎ止めたかいもなかった。それなら私もどうしてためらっていられようか。さあもうみんな一緒に……。」
〔こう〕言いかけて、はらはらと涙を落として胡蝶を字と見つめたまま、しばらく身支度をするありさま、どうにも納得がいきません。
「みんな一緒に、いったい何をなさっているのですか。」
「一緒に水に〔飛び込んで死のう、というのです〕。」
「今はもう入水なさろうというのですか。それでは恐れ多くも天皇様のお体を〔どうなさろうというのです〕。」
「天皇様だとあなたも思うのですね。これはどうでしょう。」
〔こう〕言って〔二位の〕尼が天皇様の頭からかぶった衣を取りのけると、これは天皇様だと思っていたのに意外にも知盛様のご子息です。胡蝶もこれには驚きました。
山田美妙は、古文の言葉遣い(文語)で書くのではなく、話すように口語で書く言文一致運動を推進したうちの一人ですから、この「胡蝶」も原文のままでけっこう「現代語」だと思いますが、なんせ明治の文章ですから、今の若い人には難しいところもあるのでしょうね。
でも、たとえば大学入試の古文や擬古文はもっともっとハイレベルですから、この程度の日本語文は読みこなす実力をつけてほしいと私は思います。
この回答へのお礼
お礼日時:2001/12/09 18:58
ありがとうございました。
ほんとにありがとうございました。
>でも、たとえば大学入試の古文や擬古文はもっともっとハイレベルですから、こ>の程度の日本語文は読みこなす実力をつけてほしいと私は思います。
ハイ、身にしみます・・・。感謝です。ありがとうございました!!
No.1
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